モノノ怪:完全新作劇場版アニメが2023年公開 “薬売り”櫻井孝宏再び 中村健治監督

アニメ「モノノ怪」の劇場版「劇場版『モノノ怪』」のティザービジュアル(C)ツインエンジン
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アニメ「モノノ怪」の劇場版「劇場版『モノノ怪』」のティザービジュアル(C)ツインエンジン

 2007年にフジテレビの深夜アニメ枠「ノイタミナ」で放送された人気テレビアニメ「モノノ怪」の完全新作劇場版「劇場版『モノノ怪』」が制作され、2023年に公開されることが6月18日、明らかになった。テレビアニメに続き、中村健治さんが監督を務め、櫻井孝宏さんがメインキャラクターの薬売りを演じる。薬売りを描いたティザービジュアル、特報も公開された。特報では、中村監督演出の新規描き下ろしカットがお披露目され、薬売りの「ふたたび、解き、放つ」というせりふが流れた。

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 櫻井さんは「作品のルーツは2006年にノイタミナでオンエアされた『怪~ayakashi~」の一編でした。その名も『化猫』。数年を経て『モノノ怪』が始まり、その結びの一編もまた『化猫』でした。そして2022年。化猫に始まり化猫に終わっていた作品が三度動き出します。心の底から楽しみです」とコメントを寄せている。

 中村監督は「今、私たちは個人の幸せと組織や社会全体の幸せが合致する世の中で生きているのでしょうか。自分はあることですごくつらいのに、世の中・社会全般ではそれが普通だと判断されていたりすることはないでしょうか? さらに言えば、歴史上で個人と社会全体の幸せが合致してうまくいっていた世界なんてあったのでしょうか? その矛盾から生じたねじれた気持ちと情念を描きながら、産まれてしまったモノノ怪をまるで私たち自身を斬るかのように鮮やかに薬売りに斬ってもらいたいと思っています」と話している。

 山本幸治プロデューサーは「最初の作品である『化猫』を見た時、画面を見ていて酔うような感覚と、自分の現在位置を見失うような不安を覚えました。15年以上前なので当時はまだハイビジョン普及前で、画質も粗く今のような横長の16対9の画面でもない小さな画面でした。この世界観を密度の濃い大きなスクリーンで表現できたらもっとすごいことになるだろうと思いました。中村健治監督の久しぶりの、そして原点でもある作品です。いくつもの困難を越えてようやく企画が実現しました。お楽しみに」と語っている。

 劇場版のクラウドファンディング企画「【アニメ『モノノ怪』十五周年】新作劇場版制作プロジェクト」が6月24日から実施されることも発表された。同日午後8時に日本国内では「うぶごえ」、海外では「Kickstarter」で募集をスタートする。

 アニメの15周年を記念し、15人の絵師が描き下ろしたビジュアルが、6月18日から順次、公式ツイッターで公開される。第1弾として「モノノ怪」のコミカライズを担当した蜷川ヤエコさんが描いたビジュアルが公開された。

 テレビアニメ「モノノ怪」全12話、「モノノ怪」の前身となった「怪~ayakashi~」のエピソード「化猫」全3話を6月24日午後6時からノイタミナの公式YouTubeチャンネルで配信する。FOD、TVer、GYAOでも7月から順次無料配信する。「モノノ怪」が舞台化されることも発表された。

 「モノノ怪」は、2006年にノイタミナで放送された「怪~ayakashi~」の人気エピソード「化猫」のスタッフが再集結して制作されたアニメ。「化猫」に登場した薬売りの男がモノノ怪に立ち向かう怪異譚(たん)が描かれた。スタイリッシュなキャラクターデザインに、和紙のテクスチャーなどCG処理を組み合わせた斬新な映像が話題となった。2020年に実施されたノイタミナ歴代70作品を対象とした投票企画「あなたが選ぶ思い出の3作品」(2005~09年度制作部門)で1位を獲得した。

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