戸塚純貴:実写“かりあげクン”かりあげヘアは「ミリ単位で調整」 “らしさ”との共通点も

BS松竹東急の連続ドラマ「かりあげクン」で主演を務めている戸塚純貴さん
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BS松竹東急の連続ドラマ「かりあげクン」で主演を務めている戸塚純貴さん

 BS松竹東急で1月7日から放送されている連続ドラマ「かりあげクン」(土曜午後10時)。植田まさしさんの人気4コママンガ「かりあげクン」の初の実写化作品で、主演を務めているのが俳優の戸塚純貴さんだ。主人公の“かりあげクン”ことかりあげ正太の特徴的なかりあげヘアは「ミリ単位で調整して作っていった」と明かす戸塚さんにドラマについて聞いた。

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 ◇大事に繊細に演じたいと思った部分

 ドラマは1回を3話で構成。劇団「ヨーロッパ企画」が脚本を手がけ、「ジェネレーションギャップ」「○○ハラスメント」など現在の社会で話題になっていることを、かりあげクンが天才的な発想といたずらで笑いに変えていく、痛快ドタバタコメディー”となっている。戸塚さんは「いつ見ても楽しめる作品です」と話す。

 「4コマの要素は残しつつ、1話完結だったりもするので、原作にも忠実ですし、映像化のあり方としては素晴らしいなと思いました。ヨーロッパ企画さんの脚本も、かりあげクンの突拍子もない部分とか、ドラマでできることのギリギリを探っていて、とてもシュール。オチの部分の、『これはオチなのか、これでオチているのか』というところを含め、いい意味で視聴者を翻弄(ほんろう)するドラマになっています」

 主人公の“かりあげクン”ことかりあげ正太は、空気を読まないいたずら好きだが、なぜか周りから慕われている……というキャラクターで、今回、特徴的なかりあげヘアは、多くの人に見守れながら“刈り上げていった”。

 「ミリ単位で調整して作っていったので、そこから気持ちは変わってもきました。そうすると自然と首が前に出て、『かりあげ、生まれたじゃん』って思いました」

 戸塚さんいわく「こん身のかりあげヘア」に加えて、実写版の“かりあげクン”を作り上げるうえで意識した部分とは……。

 「ト書きに『無表情』と書かれていて、自分の中では、笑わないってところは大切にした要素。ただ無表情だからといって、そのままだとすごく狭い世界での“かりあげクン”になってしまうから、実際にはかりあげの中にも喜怒哀楽はあって、周りとは違うリアクションを取っているのが無表情に見えるようにはしたいなって。4コマでは描かれてないたたずまいや行動、かりあげがどう思っているのかは、大事に繊細に演じたいと思った部分です」

 ◇かりあげ“らしさ”とは…

 劇中でのかりあげは、ひょうひょうとしているが、やっていることはめちゃくちゃ。その表情のなさとは裏腹に会社の同僚を翻弄する姿は、ドラマの大きな見どころとなっている。

 「かりあげの“らしさ”は、発言も含めて人が予想できない行動をとるところ。絶対に違うだろうってことをあえてするあまのじゃくな男なので、演じている間は『言われたことの反対のことをしよう』という脳にしていました。ただそれって、こういういたずらしたら、こういうことを言ったら、面白いリアクションをしてくれそうだなと考えた上での行動だったりもするので、かりあげは空気が読めなさそうでいて、実は誰よりも人の気持ちが分かっているのかなって、すごく思いました」

 そんなかりあげを「ただの無表情な男で終わらせてはいけない」と、ある種の使命感を抱きながら演じてきた戸塚さん。それはかりあげと自分が、決して遠い人間ではないからなのかもしれない。

 「似ている部分はすごくあります。僕もあまのじゃくな部分があって、人に『こうして』と言われたら、とりあえず一回違うことをしてみたりするようなすごくめんどくさい男なんです。お芝居をする上でも、台本に書いてあることとはちょっと違うことをして、『あれ、こういう感じでくる』って空気にさせてみたり。1回目は提示してみて、次はちゃんとやる、とか。そういう作業が好きですし、そこから新しく生まれるものもあると思っているので。失敗することの方が多いのですが、そういう常に創作意欲というか、ユーモア精神は通じるものはあると思いますし、演じてみて、とても勉強にもなりました」

 原作は、マンガ誌「月刊まんがタウン」、週刊誌「週刊大衆」(共に双葉社)などで42年間連載され続けている長寿作品で、実写ドラマについても「せっかく映像化できたのだから、長きにわたって愛される作品に育てていきたいという思いはある」とひそかな願望を明かす戸塚さん。

 最後に「自分も30歳になり、主演をやらせていただいて、役者として育っていかないといけないし、それとともに“かりあげクン”も育てていきたいと思うので、ここからのスタートというか、一つの原点というか、そんな作品になっていると思います」とドラマへの手応えを口にした。

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