ダンダダン
第8話「なんかモヤモヤするじゃんよ」
11月21日(木)放送分
モンキー・パンチさんのマンガが原作の人気アニメ「ルパン三世」の主人公・ルパン三世の少年時代を描く新作アニメ「LUPIN ZERO」がDMM.comの新たな映像配信サービス「DMM TV」で12月16日から配信される。誰もが知る大泥棒・ルパン三世の「誰も知らない『はじまり』の物語」になるといい、原作の連載が始まった昭和30年代(1960年代)の高度経済成長期の日本を舞台に、少年ルパンが活躍する全6話のオリジナルストーリーとなる。“ルパン声優”は特別な存在だ。かつて山田康雄さんが演じ、栗田貫一さんに引き継がれたルパンは“あの声”はあまりにも有名で、次元大介が小林清志さんから大塚明夫さんに引き継がれたことも話題になった。「LUPIN ZERO」では、畠中祐さんがルパン、武内駿輔さんが次元をそれぞれ演じる。畠中さん、武内さんは共に若手人気声優で、2人はあまりにも有名なキャラクターをどのように演じるのだろうか?が注目される。畠中さん、武内さんを直撃した。
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武内さん びっくりしました。今回は少年時代の話なので、プレッシャーというよりか、どうなるんだろう?と楽しみでした。祐はもっと真剣に考えそうだけど……。
畠中さん どうすればいいんだろう?となりました。山田さんから脈々と受け継がれてきたルパン像が強烈で、僕の体にも染み込んでいます。そのルパンにつながるものが想像できなくて、迷ったところもあります。オーディションの時、これまでのルパンに近づけすぎず、僕が思うままにやったところもありました。だから、合格のお話をいただいた時、混乱しました。ルパンというキャラクターの重みもありますし、パニックでしたね。
武内さん ルパンは誰かな?と思った時、本当に祐しかいないんですよ。だから祐が演じると分かった時、そうでしょう!とすごく安心できましたし、テンションが上がりました。決まった時、連絡し合ったよね。
畠中さん 武内君の性格を、これまでの仕事への向き合い方を考えると、次元を徹底的に研究してくることが想像できました。僕もルパンにしっかり向き合わないといけない。決まってからは“ルパン漬け”でした。
武内さん ほぼ毎日、どうやって役作りしていこう?と話し合っていました。お互い、テレビシリーズを見返して、「何話まで見た?」と報告し合っていました。僕は収録が始まる前にPART(パート)3まで見返しました。
畠中さん 山田さんのインタビュー、ご本人の映像を見て、山田さんがルパンと向き合っていた姿勢を踏襲しようとしました。そうすることで、僕なりのルパンのアプローチができるのかもしれないと思ったんです。山田さんはとてもチャーミングで、みんなを楽しませる冗談も言う。多分その裏には厳しさもあるし、厳しいということは人への優しさもある。ものすごく繊細な人間像が見えてきました。それは、ルパンにもある気もするんです。ルパンという仮面をかぶっているけど、その裏にはきっと繊細なものがある。今回、ルパンの少年時代を描くので、その時期の混乱、悩みもあるはずです。どう生きていけばいいのか分からないけど、ルパンの皮をかぶろうとする。それを人間臭く演じることができたら、最初のルパンにつながっていける気がしたんです。
武内さん ルパンと次元というキャラクターを演じるということは、山田さん、小林さんを意識せざるを得ない。ご自身の人生感がにじみ出ている。僕も同じく小林さんのことを学ぼうとしました。それに、次元を知るにはルパンも知らなくちゃいけない。技術的なところで言語化するのは難しいんですけど、アニメを見て、どこで音が上がって、下がるかなどをまねして、どんなアドリブをしているかなどのメモをとって、語録を作りました。全キャラクターのものまねをできるようにして、一人ルパン劇みたいなボイスメモも録音しました。
畠中さん そのボイスメモが送られてきました(笑い)。
武内さん 教科書ができれば、自分で考えるところがでてくる。ここは「あららら」じゃなくて「うわー」かな?などとどっちが多いのかが分かってきますし、祐と共有しました。
畠中さん 本当にすごいよ!
武内さん 僕の中で「ルパン三世」は一曲の音楽だと思っているところもあります。せりふなど全てに音階、リズムがある、劇伴がジャズですし、知り合いのジャズピアニストにジャズについて教えていただきましたが、やっぱグルーヴ感が大事。山田さんもピアノを弾かれますし、小林さんも音楽をやられています。音楽的なフィーリングがあり、祐とセッションしてるような感覚でした。
畠中さん 最近は分散収録もできるし、パーツのクオリティーが上がっているし、整っていますが、昔の「ルパン三世」のセッション感も心地いいんですよね、そこでしかできないグルーヴ感は確かにあって、それを大事にしなきゃいけないと思っていました。
武内さん 収録の際、画(え)が全部できていたんです。山田さんは「画がないと芝居ができない」とおっしゃっていたという話もありますが、それが今も守られている。山田さんに助けていただいた気持ちです。
畠中さん 守ってきたもの、受け継いできたものがあるんです。素晴らしいですよね。
武内さん 天才ですよ。
畠中さん 簡単に言うなよ。
武内さん 努力家ですし、センスがある人ってこういう人なんだなと思います。現代の声優界において、希有(けう)な存在。舞台が好きで、積極的に舞台にも出ている姿勢がすごいと思っています。そこに自分のルーツがあって、生きざまを見せているんですよね。素晴らしいです。
畠中さん (武内さんは)守備範囲の広さがどうなっているの!?というくらい、いろいろなことを学ぼうとしている。吸収力の高さは、僕らの上の世代の先輩からしても、圧倒的脅威だろうなっていうくらいすごい。彼は楽しんでやっているんですよ。それがすさまじい。才能ですね。声優をやるべくしてやっている人なんだろうな。本当にそう思います。
武内さん まだまだだよ。
畠中さん こういう感じなんですよ(笑い)。底なしです。僕の持ってないものを持っているし、彼にしかできないものがある。徹底的に研究して、努力して、つかんで、自分のものにして、その先にオリジナリティーが生まれる。それがにじみ出ているんです。この先もとんでもないものを見せてくれそうなんです。
武内さん 僕は太鼓判を押しています。祐じゃなきゃできない。
畠中さん そう言われると、つらいですね(笑い)。掛けた時間は無駄になっていないと思いたいです。僕らなりに思いを込めたものが出来上がりました。監督には「いろいろなことを言う人がいると思うけど、僕らが『ルパン』にしていくから、自分たちの『ルパン』をやってください」と言っていただきました。その言葉があったからできたところはあります。
新作アニメは、テレビアニメ「ルパン三世 PART5」の副監督を務めた酒向大輔さんが監督を務め、「コードギアス 反逆のルルーシュ」などの大河内一楼さんがシリーズ構成、「ルパン三世 PART5」などの田口麻美さんがキャラクターデザイン、NHK連続テレビ小説「あまちゃん」などの大友良英さんが音楽を担当する。「ルパン三世」シリーズを手がけるテレコム・アニメーションフィルムが制作する。
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