テッパチ!:“一人の人間”としての陸上自衛官の姿を ドラマスタッフが明かす2部構成の狙い

連続ドラマ「テッパチ!」のワンシーン(C)フジテレビ
1 / 3
連続ドラマ「テッパチ!」のワンシーン(C)フジテレビ

 俳優の町田啓太さんが主演を務める連続ドラマ「テッパチ!」(フジテレビ系、水曜午後10時)。陸上自衛隊を舞台にした青年たちの熱い成長物語で、自衛官候補生としての姿を描く第1部と、部隊に配属され、現場での任務に当たる姿を描く第2部で展開される。さまざまな職業を描いたドラマがある中でも、陸上自衛隊にフォーカスした作品は少なく、企画を手がける渡辺恒也さんは「純粋に陸上自衛隊とはどういう所なのか、視聴者の方々にも興味を持っていただけるのではないかと思った」と話す。2部構成にした理由など、ドラマ化の裏側を聞いた。

あなたにオススメ

 ◇陸上自衛官に感じていた「熱いスピリット」 新たな“お仕事ドラマ”が誕生

 「テッパチ!」は、「ニューヒーロー」をコンセプトに描く「水10ドラマ」枠の第2作。企画・プロデュースの栗原美和子さんは、陸上自衛隊で働く人々に対して「災害時など、国民のために一生懸命に動いてくださる懐の大きさや、ハートで動く熱さを感じていた」という。「さまざまな職業がある中で、陸上自衛隊に入隊する方にはスピリットとして熱いものがあるんじゃないか」と考え、同枠のコンセプトに合致するのではと本作を提案した。

 渡辺さんは「栗原さんからお話をいただき、純粋に陸上自衛隊ではどのような人たちが、どんなふうに働いているのか、そして私たちの暮らしをどう守ってくれているのか、視聴者の方々にも興味を持っていただけるのではないかと思いました」と共感。「いろいろな職業を描いたドラマがある中で、陸上自衛隊を舞台にした連ドラはこれまでにあまりなかったですし、新鮮に感じていただけると思います」と自信をのぞかせる。

 ◇「予定していた以上」防衛省の全面協力 リアルかつインパクトのある映像に

 今作では映像的なリアルさも追求し、防衛省の全面協力のもと、ほとんどのシーンを陸上自衛隊の駐屯地で撮影。栗原さんは「当初予定していた以上に協力していただいています。エキストラも実際の陸上自衛官の方にお願いしていますし、トラックや戦車なども用意していただいているので、インパクトがある画(え)になっていると思います」と手応えを感じている。

 さらに「衣装も陸上自衛隊の方が全員分用意してくださって」と裏側を告白。「衣装合わせにも来ていただいて、戦闘服や制服の着方、道具の付け方までレクチャーしていただきました。陸上自衛隊の方々も、自分たちの活動について見せられる良い機会だと言ってくださっているので、惜しみなく提供していただいています」と明かした。

 ◇描きたかった“一人の人間”としての陸上自衛官 2部構成で生まれた斬新さも

 今作の特徴の一つが、2部構成で展開するストーリーだ。第1部では、生半可な気持ちで陸上自衛隊に入った“やけっパチ”な主人公・国生宙(町田さん)が、バディーの馬場良成(佐野勇斗さん)らと出会い、共に一人前の陸上自衛官を目指すようになっていく。

 第1部だけでもドラマとして成立させることは可能だが、陸上自衛官になってからの姿にも迫りたかったという栗原さん。「候補生期間と陸上自衛官になってからでは、立ちはだかる試練も種類が違ったものになると思うんです。その両方をしっかりと描きたかったというのがあります」と語る。

 また、“一人の人間”としての姿も映し出したかった。栗原さんは「もちろん陸上自衛官にもプライベートがあるのですが、候補生の間は規律が厳しい生活で、なかなかそれが与えられていない。陸上自衛官の私生活まで描きたかったので、こういった2部構成にしました」と説明。渡辺さんも「宙や馬場のさらに先を行く先輩たちの姿は、なかなか第1部だけでは見せきれない。第2部を作ることで、現場での陸上自衛官と普段の姿とのギャップを見せたかった」と明かした。

 その結果、ドラマとしての新しさも生まれた。栗原さんは「普通なら卒業式が最終回になると思いますが、中盤で一度、大きな区切りがつくのは斬新かなと思います」と話し、渡辺さんも「第1部と続いている部分がありながら、第2部にしかない要素もあるので、それぞれの楽しみ方ができるかなと。“一度で二度おいしい”ドラマなんじゃないかと思います」とアピール。「第2部ではメンバーも変わるので、またテイストが違って見えるんだろうなと楽しみですね」と期待を寄せた。

写真を見る全 3 枚

テレビ 最新記事