瀬戸麻沙美:「雨を告げる漂流団地」 小学生6年生の繊細さ、葛藤を表現する“ヒロイン力”

「雨を告げる漂流団地」の兎内夏芽の場面写真(C)コロリド・ツインエンジンパートナーズ
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「雨を告げる漂流団地」の兎内夏芽の場面写真(C)コロリド・ツインエンジンパートナーズ

 アニメ「ペンギン・ハイウェイ」などで知られるスタジオコロリドの長編劇場版アニメ「雨を告げる漂流団地」(石田祐康監督)が9月16日に公開される。同作でヒロインの小学6年生・兎内夏芽を演じるのが、声優の瀬戸麻沙美さんだ。瀬戸さんはアニメ「ちはやふる」の綾瀬千早、「呪術廻戦」の釘崎野薔薇(くぎさき・のばら)、「トロピカル~ジュ!プリキュア」の滝沢あすか/キュアフラミンゴなどさまざまなヒロインを演じてきた人気声優。瀬戸さんのこれまでの活躍を振り返りながら、その“ヒロイン力”に迫る。

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 ◇りりしく強く、はかなさも 幅広い表現力で“ヒロイン”好演

 瀬戸さんは、2010年に声優デビュー。デビュー2年目、現役高校生で「ちはやふる」の主人公の綾瀬千早役に抜てきされ、注目を集めた。真っすぐで稀(けう)な才能を持ち、競技かるたでクイーンを目指す千早を演じ、“ヒロイン力”を見せつけた。その後も、「東京喰種トーキョーグール」の傲慢な一面もあるが優秀な新人捜査官・真戸暁役、「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」の真面目で礼儀正しいが気が強い桜島麻衣役など、りりしく芯のある強い女性を演じてきた。

 瀬戸さんのヒロイン力は、“りりしさ”“強さ”の表現のみならず、「輪廻(りんね)のラグランジェ」のラン役、「NORN9 ノルン+ノネット」の不知火七海役など、感情を表に出さず、はかなさのある女性も好演。「呪術廻戦」の釘崎野薔薇役でも注目を集めた。釘崎は気が強く、粗暴な言葉遣いが特徴のキャラクターで、MANTANWEBのインタビューでも「これまでやったことがないタイプの役」と語っていた。釘崎役で、これまでのイメージを覆し、新境地を切り開いた。「トロピカル~ジュ!プリキュア」では面倒見がいいクールなお姉さんタイプの滝沢あすか/キュアフラミンゴ役、「盾の勇者の成り上がり」では強さとけなげさを併せ持つ女剣士・ラフタリア役と、幅広い表現力を発揮してきた。

 ◇小学生の夏芽役に「うれしい驚き」 子供ならではの繊細さ、葛藤

 瀬戸さんが「雨を告げる漂流団地」で演じるのは、小学6年生の夏芽。もう一人の主人公・熊谷航祐とは、幼いころから同じ団地で育った幼なじみだ。素直になれない不器用な優しさを持つキャラクターとして描かれる航祐に対し、本来の子供らしさや甘えたい気持ちを隠しがちな繊細さや葛藤を抱える夏芽を、瀬戸さんはこれまでの経験で培ってきた“ヒロイン力”で表現する。

 瀬戸さんは「オーディションを受けた時から、夏芽役を演じたいと思っていたんですが、小学生の役ということもあって、実際に小学生の子役の方がキャスティングされたりする可能性もあるのかなと。そのため難しいかもと思っていたので、夏芽役に決まったと聞いた時は、うれしい驚きがありました。オリジナル作品で一からキャラクターを作っていけるのがすごく楽しみだったので、決まった時からワクワクしていました」と語る。

 夏芽たちは自分たちの住む街を飛び出し、漂流する団地で大海原へ繰り出す。そんな不思議な旅の中で、夏芽が自身の秘めた思いや、航祐や家族への気持ちと向き合い成長していく姿に、大人も心を動かされるはずだ。

 同作は、小学6年生の幼なじみ、航祐と夏芽、その仲間たちが取り壊し前の団地に入り込んだことから始まるひと夏の冒険を描く。少年少女を乗せた団地が大海原を漂流することになる。「ペンギン・ハイウェイ」「泣きたい私は猫をかぶる」に続くスタジオコロリドの長編劇場版アニメ第3弾で、「ペンギン・ハイウェイ」の石田さんが監督を務める。

 田村睦心さんが小学6年生の航祐役、瀬戸さんが夏芽役でダブル主演を務めるほか、声優として村瀬歩さん、山下大輝さん、小林由美子さん、水瀬いのりさん、花澤香菜さんが出演する。9月16日からNetflixでも配信される。

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