アイドルグループ「アンジュルム」の元メンバーの和田彩花さんが、龍谷ミュージアム(京都市下京区)で開催中の「秋季特別展『アジアの女神たち』」で9月26日にトークセッションを行う。同展では、「吉祥天」「弁財天」「ヴァイシュナヴィー」といったアジア各地で信仰された女神たちの立像が展示されている。アイドルと仏像は「偶像」と共通点を語る和田さんに、仏像を好きになったきっかけなどを聞いた。
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和田さんは1994年8月1日生まれ、27歳。群馬県出身。2009年に、アンジュルムの前身となるアイドルグループ「スマイレージ」の初期メンバーに選出。リーダーを任された。翌年、メジャーデビューし、同年の「第52回日本レコード大賞」で最優秀新人賞を受賞。2019年6月18日に、アンジュルムおよび、所属する「Hello! Project」を卒業した。アイドル活動の傍ら、大学院で美術を学び、西洋近代絵画、現代美術、仏像に関心を持っている。
アプリ版の総合情報サイト「ぴあ」では「アンジュルム和田彩花の『アートに夢中!』」を連載。2020年に放送されたNHKの番組「趣味どきっ!アイドルと巡る仏像の世界」では司会も務めた。
仏像を好きになったきっかけは何だったのか。西洋美術が好きで、美術史を学ぼうとしていた和田さんは、高校の先生から「日本の美術も知っておいた方がいい」とアドバイスを受け、仏像にも触れてみようと思ったと振り返る。仏像の種類は独学で知ったといい、「先生から仏像図鑑の古本をいただいて、写真を切り取って、貼って、特徴を自分で書き込んだり。自分で仏像の図鑑を作るみたいな感じで(笑い)」と、ユニークな覚え方をしたという。
自作の図鑑で仏像について学ぶ学生生活を送る一方で、アイドル活動をしていた和田さん。仏像を学んで、アイドル活動に生かせたことを聞いてみると「仏像とアイドルは、偶像という意味で成立しているものだと思います。人に見られたり、時には頼りにされるなど、人の支えになる存在という部分で共通点があると思います」と答え、満面の笑みを見せる。
和田さん自身も神奈川・鎌倉や京都、奈良に足を運んで仏像を楽しんできたといい、「仏様の顔を見ることで自分の心を顧みることができると思います」と話す。新型コロナウイルス感染拡大の影響で「(心を)頼るところがなく、不安を感じました」と明かしつつ、「世界中が不安な中で、信仰どうこうではなく、仏様に手を合わせてしまう。お寺に行く、祈ることとかしてみたいという気持ちが強まったと思います」と心のよりどころを探したと語っていた。
さまざまな仏像を見てきた和田さんに、普段、寺社仏閣に設置されているのと、ミュージアムで楽しむ方法についての違いを聞くと、「仏像が自然の光に照らされていたり、役目を務めている姿はかっこいいですよね」とコメント。「でも、展示や美術館では、“作品”としてきっちりと見られるように飾られます。近くに寄れたり、後ろ側を見られたり。きれいに照明も当てられるので、細部まで楽しめるところだと思います」と語った。
和田さんが司会を務めた「味どきっ!アイドルと巡る仏像の世界」では、「センター」「フォーメーション」といったアイドルと共通するポイントで仏像の魅力を伝えた。和田さんは仏像の特徴について「如来は怒っている、菩薩はほほ笑んでいるとか表情が違います。それに役割や作り方も違う。そういう豆知識って興味があれば勉強しますが、興味がないと触れないと思います」と話しつつ、「現在で言うと“こういうことだよ”とか例え話で伝えると、年下のアイドルの子たちが『仏様は身近ですね』って楽しんでくれました」と振り返る。トークセッションでも、この経験を生かして「自分の言葉で仏像の魅力をお伝えできたらいいな!って思います」と意気込んでいた。
和田さんが出演するトークセッションは、9月26日午後2時から公式サイトでオンライン配信される。龍谷ミュージアム2代目館長で龍谷大の入澤崇学長も出演する。アジアの女神たちは11月23日まで開催。
また、10月4日午後9時半から放送されるNHKの番組「趣味どきっ! アイドルと旅する仏像の世界『これから始まる!アイドルと旅する仏像の世界』」(Eテレ)にナビゲーターとして出演する。