わたしの宝物
第6話 生まれ変わったら本当の親子になれるかな・・・
11月21日(木)放送分
2022年7月期のおもなドラマ主題歌を紹介。今年の夏ドラマは、King Gnuの書き下ろし楽曲や[Alexandros]の新曲、RADWIMPSやDISH//の書き下ろし曲といった話題のバンドの楽曲がそろった。そのほか、サザンオールスターズの原由子さんの新曲やシンガー・ソングライターの小田和正さんの楽曲などベテラン勢もラインアップ。夏ドラマで注目の主題歌をピックアップした。
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綾野剛さんが主演するTBS系「日曜劇場」(日曜午後9時)枠「オールドルーキー」の主題歌は、King Gnuの新曲「雨燦々(あめさんさん)」(配信中)。バンド演奏と、弦や鍵盤の音色がクロスオーバーする華やかなサウンドのミディアムナンバーだ。
ドラマは、現役を引退した元サッカー日本代表・新町亮太郎(綾野さん)が、現役アスリートの代理人やマネジメントを行う会社「ビクトリー」で働きながら、セカンドキャリアを歩んでいく、というストーリー。現役選手としての挫折を味わい、“引退”を受け入れられない葛藤を乗り越えて、新しい人生を生きようと模索する主人公の姿を描いている。
楽曲のタイトル及び歌詞は、雨に降られても、その雨は苦しみや悲しみを洗い流し、やがて太陽の光がさんさんと降り注ぐという意味合いを含み、新町を明るい未来へ導くような役割を担っている。曲が醸し出す壮大さ、すがすがしい雰囲気は、King Gnuの新機軸といえる。
竹内涼真さんの主演ドラマ「六本木クラス」(テレビ朝日系、木曜午後9時)の主題歌は、[Alexandros]の新曲「Baby’s Alright」(最新アルバム「But wait.Cats?」に収録)。アグレッシブで骨太なロックナンバーに仕上がっている。
ドラマは、大ヒットした韓国ドラマ「梨泰院(イテウォン)クラス」のリメーク版で、「梨泰院クラス」の原作マンガの設定を日本に置き換えて翻案したマンガ「六本木クラス~信念を貫いた一発逆転物語~」が原作。宮部新(竹内さん)は、車のひき逃げで父・信二(光石研さん)を亡くした上に、日本最大の巨大外食産業「長屋ホールディングス」の会長・長屋茂(香川照之さん)と、茂の長男で加害者の長屋龍河(早乙女太一さん)に事件をもみ消される。その復讐(ふくしゅう)をすべく、東京・六本木に居酒屋「二代目みやべ」をオープンさせ、長屋ホールディングスに立ち向かっていく、というストーリー。新の初恋の人、楠木優香(新木優子さん)と、「二代目みやべ」のマネジャー、麻宮葵(平手友梨奈さん)の新を巡る三角関係も見どころだ。
軽妙なテンポながらも迫力に満ちた激しいサウンドは、復讐心や愛憎が渦巻くドラマの世界観を表現。また主人公・新の劇中のせりふとリンクした言葉など、“眠らない摩天楼の街・六本木”を舞台に、逆転劇をもくろむ新の心情が、歌詞にも投影されている。
有村架純さんと中村倫也さんがダブル主演するドラマ「石子と羽男-そんなコトで訴えます?-」(TBS系、金曜午後10時)の主題歌は、RADWIMPSの書き下ろし曲「人間ごっこ」(配信中)。ボーカルの野田洋次郎さんが台本を読み込み、ドラマの制作サイドと打ち合わせをした上で曲を完成させた。同バンドが連続ドラマの主題歌を書き下ろすのは初めて。
