ダンダダン
第8話「なんかモヤモヤするじゃんよ」
11月21日(木)放送分
「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載中の堀越耕平さんのマンガが原作のテレビアニメ「僕のヒーローアカデミア」(読売テレビ・日本テレビ系、土曜午後5時半)。放送中の第6期では、デクこと緑谷出久らヒーローと、死柄木弔(しがらき・とむら)率いる敵<ヴィラン>の全面戦争が描かれ、息もつかせぬ激しいバトル、声優陣の熱演が話題になっている。11月26日放送の第122話「爆豪勝己:ライジング」では、人気キャラクターのかっちゃんこと爆豪勝己の秘めた胸の内が明かされ、“見たことのないかっちゃん”が描かれるという。緑谷出久役の山下大輝さん、爆豪勝己役の岡本信彦さんに収録の裏側を聞いた。
あなたにオススメ
“あの頃”のジャンプ:実写ドラマ化も話題「ウイングマン」 1983年を振り返る
山下さん 自分ができることを精いっぱいやるしかないと思っています。特に今回は、全部出し切らなきゃいけない戦いなので、どこかでセーブするとかは、全く考えてなかったです。特にデクの場合は、周りが見えなくなってしまう部分が全面に出てくる戦いなので、収録でも周りのことは意識せず、ぶつかっていくしかないというか、それしかできないという覚悟で臨んでいます。デクたち、プロヒーローたちがどんどん窮地に追いやられていく中で、僕自身の没入感もどんどん段階を踏んで深くなっていって、もう冷静でいられなくなるというか。
岡本さん そうですね。かっちゃんは元々意外と冷静で。冷静そうに見えていないキャラクターですけど、実は現状把握がしっかりできているというか。デクを冷静にさせるために理論立てて説明したりするんですけど、それはやっぱり勝つためなんです。今回は「全面戦争」と言われているだけあって、「戦いに勝利したほうが正義」という感じもある。かっちゃんは、デクがワン・フォー・オールの継承者であることを知っているからこそ、この戦いのキーマンがデクであることも分かっていると思います。
岡本さん 2人で足りない部分を補い合いながら前に進んでるキャラクターだと思っています。自分にないものを相手から得て、最終的に同じ人を目指していく2人だなと。性格は全然違うとは思うんですけど、深層心理というか、性格自体は結構似たものを持っている気がしています。だから、オールマイトが2人に言った「救(たす)けて勝つ 勝って救ける 最高のヒーロー」(第61話「デクVSかっちゃん2」)というのは、結局同じことを2人はやっていて、スタートラインが違うぐらいの差なんだろうなと思っています。
岡本さん 命を懸けた戦いで2人が共闘するというのは、テレビアニメでは今回が初めてになると思います。
山下さん 今回は、「一緒に戦った方が勝率が高いから」という理由で一緒にいるという感じではあると思うんです。やれることが増える、任せられる人がいるという。デクとしては、冷静でいられないことが多いからこそ、かっちゃんに助けられることが多々ある。だから、視聴者目線でも2人でいるほうが安心するというのもあるのかなと。
岡本さん それはあるかもね。僕自身は、本誌(「週刊少年ジャンプ」)を読んでいて、死穢八斎會(しえはっさいかい)のエピソードあたりから、誰が死んでもおかしくないと思って、「かっちゃんもどこかで死ぬかもな」と一瞬思っていた時があったんです。だから「デクと一緒に戦わないでほしい」と感じていた時期もありました。ただ、かっちゃんとしては「やっと戦える」という思いがある。彼は戦場に行ってどんどん強くなりたい。オールマイトみたいなナンバーワンヒーローになるためには必要不可欠な部分で、ここで実戦を積んでさらに上に行くんだという思いが強いと思います。
岡本さん 本当につらい物語でした。今までの爆豪とは違う面を見せたいという思いはもちろんあって、でも爆豪じゃなきゃいけない。これから見る爆豪ファンの方は、恐らく試練の時というか。映像はもちろん、声も「え? 爆豪じゃないみたい」と思われる可能性もあります。
山下さん 「ライジング」のイメージが変わった回です。これまでの「ライジング」はスカッとして終わることが多かったんですけど、「爆豪勝己:ライジング」は時が止まるんです。終わった後に「ライジングしたぜ!」という感じじゃなくて、「ライジングとは何だ……?」と。エンディングの途中まで息をすることを忘れる感じ。
