集英社のマンガアプリ「少年ジャンプ+(プラス)」で連載中の水あさとさんの青春ラブコメディーマンガが原作のテレビアニメ「阿波連(あはれん)さんははかれない」。同作でメインキャラクターの阿波連れいな、ライドウたちが通う学校の古文教師の桃原(とうばる)先生を演じるのが、人気声優の花澤香菜さんだ。桃原先生は、感情が高まった末に吐血してしまうようなぶっ飛んだキャラクターだ。花澤さんに、アフレコの様子や、桃原先生が連呼する「あはれ」を感じる瞬間について聞いた。
「阿波連さんははかれない」は、とある高校に通う小柄で物静かな阿波連れいな、隣の席に座る男子・ライドウの“はかれない”日常を描く青春ラブコメディー。2017年1月に連載をスタートし、総閲覧数が1億3000万回を突破するなど人気を集めている。アニメは、水瀬いのりさんが阿波連さん、寺島拓篤さんがライドウを演じる。4月からMBS・TBSほかの深夜アニメ枠「アニメイズム」で放送中。
花澤さんが演じる桃原先生は、生徒からはミステリアスと思われている古文教師。古文の授業中に阿波連さんとライドウくんがあまりに近い距離で接しているのを目にし、「高校生男女の初々しいさま」「いとあはれ」と感動し、最終的に高まりすぎて吐血してしまう。花澤さんは桃原先生役が決まり、「変な人が演じられる!」と喜んだという。
「桃原先生はすごく妄想が膨らむ人で、顔には出ないけど、めちゃくちゃ情熱的。阿波連さんとライドウくんに対しても『こんなに萌(も)える!?』みたいな感じですけど、彼女の中では至って真剣だし、自分の生き死にに関わるレベルの出来事なので、常に戦っている感じ。演じる時は『この人はもしかしたら戦場にいるんじゃなかろうか』というぐらいのテンション感を意識しました」
桃原先生は、古文教師らしく、感情が高まるとモノローグで「趣深い」の意の「あはれ」を連呼する。花澤さんはこだわりを持って「あはれ」を表現したという。
「収録に行くと、台本の『あはれ』は『あわれ』、『をかし』は『おかし』と読んでくださいと言われたんです。ただ、最上級あはれに達した時だけ、読み方は『あはれ』になると言われて、どういう意味ですか?と(笑い)。『あはれ』という同じ言葉なのに感情によって進化していくんですよね。桃原先生の感情の高まりに合わせて、こちらも上げていくような感じで、モノローグで阿波連さんとライドウくんの動向を古舘伊知郎さんのように実況するというか。日常で『あはれ』『いとをかし』なんて言わないから、必殺技みたいな感覚でした(笑い)」
さまざまな作品で、人気キャラクターを演じている花澤さんだが、桃原先生のようにぶっ飛んだキャラクターを演じるのは、「新たな発見があって面白い」と感じているという。
「ぶっ飛んだキャラクターを演じる時は、とにかく思いっきりやるんです。そうすると、自分の思ってもみない方向にいったり、思ってもみない声が出たりして、新たな発見があるんです。阿波連さんやライドウくんみたいに感情が表に出にくいキャラクターを演じるのも繊細ですごく面白いと思うんですけど、桃原先生のようなキャラクターは、その真逆で面白い。『思い切り自由にやってください』と言われた時のウキウキ感が、思ってもみないものを生み出すこともあるんですよね」
今作でも「思ってもみない声がいっぱい出ました」と笑顔を見せる。
「やっぱり吐血するので(笑い)。汚い声を出したりとか、吐血する時のパターンもいっぱいほしいなと思っていて。ただ、家でどれだけ練習しても、本番のテンションにはならないので『本番に思いっきりやるしかない!』と思って。その結果、声は枯れたんですけど、めっちゃぶっ飛んだ感じになっていると思います」
花澤さんは、妄想を膨らませ、感情が高まりすぎてしまう桃原先生に共感する部分もあったという。
「私はパンが好きなんですけど、パン屋さんでトングを持ってどれにしようか悩んでる時、ポーカーフェースには振る舞っていますけど、心の中では『えっ、これ焼きたて!』『これ新作じゃん!』『どうする?』『何個買う!?』『シェフありがとう!』みたいな(笑い)。そういう自分の脳内で楽しむ感じはすごく分かるなって」
そんな花澤さんに、最近「あはれ」を感じた瞬間を聞いてみた。
「私は韓国ドラマを見るのが好きで、ベタベタな展開ってやっぱりいいなって思うんですよね。お決まりのパターンがくると、『またまた来たぞ……!』って思うんですけど、やっぱりキュンとしてしまう、この私の雑魚(ざこ)感(笑い)。でも、何回もキュンキュンできるって、生活に潤いがあるじゃないですか。韓国ドラマにすごく感謝しているんです。韓国ドラマの中に『あはれ』があります(笑い)」
「阿波連さんははかれない」で「令和の時代に『あはれ』がはやったらいいですね」と笑顔で語る花澤さん。桃原先生の吐血するほどの最上級「あはれ」に注目したい。
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