板垣李光人:「難役」にも臆せず、中身は「骨太」 21歳で3作目の大河ドラマ 期待の若手俳優の“横顔”

大河ドラマ「どうする家康」で井伊直政を演じる板垣李光人さん (C)NHK
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大河ドラマ「どうする家康」で井伊直政を演じる板垣李光人さん (C)NHK

 松本潤さん主演のNHK大河ドラマどうする家康」(総合ほか)で、井伊直政(虎松/万千代)を演じている板垣李光人さんが話題だ。4月23日放送の第15回「姉川でどうする!」の終盤、踊り子に扮(ふん)し、家康(松本さん)の命を狙うなど、インパクトのある初登場を果たした。現在21歳の板垣さんは「どうする家康」が早くも3作目の大河ドラマ。今後、さらなる活躍が期待される若手俳優の“横顔”とは……。

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 ◇どこか一筋縄ではいかない役どころに次々と挑戦

 板垣さんは2002年1月28日生まれ。10代前半で俳優業をスタートさせ、2015年には「花燃ゆ」で大河ドラマに初出演し、その後、特撮ドラマ「仮面ライダージオウ」(テレビ朝日系、2018~19年)のウール役や、実写映画「約束のネバーランド」(2020年)のノーマン役などに起用され、当時「美少年すぎる」と話題となった。

 ドラマ出演が相次いだのが2021年。「ここは今から倫理です。」(NHK)では、愛着障害の男子生徒・都幾川幸人、2作目の大河ドラマとなった「青天を衝(つ)け」(同)では、「プリンス・トクガワ」の名で知られる徳川昭武、「24時間テレビ」(日本テレビ系)内スペシャルドラマ「生徒が人生をやり直せる学校」では、母の代わりに3人の弟妹を世話するヤングケアラー・乃木翔、「風の向こうへ駆け抜けろ」(NHK)では、失声症の厩務(きゅうむ)員・木崎誠(通称:アンちゃん)と、どこか一筋縄ではいかない役どころにも臆せず次々と挑戦した。

 また同年は、「カラフラブル~ジェンダーレス男子に愛されています。~」(読売テレビ・日本テレビ系)で、ドラマ初主演(吉川愛さんとのダブル主演)し、日本テレビ系の朝の情報番組「ZIP!」(月~金曜午前5時50分)の金曜パーソナリティーを務めたりもした。

 翌2022年も活躍は続き、連続ドラマ「シジュウカラ」(テレビ東京ほか)、「インビジブル」(TBS系)に続いて出演した「silent」(フジテレビ系)では、主人公・青羽紬(川口春奈さん)の弟・青羽光という、純愛ストーリーを支える“重要なパーツ”を担ったことも記憶に新しい。

 ◇俳優業の醍醐味は「苦しむこと」という骨太な考え

 「どうする家康」の初登場シーンがそうであったように、美少女と見紛うほどの整った顔立ちも魅力の一つの板垣さん。また女性ファッション誌で、男性としては異例のメークの連載を担当するなど、高い“美意識”を持ち合わせているのは間違いないが、彼が面白いのは、俳優としての考えが非常に「骨太」だということ。

 難役に挑戦した「ここは今から倫理です。」出演時のインタビューでは、俳優業について「役を通して考えたり、苦しむということは、すごく不思議な感覚。別に自分自身、『板垣李光人』と言う一人の人間が苦しんでいるわけではないのですが、役を通じて自分も苦しくなるという感覚はこの仕事じゃないと味わえない。醍醐味(だいこみ)でもあるのかなって思います」と語っていた板垣さん。

 その年の末に再び話を聞いた際には、「今年(2021年)は本当にいろいろとやらせていただいたなって思っています。僕が役者をやっていて『楽しい』と感じるのが、役として『苦しむこと』だったりするので、そういった意味で毎回毎回、その苦しみはあったので、本当に楽しかったです」と充実感に満ちた表情を見せていた。

 話を「どうする家康」に戻そう。大河ドラマで井伊直政といえば、6年前の「おんな城主 直虎」で菅田将暉さんが演じた“成り上がりキャラ”の直政の印象がいまだに強い。それでも板垣さんは、「過去作はあまり意識せず、『どうする家康』の井伊直政は僕だけが演じられる人物だと信じて演じたいと思っています。物語の中で直政が年を重ねていく中で、自分自身も成長できるよう努めたいです」とコメントしており、このフラットな姿勢がどのように役に反映されるのか、引き続き注目だ。

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