ロボット博士の古田貴之さんが、12月22日に放送された黒柳徹子さんの長寿トーク番組「徹子の部屋」(テレビ朝日系)に出演。ロボット開発に情熱を注ぐきっかけになった出来事や人生観について語った。
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54歳の古田さんは、千葉工業大学「未来ロボット技術研究センター」所長。福島第一原発の廃炉作業で活動する災害対応ロボットの開発で有名になった。
2歳から8歳ごろまでインドで過ごし、近くに住む仏教の高僧のもとに通うようになった。今では師と仰ぐ高僧から、「1億人いたら1億人の視点がある。たくさんの人とつながって視点を共有すれば、いろんな物が見えてくる。だから、いろんな人とつながりなさい」と教わったという。
しかし、8歳で日本に帰国し、古田さんがヒンディー語と英語を使い自己紹介をすると、クラスメートが一斉に引くのを感じたという。日本の学校では「周りと同じでいること」を求められていることに悩み、自分の個性を隠すようになった。
14歳のとき、脊髄の難病で下半身がまひし、余命宣告を受けた。頭に浮かんだのは、「宇宙の長い歴史から見れば人間の人生は一瞬。君が何者かは、死ぬときに決まる。生きている間は、考える必要ない」という師の言葉。自らを奮い立たせて「自分が生きた証しをロボットで残したい」「ロボット技術を使って、世の中をよくしたい」と考えるようになったと明かす。
その頃、家庭教師からクリスマスプレゼントでもらった黒柳さんの自伝「窓ぎわのトットちゃん」にも励まされた。「個性を生かして生きてもいいんだ」と悟り、それ以来、「ロボットが大好き」ということを前面に押し出すようになったと熱く語った。
古田さんは難病から奇跡的に回復した経験から、「(今の人生は)ロスタイム、延長戦、おまけみたいなもの」と感じているといい、「昔は世界を憎んでいたけれど、病気になり、本を読み、お師匠さんの言葉を思い出し、今は世の中がかなり好きになりました。愛しているといっても過言ではないくらい」と笑顔を見せた。「生きている間に、いかにものを出せるかが重要。技術を使って、不自由を不自由じゃなくすこと。(自身の)技術を使って、愛する世の中をもっとハッピーにできれば」と目を輝かせていた。
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