ドラマは、東大卒ながら司法試験に4回落ちた崖っぷちの法律事務員・石田硝子(通称・石子、有村さん)と、1回で司法試験に合格した高卒の弁護士・羽根岡佳男(通称・羽男、中村さん)がコンビを組み、さまざまな法律トラブルに挑むリーガルエンターテインメント。正反対のようでどこか似た者同士の2人が、時に衝突しながら事案を解決していくうちに、自らのコンプレックスを少しずつ克服し、お互いを補うバディーになっていく、という内容だ。
楽曲は、人間の感情を突き詰めた深遠な歌詞と、打ち込みのサウンドが異彩を放っており、歌声や伴奏の音を加工したギミックが特徴的だ。その手法が、真実をゆがめたり、曖昧にしてしまったりする現代社会の風潮に一石を投じるメッセージのようでもあり、法律や裁判を通して人間の本音や真相をあぶり出していく、という物語と絶妙にシンクロしている。
永野芽郁さんが主演を務めるドラマ「ユニコーンに乗って」(TBS系、火曜午後10時)の主題歌は、DISH//の書き下ろし曲「しわくちゃな雲を抱いて」(配信中)。ボーカル&ギターの北村匠海さんが作詞を、ドラムの泉大智さんが作曲を手がけた爽やかなアップテンポのナンバーだ。
ドラマは、教育系スタートアップ企業「ドリームポニー」の若きCEO、成川佐奈(永野さん)が、苦楽を共にしてきたビジネスパートナーの須崎功(杉野遥亮さん)や、転職してきた“おじさん部下”の小鳥智志(西島秀俊さん)らと会社の発展のために奮闘しながら成長していく。3人を中心に、仕事、恋、友情、家庭環境などが絡み合う展開や、「ドリームポニー」の行く末が注目される。
自社アプリのユーザー獲得、資金集め、ビジネスコンテストなど、数々の困難もありながら、次のステップへと動き出し、進展していく場面でこの楽曲がよく流れてくる。みずみずしく軽快な曲調は、夢に向かって挑戦し続ける佐奈たちの背中を押し、将来への期待感を一層高めてくれる。
杉咲花さんの主演ドラマ「プリズム」(NHK総合、火曜午後10時)の主題歌は原由子さんの新曲「ヤバいね愛てえ奴は」(8月17日配信開始、10月19日発売のアルバム「婦人の肖像(Portrait of a Lady)」に収録)、上川隆也さんの主演ドラマ「遺留捜査」第7シーズン(テレビ朝日系、木曜午後8時)は小田和正さんの「やさしい風が吹いたら」(2013年4月期第3シーズン&2018年7月期第5シーズン主題歌、両A面シングル「その日が来るまで/やさしい風が吹いたら」に収録)、「小さな風景」(2017年7月期第4シーズン&2018年7月期第5シーズン主題歌、最新アルバム「early summer 2022」に収録)、「風を待って」(2021年1月期第6シーズン主題歌、最新アルバム「early summer 2022」に収録)の3曲と、大物アーティストの楽曲もラインアップしている。
さらに、橋本愛さんの主演ドラマ「家庭教師のトラコ」(日本テレビ系、水曜午後10時)は森山直太朗さんの新曲「茜」(配信中)、町田啓太さんの主演ドラマ「テッパチ!」(フジテレビ系、水曜午後10時)はGENERATIONS from EXILE TRIBEの新曲「チカラノカギリ」(CDシングル発売中)、波瑠さんの主演ドラマ「魔法のリノベ」(カンテレ・フジテレビ系、月曜午後10時)は2人組「ヨルシカ」の「チノカテ」、坂口健太郎さんと杏さんがダブル主演するドラマ「競争の番人」(フジテレビ系、月曜午後9時)は新人シンガー・idom(イドム)さんの「GLOW」(配信中、9月7日発売のデビューミニアルバム「GLOW」に収録)が採用されている。
話題のバンド、ベテランアーティスト、新人など幅広いアーティストの楽曲が並ぶ夏ドラマ主題歌。これらの曲が劇中でどのように響き、ストーリーとどんな相互作用が生まれるのか。ドラマの展開とともに、今後もますます目が離せない。(水白京/フリーライター)