細田佳央太:憧れの存在はつくらない 役者として「オリジナリティー持たないと」 19歳が語る役への“責任”

連続ドラマ「恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~」に出演する細田佳央太さん=日本テレビ提供
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連続ドラマ「恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~」に出演する細田佳央太さん=日本テレビ提供

 杉咲花さん主演で10月6日にスタートする連続ドラマ「恋です!~ヤンキー君と白杖(はくじょう)ガール~」(日本テレビ系)に出演する俳優の細田佳央太さん。細田さんは、杉咲さん扮(ふん)する盲学校生・赤座ユキコの同級生・青野陽太を演じる。「生まれたときから全盲」というチャレンジングな役に挑むが、「自分で考えて、納得して届けたものから逃げたくない」と役を演じる上での「責任」を語る細田さんに、役者として大切にしていることなどを聞いた。

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 ◇「納得して届けたものから逃げたくない」

 ドラマは、勝ち気だけど恋に臆病なユキコと、ケンカっ早いが根は純粋なヤンキー・黒川森生(もりお、杉野遥亮さん)が繰り広げるラブコメディー。細田さん演じる陽太は、生まれたときから全盲。想像力が豊かな一面もあり、思春期ならではの“性”にも人一倍関心があるという役どころだ。

 細田さんは陽太について、「普通の男の子」としつつ、「大人の考えを持っていたり、一歩引いて物事を見ているところは、陽太にしかないところだと思います」と話す。「彼自身が、“見えない”ということに対してそれほどネガティブじゃないんです。むしろポジティブに考えていて。ただ、全盲の人はみんながみんな陽太と同じように考えているわけではないということも分かっていて、そこが陽太の好きなところです」と明かす。

 そんな陽太を演じる上で、「とにかく丁寧に」ということを心がけているという。

 「役を通して発せられる言葉や動きに対して、僕自身が何も責任を負わないかといえば、そうではないと思っています。つまり、僕にはその役でいることへの“責任”が絶対にあるということです。だから、演出を受けて、その通りに芝居して、仮にそれが批判されたとして、『いや、僕はこうやろうと思っていたんですけど』みたいなことは言いたくない。自分で考えて、納得して届けたものから逃げたくないんです」

 細田さんにとっても、全盲の人々が暮らす世界は「初めて知る世界」だったという。「僕も当初は間違っていたこと、あまり理解できていなかったことがありました。実際、盲学校に行かせていただいたのですが、初めて知ったことが結構あって。盲学校の先生方にもいろいろと教えていただき、その機会はありがたかったですね。視聴者の皆様にも間違った認識を持ってほしくないですし、実際は『こういうことなんだよ』ということは一番に伝えるべきだと思っています」と語った。

 ◇中学時代は神木隆之介みたいになりたかったけど…
 
 今作で演じる役を通して、「面白い」「泣けた」といった感想はもちろんのこと、もう一歩踏み込んだ言葉も聞きたいという。そしてその思いは、理想の役者像と関係しているようで……。

 「僕が役を通して何かを伝えたときに、見た人が『この作品、面白かった』『この作品ものすごく泣けた』みたいな感想をいただけることはうれしいのですが、どこに感動したのかとか、どういったところが面白かったのかというところも聞いてみたいです。一文で終わらない感想というか、自然と『こういうところが面白くて!』と伝えたくなるくらい、お芝居で影響を与えられるような役者になりたいという思いはあります」

 現在19歳の細田さんは、具体的に憧れの役者は「つくらないです」と言い切る。「そういう存在は考えないようにしていて。中学のころは、神木隆之介さんみたいになりたいとか思っていたんです。でも、『憧れ』というフィルターがかかっている時点で、もうその人と並ぶことはできないというか、ずっと後に付いていくことになりますよね。オリジナリティーがなければ、自分の道も作れない。そういうことを知ってからは、『この人』というのは考えないようにしています」と説明した。

 最後に、今作の役に懸ける思いを語ってもらった。

 「僕自身は、陽太ほど物事を達観して見られている気はしません(笑い)。初めて原作を読んで、自分が陽太をやるってなったときに、あまり共通点がないなと思いました。でも絶対に演じられると思ったんです。感覚的な話ですが、きっと陽太って、自分と近いというか、かけ離れている子ではないと思っています。まだ、共通点とかは見つかっていないですが、すごく演じるのが楽しみです」と目を輝かせた。

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