松岡禎丞:個性的な役は「大変だけど楽しい」 アニメ「トモちゃんは女の子!」で変態スイッチオン!

「トモちゃんは女の子!」に出演する松岡禎丞さん
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「トモちゃんは女の子!」に出演する松岡禎丞さん

 「第2回次にくるマンガ大賞」のウェブマンガ部門で1位に選ばれたことも話題の柳田史太さんの青春ラブコメディーマンガが原作のテレビアニメ「トモちゃんは女の子!」が1月4日から、TOKYO MXほかで放送される。メインキャラクターの一人で、久保田淳一郎の友人・田辺達巳を演じるのが人気声優の松岡禎丞さんだ。トリッキーなキャラクターからクールな少年まで巧みに演じ分けてきた松岡さんだが、同作では収録に入り、演技の方向性が一変するという経験をしたという。収録の裏側、同作の魅力について聞いた。

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 ◇“普通”と思っていた田辺役 「そんなもんじゃなかった」

 「トモちゃんは女の子!」は、2015年にツイッターで連載を開始。ボーイッシュな主人公の相沢智(トモちゃん)、幼なじみの久保田淳一郎の不器用ながらも真っすぐな恋愛模様を描く。アニメは「ゴールデンカムイ」などの難波日登志さんが監督を務め、Lay-duceが制作する。

 トモちゃんと淳一郎のピュアな恋愛模様が描かれる同作について、松岡さんは「このワチャワチャ感をずっと見ていたい」と感じたという。

 「2人の関係性がすごく等身大の子という感じがします。歯がゆい局面が多いというか、2人は相思相愛的に見えるんです。けれど、お互いのズレがそれを許してくれないところがあって、本人たちとしては気が気ではない部分ではあるとは思うのですが、客観的に見ると一番面白い時期なのかなと」

 そんなトモちゃんと淳一郎の関係性を、友達として興味津々に見ているのが、松岡さんが演じる田辺達巳だ。田辺自身、トモちゃんの幼なじみの群堂みすずに思いを寄せる、恋する男の子でもある。

 「最近、色物のキャラをやりすぎているのもあって(笑い)僕の引き出しの中だと、ありきたりな感じがしてしまったんです。でも、実際に現場へ行ってふたを開けてみたら、そんなもんじゃなかった(笑い)。僕が考えていた田辺像ではなかったんです」

 当初、松岡さんは「どこにでもいる気の良い学生みたいな感じでお芝居させていただいた」そうだが、第1話の収録でその演技の方向性が一変することになった。

 「ディレクションで『松岡、ちょっと下心全開でいこうか』と。気の良い格好つけたがりの男の子なのかなと思っていたら、下心全開だったという。それからは『変態』というスイッチが入りました。このための自分か!みたいな(笑い)」

 松岡さんは、さまざまな作品で個性的な役どころを演じ、ファンを魅了し続けているが、「演じるのは大変」と本音をのぞかせる。

 「個性的なキャラクターを演じるのは大変ですけど、楽しいです。最近はメンタルがどんどん削られていっていますけど(笑い)。個性的なキャラクターを演じていると、箸休めがほしいなと。“平均”がほしいです。何かしら抱えていたりするキャラクターが多いんです。変態か、超クールか、超おとなしいか……中間がないんです(笑い)」

 ◇アニメならではの魅力 2023年は「着実に……」

 みすずにアタックし続ける田辺の恋模様も、同作の見どころの一つだ。みすずにどんなに冷たくあしらわれようとめげない田辺について、松岡さんは「究極に折れないメンタルはすごい」と魅力を語る。

 「田辺のすごくいいところは、根がものすごくポジティブなところ。友達として一緒にいたら、すごく面白い子だろうなと。毎日一緒にいたら少し大変かもしれないですけど。しかも、誰彼構わずアプローチをかけるわけではなくて、やっぱりみすずちゃんが好き。『だったら好きって言えよ』という感じではあるのですが、そこは学生らしいというか。本当におバカなんですけど、見ていて元気になれます」

 みすず役の日高里菜さんの演技にも驚かされたという。

 「最初にみすずの声を聞いた時に、日高さんだと分からなかったんです。ただ、その中にもすごく良い意味での日高さん節が感じられて。多分、キャストを知らないでアニメを見た人は、エンディングクレジットを見て『日高さん、出てた?』という衝撃があると思います」

 松岡さんは「トモちゃんは女の子!」のアニメならではの魅力も語る。

 「原作の4コママンガのコマとコマの間がアニメではすごくうまく補完されていて、原作ファンの方も新しい視点で見られるかもしれないです。アニメから見た方は、原作を読んで『こんな雰囲気だったんだ』という驚きもあると思うので、いろいろな意味で楽しめると思います」

 “全開”な松岡さんの演技にも注目したい。最後に2023年の抱負を聞いた。

 「これまで、いろいろな役どころを演じさせていただいて、2023年も特殊な役を演じることが多くなりそうなのですが、その中でも、最近、僕の中で外画(外国で制作された映画)の吹き替えの面白さに目覚め始めていて。これまで経験がなかったので、毎回死ぬ思いで現場に行っていたのですが、人間慣れてくるもので、ようやく面白くなってきました。事務所に入った時から『オールマイティーにいろいろなものをやりたい』と思っていたので、それを自分の力で実現させていけたらなと思っています。今まで以上にいろいろなことに挑戦させていただけたらと。ただ、いきなりいろいろなことを始めるとしんどい!となるので(笑い)、着実に“領土”を広げていきたいです」

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