本仮屋ユイカ:「片恋グルメ日記2」食事シーンは自ら調整 「アドレナリンが出る」 コロ役を経て外食時の行動に変化も

連続ドラマ「片恋グルメ日記2」で主人公・所まどかを演じている本仮屋ユイカさん
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連続ドラマ「片恋グルメ日記2」で主人公・所まどかを演じている本仮屋ユイカさん

 女優の本仮屋ユイカさんが主演を務めている連続ドラマ「片恋グルメ日記2」(TOKYO MX、月曜午後10時)が放送中だ。同作は2020年に放送された連続ドラマ「片恋グルメ日記」の続編で、本仮屋さん演じる主人公の所まどか(コロ)が食事と妄想を繰り返しながら男性と距離を縮めていく姿を描いたラブコメディー。食事シーンの主役は「私じゃなくて食事」という本仮屋さんに、演じるうえでのこだわりやコロ役を経て変化したことなどを聞いた。

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 ◇続編は魅力的な男性が続々

 「片恋グルメ日記」は、とある出版社が舞台で、現実の恋に踏み込めないマンガ編集部員・所まどか(コロ)が思いを寄せる営業部員・八角直哉(八角さん=平岡祐太さん)に近づくべく、八角さんが食べたものと同じメニューを食べる「食事ストーキング」をしていく……というストーリー。続編は原作のアキヤマ香さんの同名マンガ(双葉社)にはないオリジナルストーリーで、前作で結ばれたかのように見えたコロと八角さんのその後を描いている。

 原作にはないストーリーでコロを演じることについて、不安はなかったという本仮屋さん。とはいえ、難しさを感じる部分はあった。今作では、八角さんと遠距離恋愛になったコロの前に次々と魅惑的な男性が現れるため、「あんなに(八角さんの)ストーカーのようになっていた人が、急にいろんな男の人の間でふらふらしていいものなのか、と……」と苦笑い。だが、「彼女が、人生で一番手に入れたかった愛に向かって走る姿は共感してもらえるんじゃないか、と思い、私はその一点に懸けました。私が熱くなって、命がけでそこを頑張ることによって『そんなに一生懸命なら、コロの恋を応援しよう!』と思ってもらえたら……と思ったんです」と振り返る。

 そんな魅力的な男性が続々登場する部分は、今作の見どころのひとつだ。本仮屋さんも「“ナイスガイ”の人数が前作より物理的に増えております。だから『(前作では)この中には私の推しキャラはいなかったわ』という人にも刺さるメンズは必ずいると思います」と楽しげにアピール。また、前作を経て深まったキャスト間の信頼関係もいい影響を及ぼしているといい、「やっぱりお芝居は信頼関係がとても大切で、気心が知れていると、それだけですごく豊かなキャラクターや濃いシーンになるんです。『1』で積み上げた時間があったからこそ見えてくるキャラクターの奥行きや仲の良さに加え、自分自身が出せる表現の幅も増えているので、そこはパワーアップしているなと思います」と語る。

 ◇食事シーンは「計算で」

 やはり、パート1から変わらない大きな見どころといえば、コロの楽しそうな食事シーンだ。放送中の今作でもさまざまな料理をコロがおいしそうに食べる姿が描かれている。こうしたシーンは練習しているわけではなく、日々のイメージトレーニングや、食リポなどこれまでの仕事の経験が生かされているという。

 「食べることがすごい得意なんです(笑い)。食べることが大好きだし、タレントとして食事のリポートをした経験などがとても生きていると思います。食事シーンは、主役は私じゃなくて食事だと思っているので、『いかにこの食材がおいしく見えるか』を考えて、自分でセッティングするんです」と食事シーンへの情熱を語る本仮屋さん。「本番で湯気が立った方がいいのなら温めるか、ソースを足したほうがシズル感が出るのか……全部自分で調整して、どの角度なら良くなるか自分で計算してやっているので、あれは私の好きなシーンですね。アドレナリンが出る。……練習はしたことはないです。日々のイメージトレーニングと、別の仕事での経験が生きていると思います」と裏側を説明する。

