上白石萌歌:座長・山田裕貴の芝居の熱量に「ついていきたい」 「ペンディングトレイン」

連続ドラマ「ペンディングトレイン―8時23分、明日 君と」に出演する俳優の上白石萌歌さん(C)TBS
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連続ドラマ「ペンディングトレイン―8時23分、明日 君と」に出演する俳優の上白石萌歌さん(C)TBS

 同じ電車に乗り合わせた乗客たちが突然、未来の荒廃した世界にワープしてしまい、水も食料もない極限下で懸命に生き、元の世界に戻ろうとする姿を描く金曜ドラマ「ペンディングトレイン―8時23分、明日 君と」(TBS系、金曜午後10時)。乗客の一人である高校教師・畑野紗枝を演じているのは上白石萌歌さんだ。「どんどんチーム感ができている」という撮影現場で感じた思いを聞いた。

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 ◇冒頭シーンへの反響に手応え

 ドラマは、「恋はつづくよどこまでも」「着飾る恋には理由があって」(共に同局系)などを手がけた脚本家、金子ありささんによるオリジナル作品。8時23分、いつもと同じく都心に向かう電車の一両が、未来の荒廃した見知らぬ世界にタイムスリップ。同じ車両に乗り合わせた見ず知らずの客たちは水も食料もない極限下をサバイバルし、元の世界に戻ろうと奮闘する。

 第1話(4月21日放送)の冒頭では、赤ちゃんを抱っこした紗枝が、キャリーバッグを持ってホームを走る場面が映し出された。SNS上では、「大きな荷物は未来に届ける為?」「赤ちゃん抱えていたのは無事に帰ってこられたってこと?」などさまざまな意見が上がっている。

 「思った以上に皆さん、いろいろなことを考察してくださっていて」と話した上白石さんは、「キャリーバッグの大きさもしっかり見ている方もいて、細かいところまで見てくださっているんだと気づきがあって。こだわって1シーンを重ねているので、丁寧に作っているのが皆さんに届いているな、という実感がすごくあります」と手応えを感じているようだ。

 上白石さん演じる紗枝は、心根の優しい高校の体育教師。教師としての経験が浅く、いつも他人からの見られ方を気にして、笑顔を取り繕ってしまうところもある。実は、白浜優斗(赤楚衛二さん)に以前から好意を寄せているという役どころだ。

 ドラマが始まる前に、脚本家の金子さんと話をする機会があったという上白石さんは、「私がどういう人なのか聞いてくださって。紗枝に関しては似ているなと思います。『こういうとき、私もすぐに発言できないだろうな』とか、自分の延長線上にある役だな」と印象を話す。

 一方で、電車でたまたま一緒だった人たちに対して、「あそこまで守ろうとするところはすごい」と見習いたい部分もあるのだという。そんな紗枝を演じる際には、「誰かの言葉を受け取るときの視線をなるべくその人に寄り添えるように、柔軟な心で新鮮に受け取れるように心がけている」という。

 ◇山田裕貴の姿勢に刺激

 撮影現場では、「もうちょっとこうしてみよう」と細かいところまで話し合って、シーンを作り上げている。中でも作品のことを一番に考える座長の山田裕貴さんの姿勢に、刺激を受けている。

 例として挙げたのが、第1話で直哉(山田さん)が一人で崖から落ちそうになって、優斗と紗枝が引き上げるシーンだ。「引き上げられた後に『疲れた……』という山田さんの表情がどうしても忘れられない」と話した上白石さん。

 「死ぬかも知れない自分、引き上げられた自分。“生きてる実感”を体現されていて。山田さんのお芝居のすさまじさ、熱量を感じて、ついていきたいなと思いました」

 一方、「目で語る」赤楚さんの芝居にも助けられている。「第1話では、紗枝が『明日またやれるだけやってみよう』という優斗の言葉に救われたと話すシーンがあって。そのときの赤楚さんの目がすごくすてきな目で、赤楚さんの目の力に助けられました」と明かす。
 5月5日放送の第3話では、直哉たちが水源を見つけて飲み水が確保できたことで、乗客たちに少しの希望が見えたかに思われた矢先、美容師道具のハサミが入った直哉のバッグが田中(杉本哲太さん)によって持ち去られる。そんな中、優斗たちは食料を調達しに向かうが突如、紗枝の身にある異変が生じて……と展開する。
 上白石さんは、「トラブルを通してみんなが結束していくのがわかる回なので、ぜひ見てください」と視聴者に呼びかけた。

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