アニメ「機動戦士ガンダム」のアニメーションディレクターやキャラクターデザインなどを担当した安彦良和さんが監督を務める劇場版アニメ「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」が6月3日に公開された。1979年に放送された「機動戦士ガンダム」(ファーストガンダム)のテレビアニメ第15話「ククルス・ドアンの島」を劇場版アニメとして制作することになった。
ウナギノボリ
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劇場版のベースとなったファーストガンダムの第15話は、主人公のアムロ・レイ、敵対するジオン軍の脱走兵ドアンの交流を通じて、戦争の哀愁を描いた伝説のエピソード。異色のストーリーが話題になり、ファンに語り継がれてきた。ファーストガンダムの制作当時、スケジュールの都合で外部のスタジオに外注したこともあり、第15話は作画が安定しなかった。ザクIIが細身で、“鼻”が長いなど作画崩壊もあるが、それが味にもなっている。
劇場版では、“異形のザク”がMS-06F ドアン専用ザク(ドアンザク)としてリファイン。ククルス・ドアンがかつて所属していた精鋭部隊のMS-06GD 高機動型ザク(地上用)なども登場し、地上戦を繰り広げる。モビルスーツ(MS)はCGで描かれており、CGならではのバトルシーンが見どころの一つになる。チャンバラ映画のようなダイナミックな映像も魅力的だ。
安彦監督は、ファーストガンダムを再構成したマンガ「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」の連載をスタートする際、「ファーストガンダムは、人類の革新、ニュータイプが世界を変えることがテーマである」という論調に対し、「名もなき小さな者たち」を描こうとした。「ククルス・ドアンの島」はファーストガンダムを象徴するエピソードではあるが、劇場版3部作、「THE ORIGIN」には入っていない。
安彦監督にとって「ククルス・ドアンの島」は「ずっと気になっていたエピソードだった」という。同作に込めた思いを「答えを求めるんじゃなくて、考えてもらうことが大事」「簡単に答えが出ない話」「複雑な問いかけなんです」と話したことがあった。
安彦監督は「ガンダム」の映像化について「これで最後かもしれない」「思い残すことはない」とも語っている。“最後”にどんな思いを込めたのか? ぜひその目で確かめてほしい。
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