名探偵コナン
#1146「汽笛の聞こえる古書店4」
12月21日(土)放送分
アニメ「機動戦士ガンダム」のアニメーションディレクターやキャラクターデザインなどを担当した安彦良和さんが監督を務める劇場版アニメ「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」が6月3日に公開される。「ククルス・ドアンの島」は、1979年に放送された「機動戦士ガンダム」のテレビアニメ第15話のエピソードで、主人公のアムロ・レイが敵対するジオン軍の脱走兵ククルス・ドアンとの交流を通じて、戦争の哀愁が描かれた。劇場版では第15話を改めて描く。ホワイトベースクルーの活躍が描かれ、テレビアニメ版には登場しなかったスレッガー・ロウが登場することも話題になっている。アニメでは初めてスレッガー・ロウを演じる池添朋文さん、2006年に亡くなった鈴置洋孝さんの後任として2011年からブライト・ノアを演じている成田剣さんに、大役を受け継ぐ思いや「ククルス・ドアンの島」について聞いた。
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池添さん 実は役が決まったのは結構前なんです。「THE ORIGIN」のスレッガー役のオーディションに参加させていただき、それで決まったのですが、それから何年かたって、ゲームと「ククルス・ドアンの島」で「スレッガーをお願いします」とお話をいただきました。「ガンダム」が大好きなので、決まった時はすごくうれしくて、当時のマネジャーに土下座して「ありがとうございます!ありがとうございます!」と言ったことを覚えています。うれしさの後に、プレッシャーが押し寄せてきました。どうしよう!?本当に僕でいいのかな?と。今もそのプレッシャーを感じています。
成田さん 10年ぐらい前、オーディションを受けたのですが、なかなか結果を教えていただけなかったんです。ダメだったんだな……と諦めつつ、忘れようとしていて、3カ月くらいたってから、連絡をいただきました。
成田さん ありました。でも、収録の時は開き直りました。そうしないとできないと思ったんです。もういいや、なんと言われようと自分のブライトをやろう!と臨んだんです。鈴置さんが演じられたブライトの資料をいただいたのですが、あえて見ませんでした。見たら、それにとらわれてしまい、なぞってしまうんです。真っ白な状態でやった方が感情を入れられると思ったんです。
成田さん そうです。失敗する可能性もあります。それもプレッシャーとして受け止めて、どう評価されても、自分なりにやればいいんだ!と。その方が後悔しないと思い、最初の収録に臨みました。
池添さん 僕は成田さんとは真逆で資料を全部見ました。玄田哲章さん、井上真樹夫さんが演じられたスレッガーを参考にさせていただきました。でも、行き着くところは成田さんと一緒ですよね。
成田さん 行き着くことができる? 揺らがない?
池添さん 揺らぎますね(笑い)。でも、全部見た上で、開き直りました。踏ん切りを付けるプロセスが成田さんと違うのかもしれません。
成田さん 僕は引っ張られちゃうからなあ。
成田さん 物静か、寡黙な方ですよ。僕は後輩ですし、恐縮していました。でも、同じ草野球チームのメンバーだったんですよ。
池添さん ポジションは?
成田さんん あんまり決まっていなかったかな。野球をやってる時もあまり表情を崩さないんです。そういうイメージが強かったですよ。ただ、スタジオで冗談を言うこともあったり。「似ている」と言われたことがありました。ある吹き替えの仕事で、鈴置さんが病院に通院されていて、ディレクターに「もし、何かあったら、お前にやらせようと思っている」と言われたことがありました。当時は、そんな!?となっていたんです。
成田さん 僕は「ガンダム」に詳しくなかったんです。だから、新鮮でした。
池添さん 僕は「ガンダム」が大好きで、ファーストガンダムはリアルタイムではないのですが、「機動戦士Zガンダム」の終わりくらいからずっと見ています。だから、マジで!? やるの!?と驚きました。伝説のエピソードですからね。テイスト、展開も変わっていますし、新鮮でした。楽しくやらせていただきました。
成田さん テレビアニメでは、スレッガーが出ていなかったんですよね?
池添さん そうなんです。「THE ORIGIN」の時系列だからスレッガーさんがいるんです。そこも新鮮ですよね。
成田さん 今回、初めてお話ししました。「ブライトのシーンを少し増やしましたから」と言われた時は、うれしかったですね。
池添さん 初めてお会いして「イメージと違うね」と言われて、いい意味、悪い意味のどっちだろう?と緊張しました。「スレッガーはお兄さんだから、お兄さんっぽくね」と優しく声を掛けていただきました。
成田さん 優しい方ですよね。
成田さん そうですね。池添さんとお会いするのは今回が初めてです。
池添さん 大変光栄です。僕の場合は何人かの声が先に入っていました。古谷さん(アムロ・レイ役の古谷徹さん)、古川さん(カイ・シデン役の古川登志夫さん)、成田さんの声も入っていて、夢見心地でした。今思えば、耳福とはこういうことか!となりますね。本番中はそんなことを考えられないのですが、歴代の名優の方たちとの共演に、本当にありがたいな……と思いながら演じさせていただきました。
成田さん 携わらせていただくことが、幸せです。こんなに長く続いているのに全く古くならないんです。ザ・ビートルズのように、常に新しく感じる不思議な作品ですよね。
池添さん 全く同じ気持ちです。携わらせていただけるだけで、ありがたいですし、身が引き締まる思いです。
成田さん 「ククルス・ドアンの島」は、昔の絵のイメージに近い。でも、古くないんですよ。新しさもあって、微妙なバランスがいいんですね。
池添さん 新しいもの、ノスタルジックなものが融合していますよね。安彦監督だからなんでしょうね。人間臭さ、キャラクターの良さが出ています。僕はモビルスーツが大好きなので、高機動型ザクが出てきたり、ドアンザクの戦闘シーンは、すごく見応えがありました。ロボットなんですけど、チャンバラのようで、人間っぽさもあるんですよね。見ていて興奮しました。
成田さん 戦争の意味を考えさせられるところもありました。戦争で傷つく多くの人たちがいる。人の苦しみを感じました。ラストのシーンが全てなのかもしれない。
成田さん 「ククルス・ドアンの島」で、ブライトがアムロに対して厳しく接するシーンがありましたが、叱責した後、反省するんですよね。ああいうところが大好きです。人間的なんですよね。ああいうシーンをいっぱい演じてみたいです。
池添さん 戦闘シーンもやりたいですけど、ブライトさんとの掛け合いをもっとやってみたいですね。けんかとかしたいです。スレッガーは名言が多いキャラですしね。ミライ(ヤシマ)さんに「指輪を頼むよ、少尉」と言うシーンができたら、言うことがないですね。
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