テレビ試写室:「相棒season20」最終回SP 冠城亘はどこまでもカッコ良く

連続ドラマ「相棒season20」の第20話「最終回スペシャル『冠城亘最後の事件―特命係との別離』」の一場面=テレビ朝日提供
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連続ドラマ「相棒season20」の第20話「最終回スペシャル『冠城亘最後の事件―特命係との別離』」の一場面=テレビ朝日提供

 ドラマからドキュメンタリー、バラエティー、アニメまで、さまざまなジャンルのテレビ番組を放送前に確認した記者がレビューをつづる「テレビ試写室」。今回は、3月23日午後9時からテレビ朝日系で放送される人気刑事ドラマ「相棒season20」の第20話「最終回スペシャル『冠城亘最後の事件―特命係との別離』」を紹介する。

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 「相棒」は、警視庁の窓際部署「特命係」の杉下右京(水谷豊さん)が、その天才的頭脳で推理し、相棒と共に難事件を解決するドラマ。「season14」(2015年)から右京の“4代目相棒”の冠城亘(反町隆史さん)は、同話をもってシリーズを“卒業”する。

 第19話では亘の“パパ活”疑惑が取り沙汰されたが、事の真相が明らかに。事態は収拾していくが、一連の騒動の火の粉は、青木年男(浅利陽介さん)や、社美彌子(やしろ・みやこ、仲間由紀恵さん)にも降りかかる。見どころは、亘と青木、美彌子のそれぞれのやり取り。亘が友人と、かつての上司に見せる行動は、彼の優しさと正義感を感じさせるシーンになっている。

 亘の“卒業回”とあって、その活躍ぶりが目立つ。第19話から引き続き展開する国家公安委員長・鑓鞍兵衛(やりくら・ひょうえ、柄本明さん)再襲撃計画に端を発する事件でも奮闘。亘が、犯罪に手を染めようとしている人物を、身を挺(てい)して引き留めようとするシーンもある。見ているこちらは“卒業回”ということもあり、ハラハラするが、7年間亘の姿を見てきた視聴者ならその行動には納得できるはず。そこに映っていたのは、7年前の法務省のキャリア官僚の姿ではなく、右京にも引けを取らない警察官の姿だった。

 そして、亘の去就だが、脚本を手がけた輿水泰弘さんが「冠城亘らしくカッコ良く」描いたという言葉通り、亘らしい“卒業”だなと思った。筆者は見終わった後にさっそく“冠城くんロス”になったが、「亘ならば」と腑(ふ)に落ちた。冠城亘はどこまでもカッコ良かった。

 アニバーサリーシーズンになった「season20」のフィナーレにして、“亘の特命係との別離”、ぜひ見届けてほしい。

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