山崎賢人:「キングダム2」主人公・信と重なる部分があった 演じているときは「無敵になる」 原作の魅力も

映画「キングダム2 遥かなる大地へ」で主人公の信を演じる山崎賢人さん
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映画「キングダム2 遥かなる大地へ」で主人公の信を演じる山崎賢人さん

 原泰久さんの人気マンガを実写化した映画の続編「キングダム2 遥かなる大地へ」(佐藤信介監督、7月15日公開)で、前作に引き続き主人公の信を演じる俳優の山崎賢人さん。信は天下の大将軍という夢に向かって突き進む強く真っすぐなキャラクターで、山崎さんはそんな信を演じているときは「無限にパワーが出てくるよう」だと語る。山崎さんに信役への思いや今作の撮影エピソード、「キングダム」の魅力などを聞いた。

ウナギノボリ

 ◇信とは「境遇が似ている感じがする」

 「キングダム」は、2006年からマンガ誌「週刊ヤングジャンプ」(集英社)で連載中の人気マンガで、コミックスの累計発行部数は9000万部以上。中国の春秋戦国時代を舞台に、天下の大将軍を目指す信や、後に「秦の始皇帝」となる秦王・エイ政たちの活躍を描く。2019年公開の前作「キングダム」の続編となる今作では、天下の大将軍へ夢の第一歩を踏み出した信(山崎さん)の初陣となる“蛇甘平原”の戦いが描かれる。

 --前作が公開されたときの手応えや、周囲からどのような反響があったのか教えてください。

 山崎さん 多くの人がものすごい熱量で取り組んでいましたので、日本映画では今までになかったスケールで、絶対に面白いと思っていました。反響は、どこに行っても「『キングダム』見たよ」と言ってもらえて……。「面白かった、続編あるでしょ」と。今までで一番、続編を期待されたと思います。

 --当時、オファーを受けたときはどんな気持ちでしたか?

 山崎さん 「1」の前に、原作連載10周年記念の実写特別動画で信役をさせてもらったんですが、そのときから「映画をやりたいよね」という話を聞いていたんです。その後、「できるかもしれない」という話がちょっとずつ聞こえてきて、できる、と分かったときは、めちゃめちゃうれしかったですね。「キングダム」は本当に面白くて大好きだし、信も大好きなキャラクターでしたから。

 --自身と信が似ているところや、信を演じて学んだことはありますか?

 山崎さん 信から影響を受けた部分はいっぱいあります。信を演じているときは、本当に「無敵になる」というか、無限にパワーが出てくるようで。逆境になればなるほど、つらくなればなるほど、「やってやるぞ」と力が出てくる。それぐらいパワーのある役ですね。あと、出会って間もない羌カイに対して言う、「普段はこんなにストレートに人にぶつけられないな」というせりふがあるんです。それは落ち込んでいるときにみんなが言ってほしい言葉で、そういう言葉を真っすぐに言えるのはいいことだな、と信から影響を受けています。

 似ているところは、信が置かれている状況……、たとえば今回の「2」でいえば、“伍”(歩兵の5人組)や国を背負って戦う感じが、自分が主演として立たせてもらっている環境と、なんとなく重なる部分がいくつかあって。映画の主演として頑張ろうと思えるし、信としても戦場でみんなを引っ張っていこう、と思える。自分と信は境遇が似ている感じがしていて、とにかく頑張ることが相乗効果でどちらにとってもいい。そう思って頑張っていました。

 --具体的には、どんなところが信と重なると感じましたか?

 山崎さん 信は死んでいった者の思いを背負って天下の大将軍になっていくと思うんですけど、そもそも自分が「キングダム」という映画で信を演じることになったのも、いろいろな出会いがあって、応援してくれる人の思いを背負ったからできた、という思いがすごくあります。僕は主演として「みんな、行こうぜ!」というのはあまり向いてないんですが、とにかく信を思いっきり頑張って演じることで、「2」で参加した人たちにも「俺は信を思いっきりやるから、ついてきてほしい」という感覚でしたね。

 ◇前作より腕は太く 「引っ張っていく」意識も

 --前作「1」のときは、なるべく体が細く見えるように食事制限して撮影に臨んだとお話しされていました。今回ビジュアル面ではどのような役作りをしたのでしょうか?

 山崎さん とにかく減量、という感じではなかったですね。痩せすぎてはいません。(エイ政が)玉座を奪還したので、信もちょっと小屋をもらったりして、たぶんご飯も前よりは食べられるようになったけど、決して裕福ではないというイメージです。修行はずっとしていて剣を振り続けているので、ちょっと腕は太いかな、というアプローチでした。ちょっとパワーアップしていたいという思いもあったので、腕はひたすらウエートトレーニングしたり、木刀を振ったりしていました。

 --逆に、前作から一貫して意識していることはありますか?

 山崎さん 真っすぐに夢に向かって突き進んでいく感じと、熱量ですね。とにかく手は抜かずに、本気で、と。今回は、信はあの怒涛(どとう)の出来事を乗り越えた男だから、めちゃめちゃ強くも優しくもなっている、と思いました。出会って間もない羌カイが「仇を討ったら自分の命なんてどうでもいい」というようなことを言ったときに「ふざけんな、んなこと俺が許さねえぞ」と言える強さと優しさがある、と。それと、今回はみんなを引っ張っていく存在になるので、映画で主演、という部分も含め「引っ張っていく」ということを考えたかもしれません。

 --共演者との印象的だったエピソードを教えてください。

 山崎さん 今回は「1」のときよりも王騎将軍役の大沢(たかお)さんと話す機会が多かったですね。すごく魅力的な方なので、自分が信として天下の大将軍の王騎に憧れたように、現場では大沢さんの人柄だったり王騎将軍としてのたたずまいだったり、大沢さんからいろいろと受け取るものは大きかったです。

 --原作は累計発行部数が9000万部を突破するなど幅広く愛されている作品です。そんな「キングダム」の魅力は、どんなところにあると思いますか?

 山崎さん まずは「熱くて、泣ける」というところですね。そしてストーリーも面白いし、いろいろなキャラクターが出てきて、それぞれ魅力的です。せりふもいい言葉がたくさんある。続きが気になるすごい展開を毎週のように出されているすごさもあります。あと、やっぱり信というキャラクターを、みんなが応援したくなりますよね。

 --そんな「キングダム」で一番お好きなキャラクターと、もし信以外に映画で演じてみたいキャラクターがいれば教えてください。

 山崎さん 信は本当に好きですね。信以外はもう、あまり考えられないです。

 --最後に、山崎さん視点で見た今作の見どころを教えてください。

 山崎さん 「1」同様、原先生がオリジナルで書いてくださった映画にしかないシーンがあるんですが、そこはめちゃめちゃ好きなシーンなんです。めちゃめちゃ泣けますし、映画だったからこそこういう関係性ができたんだな、というシーンになっています。あと、羌カイや、信と同じ村出身の尾平(びへい)、尾到(びとう)という新しいキャラクターも出てきますし、とにかく映像的にかなりのスケールで「1」よりもパワーアップしています。映画館の大スクリーンで見るように作られている映画なので、ぜひ大スクリーンで臨場感やスケールのでかさを感じて、信たちと一緒に戦っているような感覚になってほしいなと思います。

※山崎賢人さんの「崎」は「たつさき」

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