 食事シーンでのこだわりは、ほかにもある。「一口をなるべく大きく、というのが私のモットー。これはギャル曽根さんのスタイルを継承しています(笑い)。テレビで『一口を大きく食べるのが大事なんです』と言っていたので、やっぱりな、と。スタッフの方から『ちょっと大きくない? やめた方がいいんじゃない?』と言われるけど、『いや、いけます』と……。あと、(食べ物が)ちょっと口についたりするのも、事故じゃなくて計算のうちなんです。照明もそれを計算して当ててくれているし、メークも用意してくれている。本当にやっていて楽しいんですよ」と声を弾ませる。

 そんな本仮屋さんに、これまでコロを演じるうえで大事にしてきたことを聞くと、それは「恥ずかしい」という感情だという。

 「パート1の撮影の時、『もうちょっと恥ずかしそうにやって』と監督に言われて、『恥ずかしいって何だろう』と思ったんです。普段は仕事柄『恥ずかしい』という気持ちを抹消して生きているんでしょうね。だって(お芝居は)人前で怒ったり、イチャイチャしたり、恥ずかしいことだらけじゃないですか。だから、そのスイッチを私はどこかで捨てたんだな、と。でも、照れるって、身体的反射が大きいと思うから、“やっている振り”になってしまったら、彼女の葛藤や頑張りが伝わりにくくなる。それですっごい探して、“10代の自分”にたどり着いたんです。そうしたらすごく恥ずかしくて……。捨て去ったと思っていた恥ずかしさ、甘酸っぱさを持っていたんだ、という発見がありました。そんな普段隠しているところをちゃんと掘り起こして感じ続ける、ということを一番意識したと思います」

 ◇コロ役を経て行動に変化 「妄想しながら…」

 コロとは「食事が好き」という共通点を持つ本仮屋さん。実は「人に影響されやすい」という性格も似ている部分だという。「コロは、りんご先生(曲家りんご・藤田玲さん)に『いろんな男性をちゃんと見定めなさい』と言われ、そのたった一言で生活が変わるわけですよね。いろんな男性を意識し始めるようになる。私もそういうタイプで、人に一言、言われただけでめっちゃ変わるんです」と共通点を説明。撮影中は「ずっとコロだった」といい、「コメディー調に生きているので、ほかの現場に行った時は気をつけなきゃいけないと思っています」と笑う。

 そんなコロと一体になるような撮影を経て、変化したこともあった。

 「1人でご飯を食べに行くことに、より抵抗がなくなりました。定食屋さんに1人で行くとか、いろいろな店に臆さず入れるようになりましたね。前は『ここ男の人いっぱいだし、やめておこうかな』と思っていたんですが、いいじゃん、と思うようになって。『これが食事ストーキングだったなら……』とか妄想しながら入っていっています(笑い)。待っている時間も、コロは店内を見て八角さんに思いを馳(は)せたりするんですが、私もそういうふうになりました。『あ、これが飾ってあるってことは、店主はこういうものが好きなんだな』とそういう観察が、コロを演じたことでより強くなったと思います」

 ドラマは現在放送中だが、「パート1も、これまでの回も見なくても大丈夫です。どこから飛び込んでいただいても楽しんでもらえます」と本仮屋さん。「見た後にすごく元気になるドラマ。できれば空腹を満たしてから見ることをお勧めします、私は自分自身で自分の飯テロを毎週くらう、という状況になっているので(笑い)。30分と短い時間ですし、テンポよく恋愛のキュンキュンする楽しい部分もグルメのおいしい部分も入っていて、どなたでもどこから見ていただいても楽しめると思います」と笑顔でアピールしていた。

 ※スタイリスト:ナカイマサコ ヘアメーク:平林輝之(アルール)

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