名探偵コナン
#1146「汽笛の聞こえる古書店4」
12月21日(土)放送分
テレビアニメ化された「ゼロから始める魔法の書」などの虎走かけるさんのライトノベルが原作のテレビアニメ「魔法使い黎明期」がTBSほかで放送されている。教会と魔女の和平が成立した魔法使いの黎(れいめい)期を舞台に、魔法使いを目指す主人公・セービルが仲間と共に“自分”を見つける姿が描かれる。セービルの仲間でウェニアス王国王立魔法学校の優等生・ホルトを演じるのが鈴代紗弓さんだ。ホルトは可愛く明るいが、何かがあるようで……。変化していくキャラクターを丁寧に演じたという鈴代さんに収録の裏側を聞いた。
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「魔法使い黎明期」は、虎走さん作、いわさきたかしさんイラストのファンタジー。500年間対立していた教会と魔女の和平が成立して数年後の魔法使いの黎明期を舞台に、魔法使いを目指す主人公・セービルが心の傷を隠した仲間と共に“自分”を見つける姿が描かれる。
主人公のセービルは、魔法学校の生徒で、入学以前の記憶がない。鈴代さんが演じるホルトは同じく魔法学校の生徒で、成績優秀な秀才。いつも笑顔を絶やさない明るいキャラクターではあるが、心に傷を抱えている。鈴代さんは、キャラクターの「過去」「傷」が気になりながら、原作を読み進めたという。
「最初は、キャラクターの過去が見えないところもあって、何かあるんだろうな?と思っていたのですが、読み進めると、段々と分かってくるところがありました。もっといろいろありそう!?となるんですよね。それぞれのキャラクターがいろいろなものを抱えていますが、負のオーラがなくて、ネガティブではないんですよね。ホルトちゃんは一番、ベールが分厚いかもしれません。それがなくなった時にさらに好きになりました」
ホルトは明るく可愛い。第1話でも可愛い印象が強かった。しかし、何かがありそう……と思わせるところもある。鈴代さんの演技によるところも大きいのだろう。
「ホルトちゃんの背景を知っていたので、演じる時は逆算をしようと考えていました。私にとっての第1話ですが、彼女には過去の積み重ねがあります。それがあっての笑顔なんですよね。変な意味を持たせたくはないのですが、何かあるのかな?と感じていただけるように意識していました。音響監督さんから『もっと明るくしていいよ』とディレクションをいただき、なるべくオーバーに明るくしようとしました。ホルトちゃんは特に変化のあるキャラクターなので、どこで殻を破るのか? 破ったらどうなるのか?を楽しみにしていただきたいです」
「魔法使い黎明期」は、ファンタジーではあるが、リアルさもある。鈴代さんを含めて声優陣の演技も絶妙だ。
「アニメらしい表現、生っぽいナチュラルなお芝居があるとしたら、『魔法使い黎明期』はどちらにも当てはめるのが難しいんです。設定はファンタジーですが、私たちの世界でも考えないといけないテーマもあります。最初は、テンション感はどうなるんだろう?とも思っていたのですが、皆さんと一緒に演じる中でつかんでいったところはあります。コメディー色の強いところは、がっつり感情を出して、シリアスなシーンは、言葉の意味を深く考えながら演じています」
鈴代さんにとって挑戦もあった。
「私は今までイメージカラーが赤のキャラクターを演じさせていただく機会がありましたし、ホルトちゃんは赤髪ですし、勝手にご縁を感じていました。ホルトちゃんは元気で明るい子ですが、可愛いし、アホではないんですよね。私のアホなところを出さないように、可愛さに振ろうとしました。初めてのことだったので、これでいいのかな?と不安もありましたが、放送を見て、これでよかったのかな、と思うようになったところもあります」
「私はアホです(笑い)」と語る鈴代さん。自身の“アホエピソード”を聞くと……。
「大人になってからの方がひどいかもしれません。携帯電話が熱くなって、冷蔵庫に入れて冷やしたり……。大みそかに冷凍庫に入れて、壊してしまい、携帯が壊れたまま年を越したことがあります。言えないレベルの話もあるので、可愛いアホじゃないかもしれません。今回は、秀才役なので挑戦です(笑い)」
主人公・セービル役の梅田秀一朗さんは、テレビアニメ「可愛いだけじゃない式守さん」でもメインキャラクターの和泉を演じていることも話題の新鋭だ。セービル、ホルト、岡咲美保さんが演じる何百年も生きる魔女のロー・クリスタス、八代拓さんがトカゲと人間の中間のような姿のクド-が共に旅をする。声優陣のコンビネーションは抜群だという。
「梅田君は同世代で、最初は『緊張している!』と言っていたのですが、真摯(しんし)にお芝居に向き合う姿を見て、『座長、すごい!』と思っています。私が最初に主演の時は、何もできなくて、周りの人に助けてもらってばかりだったので。癒やしのオーラがあって、現場を柔らかい空気にしてくれるんです。岡咲さんとは同期です。(ロー・クリスタスと)似ていると思います。ずっとしゃべっているわけじゃないですよ(笑い)。いい意味で、ずんずん前に進んでいく。雰囲気が似ているんですよね。先輩の八代さんには分からないことを教えていただいて……とすごくいい現場です」
「ゼロから始める魔法の書」でヒロインのゼロを演じた花守ゆみりさんが、正体不明の泥闇の魔女役で出演していることも話題になっている。鈴代さんは「ゆみりさんとは同い年なんですよ。ゆみりさんのお芝居が大好きで、これまでお話ししたことがなくて、ずっとお話ししたかったので、すごくうれしかったです。お芝居に刺激を受けました」と特別な思いがあったようだ。
花守さんが演じる泥闇の魔女の正体など今後の展開も気になるところだ。
「『ゼロから始める魔法の書』を見ていた方も楽しんでいただける内容になっていますし、もちろん『魔法使い黎明期』から見ている方も楽しんでいただけます。終盤に向けてキャラクターが増え、新しいスパイスが加わったり、シリアスな要素が増えていったりとさらに盛り上がっていきます。ぜひ、楽しんでいただけたらうれしいです」
「魔法使い黎明期」は、キャラクターの変化、成長が見どころの一つだ。物語が終盤に向かう中で、さらなる変化、成長があるはず。さらなる盛り上がりに期待したい。
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