寺島拓篤:「阿波連さんははかれない」 ライドウくん役は「徒歩とスプリントの繰り返し」 予想を超える振り幅

「阿波連さんははかれない」のライドウ役の寺島拓篤さん
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「阿波連さんははかれない」のライドウ役の寺島拓篤さん

 集英社のマンガアプリ「少年ジャンプ+(プラス)」で連載中の水あさとさんの青春ラブコメディーマンガが原作のテレビアニメ「阿波連(あはれん)さんははかれない」が、4月1日からMBS・TBSほかの深夜アニメ枠「アニメイズム」で放送される。同作のメインキャラクターの男子高校生・ライドウを演じるのが、人気声優の寺島拓篤さんだ。ライドウは無表情なキャラクターだが、寺島さんは「思い描いていたよりはるかに振り幅のある人だった」といい、「アフレコはかなりアップダウンが激しかったです。てくてく歩いていたかと思ったら急にスプリントし始める感じ」と話す。作品の魅力やアフレコの様子を聞いた。

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 ◇ライドウくんの妄想に「こんなにやっていいの!?」

 「阿波連さんははかれない」は、とある高校に通う小柄で物静かな阿波連れいな、隣の席に座る男子・ライドウの“はかれない”日常を描く青春ラブコメディー。2017年1月に連載をスタートし、総閲覧数が1億2000万回を突破するなど人気を集めている。アニメは、寺島さんがライドウ、水瀬いのりさんが阿波連さんを演じるほか、M・A・Oさん、柿原徹也さん、楠木ともりさん、花澤香菜さんらが出演する。

 テレビアニメ化が発表される前から原作を読んでいたという寺島さんは、「すごく独特な世界観だなと思っていました。日常系の皮をかぶったハイテンションギャグコメディーみたいな(笑い)。導入はすごくほっこりとした日常なのに、一度その中に入ってしまうと巻き込まれるような。すごい作品だなと」と魅力を語る。

 寺島さんが演じるライドウは、無表情で淡々としている普通の男子高校生に見えるが、友達になった阿波連さんに対して激しい妄想を繰り広げる。ライドウの妄想の中では、阿波連さんがコスプレをしたり、猛獣使いになったりする。寺島さんはライドウ役が決まり、「正直めちゃくちゃびっくりしました」と話す。

 「ライドウくんは、つかみどころがなくて、オーディションの時もどうやって演じたらいいんだろうとよく分からなかったんです。実際にアフレコが始まってみると、僕の思い描いていたライドウくんよりはるかに幅のある人だった。彼は無表情なのですごく狭い範囲で表現していくのかなと思ったら、かなりアップダウンが激しくアフレコは進めていったので、驚きました」

 寺島さんは、収録前はライドウを「どんな時でも淡々している」と捉えていたが、収録では「もっと普通に」というディレクションを受けたという。

 「驚くところはガッと驚いて、妄想するところは激しく妄想してくださいといわれました。それで、阿波連さんを気遣うところは、ちゃんと優しくしていいと。淡々とした表情の奥にある本質的な部分をもっともっと出していかなければいけないので、時間をかけて自分の中で役をなじませていきました」

 阿波連さん役の水瀬さんは、「阿波連さんもユニークなキャラクターですが、実はライドウくんのほうがやばいかもしれない」と語っており、ライドウはぶっ飛んだ妄想を繰り広げる。寺島さんは「妄想のはじけ具合」を表現するのが難しかったと収録を振り返る。

 「こんなにやっていいの!?って毎回思ってました(笑い)。やり過ぎじゃないですか?と思うぐらいディレクションが入るので。毎回おっかなびっくりなところはあったんですけど、ライドウの振り幅を信じるしかないというか。あと、妄想から我に返って、すっと落とすところがすごく難しい。妄想シーンと通常のシーンで、力を入れるところと抜くところをシームレスにやるというのは、すごく挑戦だったと思います。普通にてくてく歩いていたかと思ったら、急にスプリントし始めるみたいな感じだったので、すごかったですね」

 ◇寺島拓篤の“変なコミュニケーション能力” 「反則なんですけど…」

 人との距離感をはかれない阿波連さんと、阿波連さんをはかれないライドウくん。同作では、人と人との関係性、日常のやり取りがコミカルに描かれている。寺島さん自身に「人との距離感」について聞いてみると、「なんか変だなと思っています」という答えが返ってきた。

 「『身構える』という言葉がありますけど、僕は、相手が構える前に既に懐に入っていくことが多いんです。早いんですよね。『レディーゴー』となる前に始めちゃっているから、反則なんですけど(笑い)。無意識ではあるんですけど、まだ関係を深めていない人の懐にもいつの間にか入ってることが多くて『おかしくない?』と自分でも思います。変なコミュニケーション能力だなって」

 無意識に相手の懐に入るというコミュニケーション能力は、アニメのイベントで役立つことも多いという。

 「微妙に気を遣い合って、うまく回ってないなっていう隙間(すきま)にバンバン入っていくので、自分のこの立ち回りはラッキーだなと。間を埋めなきゃと気を使っているというよりは、その場を『楽しい』感じに持っていきたいだけなんです。そういうコミュニケーションの取り方はオンオフ関係なくやってますね」

 最後に、寺島さんは「阿波連さんははかれない」の見どころを「非日常のアトラクションに迷い込んだような感覚を味わえる」と語る。

 「ライドウくんのとんでもない妄想に巻き込まれて、見ている皆さんも転げ落ちていくと思うので、そこにアトラクションみたいな激しさがあります。あとは登場するキャラクターがすごく温かい。阿波連さんは可愛らしいし、ライドウくんは優しいし、クラスメートの石川や佐藤さんもすごくフラットに接してくれる。安心感と興奮が同時に来るので、そこに浸ってもらえたらいいなと思います」

 寺島さんも演じて驚いたというライドウくんのぶっ飛んだ妄想に注目だ。

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