岡本さん たしかに、原作を読まずにアニメを追ってくださっている人は、息が止まるかもしれないです。「ライジング」と言われると、爆豪の「爆破」という“個性”が覚醒してボコボコに倒すみたいな展開を予想するかもしれないですけど、全然違った「ライジング」というか。これも強さの一つ、勝利への修練、執念の一つだよねという「爆豪勝己:ライジング」でした。
岡本さん 今までがなってがなって、自分を削り上げてきたキャラクター性がある中で、爆豪の本当にピュアな部分、心の機微をどう表現したらいいのか、これまでで一番悩んだ回でした。「今までにない爆豪」を見せるエピソードで、それが今後の展開にも大きく作用する。ファンの方の中には、今までの超強くて格好いい爆豪、きりきりしている爆豪が好きだという方もいると思いますし、「そんな繊細なシーンを出されてもデクをいじめていたお前のことを許さない」というデク目線の方もいると思います。でも、爆豪はそれも恐らく分かっていて、全て受け入れると思うんです。今回の「爆豪勝己:ライジング」の行動理念に至るまでの情感、感情の機微からくる声質というのは、ピュアな部分からじゃないと表現しきれなかったというのが一つあります。今までの突っかかっていくような、噛みつくようなお芝居では、表現しきれないと思いました。
山下さん 非常に難しい表現だろうなと思いました。今まで聞いたことがない声色ですよね。僕は、かっちゃんとオールマイトが会話する回想シーンが印象的でした。かっちゃんらしい強い言葉って、全部自信や鼓舞から来ていると思うんですけど、回想シーンでは、その自信が感じられず、言葉に迷いを感じるというか。今までそんなところを見せなかったからこそ、すごく真実味が強くて心をつかまれました。これがかっちゃんの純粋なコアな部分の言葉だったのかなと。ちょっと弱々しくも見えてしまって、なんとも言えない、見てはいけないものを見てしまっているような気持ちになりました。
岡本さん 回想シーンは、爆豪はオールマイトと会話しているんですけど、ディレクションでは「オールマイトに声をかけないで、とにかくデクを見ていてほしい。デクを見ながらしゃべってほしい」と言われました。
山下さん 収録を見ていて、すごく繊細なもの、触れてはいけない部分に触れてしまっている感じがありました。すごいものを見ていると思いました。
山下さん 今後、ヒーロー側はもちろん、死柄木も心の中で戦っていることが徐々に明かされていき、一体誰をどの目線で見ればいいんだろうと、見る側も迷ってしまうと思います。そういった意味で、考えることが止まらない展開になっていくので、皆さんにも大いに悩んでいただきたいです。大いに悩んで、「ヒロアカ」の世界に深く深く入り込んでいってもらえるとより楽しめるのではないかなと思います。みんな意見が違っていいと思います。それが、この作品の楽しみ方の一つだと思います。
「僕のヒーローアカデミア」は、「週刊少年ジャンプ」で2014年7月に連載がスタート。人口の約8割が超常能力“個性”を持つ世界を舞台に、デクこと緑谷出久が最高のヒーローを目指す姿を描いている。コミックスの全世界累計発行部数は6500万部以上。テレビアニメ第1期が2016年4~6月、第2期が2017年3~9月、第3期が2018年4~9月、第4期が2019年10月~2020年4月、第5期が2021年3~9月に放送された。
人気アニメ「宇宙戦艦ヤマト」のリメークシリーズの最新作「ヤマトよ永遠に REBEL3199」の第2章「赤日の出撃」の初日舞台あいさつが11月22日、新宿ピカデリーで開催され、総監…
人気アニメ「忍たま乱太郎」の新作劇場版アニメ「劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師」で、人気グループ「なにわ男子」が歌うテーマ曲「勇気100%」のコラボミュージックビデ…
集英社のマンガアプリ「少年ジャンプ+(プラス)」で連載中の遠藤達哉さんのマンガが原作のアニメ「SPY×FAMILY」の劇場版「劇場版 SPY×FAMILY CODE:White」…
MF文庫J(KADOKAWA)のライトノベルが原作のテレビアニメ「クラスの大嫌いな女子と結婚することになった。」で、人気アイドルグループ「=LOVE」がオープニングテーマ(OP)…
2007年にフジテレビの深夜アニメ枠「ノイタミナ」で放送された人気テレビアニメ「モノノ怪」の完全新作劇場版「劇場版モノノ怪」の第2章「劇場版モノノ怪 第二章 火鼠」の第2弾ムビチ…