NMB48:“アイドル不毛の地”に誕生して12年 「まだ5合目」転機を迎えたグループの現在地

アイドルグループ「NMB48」(C)NMB48
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アイドルグループ「NMB48」(C)NMB48

 AKB48グループとして、東京・秋葉原、名古屋・栄に続き、2010年に大阪・難波に誕生したアイドルグループ「NMB48」。活動12年目を迎え、昨年8月には最後の1期生である白間美瑠さんが卒業し、今年1月に8期生が劇場デビューして世代交代を図るなど、NMB48は今、転機を迎えている。結成当時からそばで見守ってきた劇場支配人の金子剛さんは、現在地を「まだまだ登山の途中。5合目ぐらい」と語る。

 ◇当初のコンセプトは「アイドル+ちょっと面白いねえちゃん」

 NMB48は、秋元康さんのプロデュースで、2005年に東京・秋葉原で結成された「AKB48」、名古屋・栄を拠点に2008年に誕生した「SKE48」に続き、第3の48グループとして2010年に誕生した。大阪・難波にある「NMB48劇場」を拠点に活動しているが、結成当時、関西は「アイドル不毛の地」とも呼ばれ、金子さんも、周囲から「そんなの無理やで」と反対されるなど、「立ち上げの時が一番苦しかった」と振り返る。

 大阪でお笑いを発信し続けている吉本興業の関係会社が運営を担当。金子さんによると、AKB48の「会いに行けるアイドル」というコンセプトを引き継ぎつつ、大阪で根づくためにお笑いという要素を加え、「『アイドル+ちょっと面白いねえちゃん』という、大阪らしい色を出そうと思った」と明かす。2011年7月20日に「絶滅黒髪少女」でデビューすると、オリコン週間シングルランキングで初週売り上げ21万8000枚で首位を飾り、逆風をものともせず、華々しいスタートを切った。

 その後も山本彩さん、渡辺美優紀さんらがセンターとして活躍し、2012年5月に「ナギイチ」、2012年11月に「北川謙二」、2013年6月に「僕らのユリイカ」などヒットを連発。2013年8月発売の「カモネギックス」で同年の「NHK紅白歌合戦」に出場するなど、拠点としている関西だけでなく、全国区でも人気に。金子さんも「山本彩がグイグイと引っ張っていき、順調にCDの売り上げも伸びてきて、一番良かった時期」だったと語っている。

 しかし、センター経験者である山田菜々さんが2015年4月に卒業をしたのをはじめ、渡辺さんが2016年8月、“絶対的センター”だった山本さんが2018年11月、美容系YouTuberとしても活躍し同グループの女性ファン獲得に大きく貢献した吉田朱里さんが2020年12月、最後の1期生である白間さんが2021年8月に卒業。大きな転換期を迎えることになった。

 ◇世代交代が順調に進むも「また新たなスターを誕生させないと」

 現在のメンバーは47人。山本さんの後を継いで2代目キャプテンを務める小嶋花梨さんを中心に、バラエティークイーンとして活躍する渋谷凪咲さん、ファンによる投票イベント「NAMBATTLE2 ~愛~」で1位になった川上千尋さん、今年2月に発売された「恋と愛のその間には」でダブルセンターを務め、グラビアなどでも活躍する上西怜さん、落語や投資といった独特の趣味を武器とする安部若菜さんらが中心メンバーとして活躍している。

 そのほかに本郷柚巴(ほんごう・ゆずは)さん、和田海佑さんら多数のメンバーのグラビア活動も目立っている。

 順調に世代交代は進んでいるものの、同じく秋元さんがプロデュースする「乃木坂46」「櫻坂46」「日向坂46」の“坂道シリーズ”の台頭もあり、「歌番組に出演する機会も減ってきた」と金子さんは語る。グループとしてのNHK紅白歌合戦の出場も、2015年以来途絶えており、かつての勢いは感じられなくなった。

 金子さんは、現在のNMB48について「コツコツと基本的なことをやりつつ、新しいことを模索している最中」だといい、「吉田たちの活躍で女性ファンの方がきて、新しい層を取り込めた。また新たなスターを誕生させないと」と思案している。

 ◇活性化プロジェクト「NAMBATTLE」がスタート 独自の人気投票も

 そんな中、2021年からNMB48活性化プロジェクト「NAMBATTLE」がスタートした。第1回は、メンバーが六つのグループに分かれて、各グループがパフォーマンスやクイズなどで競い合うという内容だった。優勝したグループには新曲とミュージックビデオへの出演権、NMB48劇場での新公演の権利などが与えられた。

 2022年に開催された「NAMBATTLE」第2弾では、27枚目シングルの表題曲選抜メンバー、アンダーガールズを、ファンによる人気投票で決定するという企画に発展。金子さんによると、「NAMBATTLE」には「内部に刺激を与えること、ファン以外でも話題になってほしい」という2点の狙いがあったという。

 金子さんは、「去年はくじ引きで決めたグループ戦で戦うという試みで、入ったばっかりのメンバーたちは先輩と一緒に戦うという成長のきっかけを作ることができた。今年になって個人戦になりました。以前、『鉄砲隊』というユニットメンバーを選ぶという企画がありましたが、それはカップリング曲。今回はガチの選抜だったので、みんなつらかったはずです」と語る。

 個人戦について、金子さんは賛否両論あったといい「メンバー側に立つファンからは『そんなことをさせるな』という意見もありましたが、運営が決める選抜ではなく、ファンが決める選抜の方が『分かりやすい』とも昔から言われていました」という。「もう身内で争いたくない」という意見もあったといい、次回の開催は「まだ具体的に決まっていない」と語る。

 ◇2025年の大阪・関西万博に向け「着実に規模を大きくしていきたい」

 NMB48では結成当時から「チームN」「チームM」「チームBII」の3チーム制が導入され、劇場公演が行われていた。だが、2021年1月からはチームが解体され、6グループに編成する新体制に移行した。コロナ対策として、少人数でも劇場公演できるようにと導入された6グループだったが、コロナ禍も収まりつつあり、「一度リセットするため」に、今年2月に6グループが解体され、3チーム制が復活した。

 同年2月には8期生もチーム公演で劇場デビューを果たした。「新しい人が入ってくるとメンバーも刺激になりますし、ファンも喜んでくれました。まだデビューしたばかりで何ともいえないですが、新風を吹かせてくれると思います」と自信をのぞかせる。

 今後のNMB48の活動について、金子さんは「2025年に大阪・関西万博があり、その年がちょうど結成15周年になりますので、着実に規模を大きくしていきたい。昔はAKB48グループで一番コンサートをやっていた時もありましたが、2年間のコロナ禍で会いに来てもらう、こちらから会いに行くという動きが止まってしまった。コツコツとお客さんを増やしていくしかないですね」といい、現在地は「NMB48の楽曲で『てっぺんとったんで!』とありますが、まだまだ登山の途中。5合目ぐらい」と語っていた。

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