のん:「怒りという感情がすごく大事」 作品を発信し続けるワケ 「雄獅少年/ライオン少年」日本語版主題歌にアルバムも

劇場版アニメ「雄獅少年/ライオン少年」日本語吹き替え版主題歌を歌うのんさん
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劇場版アニメ「雄獅少年/ライオン少年」日本語吹き替え版主題歌を歌うのんさん

 新曲「この日々よ歌になれ」のミュージックビデオで、雨に打たれながら声を張り上げて歌うのんさん。同曲は、中国の大ヒット劇場版アニメ「雄獅少年/ライオン少年」日本語吹き替え版主題歌で、6月28日に発売されるセカンドフルアルバム「PURSUE(パーシュー)」の先行曲にもなっている。「この日々よ歌になれ」の歌唱に込めた思いや「PURSUE」について話を聞いた。

ウナギノボリ

 ◇こんなにも運命的なことってあるんだ

 「雄獅少年/ライオン少年」は、中国伝統の獅子舞バトルに魅せられた貧しい少年・チュンが、仲間たちと共に未来を切り拓く姿を描いている。2021年に中国で公開され、興行収入約50億円、動員638万人を記録した大ヒットアニメだ。

 のんさんが歌う日本語吹き替え版主題歌「この日々よ歌になれ」は、「忘れらんねえよ」の柴田隆浩さんが作詞作曲を手掛けた。のんさんは、以前にも柴田さんから楽曲を提供してもらっていて、生配信ライブでも共演した間柄だ。「この日々よ歌になれ」の歌詞は、柴田さんがのんさんと話をした際のエピソードが基となっている。

 「(音源が)送られてきて聴いたときにめちゃくちゃかっこいいと思っていたら、歌詞は『のんさんに当て書きしたい』と言ってくれたんです。のんのことに引き付けて書いてくださった歌詞ではあるのですが、一つの映画のようにシーンを切り取って落とし込んでくださって。『世界中にファンファーレが鳴り響いて、最終章が始まる』というふうに自分の人生が明るく、エンターテインメントとして、歌詞に落とし込まれていて感動しました」

 違った軸で制作されながら、「雄獅少年/ライオン少年」のストーリーとも高い親和性を持った「この日々よ歌になれ」。

 「曲が完成した後に日本語吹き替え版主題歌のお話をいただいたのですが、この曲がチュンたちのストーリーと重なって、こんなにも運命的なことってあるんだと思いました。自分に引き付けた曲でもあるけど、チュンたちの曲にもなるし、悔しい思いをしたり、くじけそうになりながら頑張っているみんなに響くんじゃないかって、この曲が広がった気がしました」

 ◇作品を発信し続ける原動力には「怒り」も

 「この日々よ歌になれ」は、ミドルテンポのロックナンバー。のんさんの力強い歌と相まって、エモーショナルでチアフルな曲に仕上がった。

 「柴田さんから曲をいただいたとき『のんさんがでっかい声で歌ったらかっこいい曲を作りました』と言ってくれたんです。汗をたらしたり、雨に打たれたりしながら何かをする、そういう懸命な姿が見えるような、それがポジティブに人の目に映るようにと思って、元気に大きな声で歌いました」

 果たして、同曲も収録したセカンドフルアルバム「PURSUE」は、どんな作品になっているのか。のんさんによると“裏テーマ”があるといい、「私の20代を詰め込んだアルバム」とも明かす。

 「楽曲を依頼した方には自分の経験や思いをお話して作っていただいたり、自分で作詞作曲した曲も、自分から出てきたメッセージを込めていたりしています。アルバムタイトルの『PURSUE』は、追及するや追い求めるという意味の言葉で、生きている限り良くなると信じて追及する、という決意表明になっています。大変なことや苦しいことはあるけれど、明るく希望を持って頑張りたいと思ってるから、“パーシュー”って響きが可愛くていいなって。意味としては力強くて、必死な感じがするのに、言葉の響きが可愛くて、余裕な感じがするのが、すごく自分に合っていると思ったし、悔しかったこと、くじけたときのことも込めているけど、“パーシュー”っていう響きのように軽やかに昇華したアルバムになったらいいなと作りました」

 この先もきっと、軽やかに前を向いて、自身の歌や作品を発信し続けるであろうのんさんの“原動力”になっているものとは……。

 「続けられているのは見てくれる人がいて、ファンの方たちが待ってくれているから。自分のアクションに対して『面白いね』と面白がってくれる人がいて、笑ってもらえたり、希望を持ってもらえたり、そういうふうに見てもらえるのは、続けられる力になっていますね。あとは怒りという感情が自分にとってすごく大事で、こんなことをやりたいって思いつくのが、何かに怒っていたり、悔しいときだったりするので、それ(怒り)もすごくあります」

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