山下大輝：声優デビュー10周年　「雨を告げる漂流団地」で“長男”に　強く、優しい声の魅力

　アニメ「ペンギン・ハイウェイ」などで知られるスタジオコロリドの長編劇場版アニメ「雨を告げる漂流団地」（石田祐康監督）が9月16日に公開される。同作で主人公の一人である熊谷航祐の友人・橘譲を演じるのが、声優の山下大輝さんだ。山下さんは、アニメ「弱虫ペダル」の主人公・小野田坂道、「僕のヒーローアカデミア」の主人公・緑谷出久などで知られる人気声優で、今年でデビュー10周年を迎えた。9月7日に山下さんが誕生日を迎えたことを受けて、これまでの活躍を振り返りながら、「雨を告げる漂流団地」で演じる譲の注目ポイントを紹介する。

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　山下さんは、2012年に声優デビュー。デビューからわずか2年で、人気自転車マンガが原作のアニメ「弱虫ペダル」の主人公・小野田坂道役に抜てきされた。同年、第8回声優アワードの新人男優賞を受賞し、一躍知名度を高めた。その後も「僕のヒーローアカデミア」のデクこと緑谷出久役、「ポケットモンスター」のゴウ役など、柔らかさのある高めの声質で、優しさと強さを併せ持つ王道主人公を好演している。

　ほかにも、ゲームやアニメが人気の「あんさんぶるスターズ！」の朔間凛月役、「刀剣乱舞」シリーズの厚藤四郎役、今剣役など人気作品で魅力的なキャラクターを演じ、第一線を走り続けている。元々は、歌を学ぶために上京し、演技に興味が湧き声優に転向したという経歴から、2021年には歌手デビューも果たすなど活躍の場を広げ続けている。

　そんな山下さんが「雨を告げる漂流団地」で演じるのは、主人公・航祐の遊び友達の一人である譲。同じサッカークラブの航祐と小祝太志、譲の3人は、夏休みのある日、取り壊しの進む“おばけ団地”に忍び込んだことをきっかけに、不思議な現象に巻き込まれ、団地で大海原を漂流することになる。譲は4人兄弟の長男で面倒見がよく、包容力で同級生を支える長男的存在のキャラクターで、漂流中の不安の中で子供たちが険悪になってしまうような場面でも、空気を読んで仲を取り持とうとする。

　石田監督は、同作のキャスティングについて「キャラクターを人となりから好きになって、脚本から作画に至るまでの一挙手一投足を見守っていると、何か思い込みに近い“この子はきっとこう”というのが自動的に出てくる気はしています」と語っており、山下さんの優しい声が、気遣い上手で穏やかな譲にもぴったりとはまっている。人に気を使うがゆえに自分をうまく表現することが苦手な譲が、航祐たちと共にどんな成長を遂げるのか、注目したい。

　同作は、小学6年生の幼なじみ、航祐と夏芽、その仲間たちが取り壊し前の団地に入り込んだことから始まるひと夏の冒険を描く。少年少女を乗せた団地が大海原を漂流することになる。「ペンギン・ハイウェイ」「泣きたい私は猫をかぶる」に続くスタジオコロリドの長編劇場版アニメ第3弾で、「ペンギン・ハイウェイ」の石田さんが監督を務める。

　田村睦心さんが小学6年生の航祐役、瀬戸麻沙美さんが夏芽役でダブル主演を務めるほか、声優として村瀬歩さん、小林由美子さん、水瀬いのりさん、花澤香菜さんが出演する。9月16日からNetflixでも配信される。