中川大志:「家政婦のミタ」から10年 王子キャラ&三枚目を開拓 GP帯ドラマ初主演までの軌跡

7月4日スタートの連続ドラマ「ボクの殺意が恋をした」で主演を務める中川大志さん
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7月4日スタートの連続ドラマ「ボクの殺意が恋をした」で主演を務める中川大志さん

 俳優の中川大志さんが、ゴールデン・プライム帯(GP帯)の地上波連続ドラマで初主演を務める「ボクの殺意が恋をした」(読売テレビ・日本テレビ系、日曜午後10時半)が7月4日にスタートする。中川さんといえば、2019年放送の「花のち晴れ~花男 Next Season~」(TBS系、花晴れ)での“王子キャラ”から、auのCMシリーズ「意識高すぎ!高杉くん」での細杉くんの三枚目までと幅広い顔を持つ若手俳優の1人だ。2011年秋に放送された大ヒットドラマ「家政婦のミタ」の阿須田翔役を演じてから10年。“俳優・中川大志”のキャリアを振り返る。

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 ◇NHK朝ドラ2回、大河3回… 「花のち晴れ」で“王子キャラ”確立へ

 中川さんは1998年6月14日生まれ、東京都出身。小学4年生の時にスカウトされ、2009年7月に俳優デビュー。翌年10月に映画デビューも果たした。

 中川さんの俳優人生で最初のヒット作となったのが、最終回の視聴率が40%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録した「家政婦のミタ」だ。家族思いだったが、母親の死の真相を知り父親に強い反抗心を抱いたりと、阿須田家の長男で思春期まっただ中の翔を熱演し、視聴者に大きなインパクトを与えた。

 「家政婦のミタ」のほか、2011年には、NHKの連続テレビ小説(朝ドラ)「おひさま」と同局の大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」に出演。2012年放送の大河ドラマ「平清盛」では源頼朝の少年時代も演じた。2回目の朝ドラ出演となった2019年放送の「なつぞら」では、ヒロイン・なつ(広瀬すずさん)の夫となる“イッキュウさん”こと坂場一久を丁寧な演技で表現したのも記憶に新しい。

 端正なルックスと爽やかな笑顔で活躍を見せてきた中川さんは、3回目の大河ドラマ出演となった2016年放送の「真田丸」で“りりしい豊臣秀頼”を演じ、話題を集めた。この“りりしい秀頼”が、「花のち晴れ」での文武両道でカリスマ性がある生徒会長という“王子キャラ”馳天馬(はせ・てんま)につながった。

 「花より男子」シリーズや「99.9 -刑事専門弁護士-」(ともにTBS系)を手掛け、「花晴れ」も担当した瀬戸口克陽プロデューサーは、真田丸での“りりしい秀頼”を見て、天馬役に中川さんを起用した。中川さんは、その期待に応える形で、ヒロインの江戸川音(杉咲花さん)の窮地を救ったり、お姫様抱っこをしたりと王子を見事に体現し、視聴者のハートをキュンキュンさせた。

 その間に、2012年の「GTO」(カンテレ)、2013年の「夜行観覧車」(TBS系)、2014年の「水球ヤンキース」(フジテレビ系)といった話題作にも出演。2019年の「G線上のあなたと私」での、恋愛に不器用ながらも好きになった女性に真っすぐにぶつかっていく加瀬理人役でも存在感を放った。

 ◇コミカルな演技で“三枚目”キャラも

 上記のように“王子キャラ”を確立した中川さんだが、三枚目を自然と演じきる力も見せてきた。2017年には、NHKのコントバラエティー「LIFE!~人生に捧げるコント~」(総合)に加入。芸達者なお笑い芸人たちに混じりながら、コントでさまざまなキャラクターに扮(ふん)してコミカルな演技やユニークな表情を見せ、お茶の間を楽しませている。

 2018年から放送されているauのCMシリーズ「意識高すぎ!高杉くん」では、神経質で細かすぎる細杉くんを演じている。神木隆之介さん演じる高杉くんとユニークな掛け合いを見せながら、運動神経が悪い一面や、発音がいい英語を披露するといった演技で、思わずクスッと笑ってしまった視聴者も多いことだろう。

 ドラマでも、2015年に放送された「監獄学園-プリズンスクール-」(MBS)での、裏生徒会の女子生徒たちにボコボコにされる男子生徒のキヨシこと藤野清志、2018、2019年に放送された「賭ケグルイ」(MBS・TBS系)シリーズでの、蛇喰夢子(じゃばみ・ゆめこ、浜辺美波さん)にゲームで敗れ理性が崩壊する豆生田楓など、ユニークな演技を披露。

 2019年放送の「スキャンダル専門弁護士 QUEEN」での新人エリート弁護士の藤枝修二役では、竹内結子さん、水川あさみさん演じる先輩女性弁護士にイジられる役どころをコミカルに演じた。2020年放送の「親バカ青春白書」(日本テレビ系)では、どこか抜けている大学生の畠山雅治役で、“残念なイケメン”を表現した。

 家政婦のミタから10年の間で、“王子キャラ”を確立していくとともに、コミカルな演技で三枚目のイメージも作り上げてきた中川さん。7月4日スタートの「ボクの殺意が恋をした」では、暗殺ターゲットに禁断の恋をする“最高に間が悪い殺し屋”男虎柊役に挑む。柊は、抜群の身体能力、甘いルックス、優しい性格と“モテ要素”しかない男だが、肝心なときに失敗する“非モテ男”という役どころだ。これまでのキャリアを生かせそうな上、中川さんのハマり役になる可能性もある。どんな演技を見せてくれるのか、放送が待ち遠しい。

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