テレビ試写室:堀田真由主演「木のストロー」 人を動かす熱意の強さ 春にピッタリな“踏み出す勇気”もらえるドラマ

スペシャルドラマ「木のストロー」の場面写真(C)フジテレビ
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スペシャルドラマ「木のストロー」の場面写真(C)フジテレビ

 ドラマからドキュメンタリー、バラエティー、アニメまで、さまざまなジャンルのテレビ番組を放送前に確認した記者がレビューをつづる「テレビ試写室」。今回は、2月26日午後3時半から放送される、堀田真由さん主演のスペシャルドラマ「木のストロー」(フジテレビ・関東ローカル)だ。

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 本作は、フジテレビ、BSフジ、ニッポン放送の連合プロジェクト「楽しくアクション!SDGs」の関連番組の一つとして放送されるドラマ。世界初の木製ストロー開発の実話を描いたアキュラホーム広報の西口彩乃さんの同名書籍(扶桑社)を原案にした。住宅メーカー「オーセントホーム」を舞台に、環境問題を考えたこともなく、物作りも未経験の主人公・若木陽菜(堀田さん)が、木製ストローをどのようにして作り出したのかを描いていく。

 物語を動かす陽菜は、営業課から広報課へ異動してきた若手社員。大阪で3年連続営業成績トップを獲得した“バリキャリ女子”で、見た目は“ゆるふわ”だが、決めたことに一直線に向かっていく猪突(ちょとつ)猛進タイプ。創業者で社長の富永佳樹(小日向文世さん)からも「広報課でもきっと嵐を起こしてくれる」と“お墨付き”だ。

 ある日、広報課の業務として“森のゴミ拾い”イベントに参加した陽菜は、きちんと間伐がされていない森の現状が土砂災害を招く一因になっていると知る。そこで間伐材を再利用した“木のストロー”の開発を思いつく。

 しかし、前例がないだけに、企画を通すのにも一苦労。切れ者上司の奥沢塔子(鈴木保奈美さん)に、何度も企画書を提出しにいく場面も描かれる。協力者が現れ、やっとのことで許可が下りた後も、さまざまな壁にぶつかり開発は難航。陽菜は傷つき、落ち込みながらも、めげずに立ち向かっていく。

 そんな陽菜は過去にあることを経験し、「自分のようにつらい思いをしてほしくない」一心で開発に取り組んでいた。諦めずに挑戦し続ける熱意はやがて人々を巻き込み、突き動かしていく。報われない努力もあるかもしれないが、その頑張りは決して無駄ではなく、必ずどこかに見てくれている人がいる。挑んだからこそ得られる経験も大きいだろう。一生懸命になることの尊さを、改めて教えてもらったように思う。

 あっという間に2月も過ぎ去り、いよいよ春がやって来る。新たな一歩を踏み出す人々への“エール”を、この作品から感じとってほしい。

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