湯浅政明監督:京都で「犬王」松本大洋、「平家物語」高野文子のキャラ原案展示 2作がつながり「感慨深い」

京都国際マンガミュージアムの「TVアニメ『平家物語』高野文子と映画『犬王』松本大洋 キャラクター原案展示」に来場した湯浅政明監督
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京都国際マンガミュージアムの「TVアニメ『平家物語』高野文子と映画『犬王』松本大洋 キャラクター原案展示」に来場した湯浅政明監督

 テレビアニメ「平家物語」のキャラクター原案を担当したマンガ家の高野文子さんと、劇場版アニメ「犬王」(湯浅政明監督、5月28日公開)のキャラクター原案を担当したマンガ家の松本大洋さんの原案などを展示するイベント「TVアニメ『平家物語』高野文子と映画『犬王』松本大洋 キャラクター原案展示」が、4月21日に京都国際マンガミュージアム(京都市中京区)で開幕。同日、「犬王」の湯浅政明監督が来場し、取材に応じた。

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 湯浅監督は「割と別々にやっていたんですけれど、やっと(同じ『平家物語』を題材にした)二つの作品がつながって、それが(舞台となった)京都でつながったというのが感慨深い」と語った。京都の印象は、「歴史上の場所が残っていて、魑魅魍魎(ちみもうりょう)がいてもおかしくない感じがあったり、本当におしゃれな街だな、と。あと、ちゃんと夜が暗い。闇がちゃんとある。京都は昔ながらの暗さがあって、何か潜んでいるんじゃないかという気さえする」と話した。

 アニメ「平家物語」は、作家の古川日出男さんが「平家物語」を現代語訳した「池澤夏樹=個人編集 日本文学全集09 平家物語」(河出書房新社)がベースになっている。「犬王」は同じく古川さんの小説「平家物語 犬王の巻」(河出文庫)が原作で、共に「サイエンスSARU」がアニメ化。これらの共通点があることから、イベントが実現した。

 アニメ「平家物語」は、平家一門が栄華を極めようとしていた平安末期が舞台。亡者が見える目を持つ男・平重盛は、未来が見える目を持つ琵琶法師の少女・びわに出会い、「お前たちはじき滅びる」と予言される。びわの視点から、日本が貴族社会から武家社会に転換する激動の15年が描かれた。劇場版アニメ「映画 聲(こえ)の形」「リズと青い鳥」などの山田尚子さんが監督を務め、吉田玲子さんが脚本、牛尾憲輔さんが音楽を担当。テレビアニメが1~3月に放送された。

 「犬王」は、アニメ「夜明け告げるルーのうた」「映像研には手を出すな!」などの湯浅監督が手がけ、ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」の野木亜紀子さんが脚本、NHK連続テレビ小説「あまちゃん」の大友良英さんが音楽を担当。室町時代を舞台に、世阿弥と人気を二分した実在の能楽師・犬王と、盲目の琵琶法師・友魚の友情が描かれる“ミュージカルアニメ”。犬王役はロックバンド「女王蜂」のアヴちゃん、友魚役は森山未來さんが声を担当。そのほか柄本佑さん、津田健次郎さん、松重豊さんも声優を務めている。

 イベントは、高野さんの「平家物語」、松本さんの「犬王」の両作のデザイン原案や場面写真、アフレコ台本など約45点を展示。会期は6月27日まで。毎週火曜、水曜は休館(5月3、4日は開館)。各日午前10時半~午後5時半 (最終入館は午後5時)。入場は無料(ただしミュージアムに入る場合は入場料大人900円、中高生400円、小学生200円が別途必要)。

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