内田真礼:男の子役の醍醐味 「ラス為」でクール&クレバーな弟に

「悲劇の元凶となる最強外道ラスボス女王は民の為に尽くします。」に出演する内田真礼さん
1 / 3
「悲劇の元凶となる最強外道ラスボス女王は民の為に尽くします。」に出演する内田真礼さん

 小説投稿サイト「小説家になろう」から生まれた天壱さんのライトノベルが原作のテレビアニメ「悲劇の元凶となる最強外道ラスボス女王は民の為に尽くします。(ラス為)」が、7月6日からTOKYO MX、MBS、BS11で放送される。主人公・プライドの義弟・ステイルを演じるのが人気声優の内田真礼さんだ。内田さんは正統派ヒロイン、悪役令嬢、セクシーなお姉さんキャラなどなど幅広い演技が魅力で、男の子役にも定評がある。「約束のネバーランド」などで男の子を演じているが、男の子役は「実は経験が多い方ではないんです」という。内田さんに「ラス為」や男の子役への思いを聞いた。

ウナギノボリ

 ◇意外に可愛らしいステイル

 「ラス為」は、乙女ゲーム「君と一筋の光を」の国と民を苦しめる最悪の女王プライドが、思い出してしまった前世の記憶を頼りに、これから起こる悲劇を回避し、登場人物みんなが幸せになれる世界を目指すため、ゲーム内のストーリーを改変して、国のために民のために全力を尽くしていく……という“ハイスペック悪役王女のラスボス回避ファンタジー”。

 同作の大きな魅力となっているのが主人公・プライドだ。女王制のフリージア王国の第一王女で、悪知恵が働く優秀な頭脳、予知能力、権力の持ち主。「君と一筋の光を」ではラスボスとして君臨していたが、前世の記憶を思い出し、将来自分が引き起こすであろう悲劇を改変するべく全力を尽くす。

 内田さんも「プライドは一応ラスボスですし、怖いのかな?と読み始めたのですが、全然そんなことはなく、天使のようで、周りの人たちが、彼女にひかれていきます。本当にすてきなんです」とプライドのとりこになっている様子だ。

 内田さんが演じるステイルは、プライドの義弟で「君と一筋の光を」では攻略対象者。平民であるが特殊な能力を持っていたため、プライドの補佐として王家に養子として連れてこられる。優しく迎え入れてくれたプライドを守るためにさまざまな策略を巡らせる。

 「オーディションの時、強弱が激しく、二面性のあるせりふが選ばれていたので、最初はどういうキャラクターなのかな?となりました。ステイルは、小さい頃からの変化がしっかり描かれています。守ってあげたくなる可愛さがありますし、成長していくと男の子らしくなっていきます。最初は、闇を抱え、心を閉ざしていますが、周りの人たちが仲良くなってくれて、いろいろなことを経験したことで、変化します。等身大の魅力、柔軟さが見えてきて、年頃の男の子はこういう感じなのかな?と感じられて、演じていてうれしかったです。ジルベールと話している時は本当に嫌そうですし、プライドには顔を赤らめ、アーサーとは同世代の男の子らしい会話をします。仏頂面に見えるかもしれませんが、意外に可愛らしいんです」

 プライドを演じるファイルーズあいさんとの共演については「楽しかったです!」と話す。

 「これまで会ったことはあったのですが、一緒に収録をしたことがなく、がっつり共演するのは初めてでした。『やっと一緒になれたね!』と話していました。ファイちゃんは、ハムちゃん(ハムスター)を飼っていて、私が仕事で京都に行った時、ハムスターモナカを見つけて、お土産にしたんです。ファイちゃんからは、トルコ土産のようなクッションをもらったりして、仲よくなりました。ファイちゃんは、芝居の切り替えがすごくて、緩急がとても気持いいんです。いじめられるシーンも楽しかったです」

 ◇男の子役で声優を満喫!

 プライドはしっかりしているところもあるが、内田さんは演じる際に「発展途上の男の子であるところ」「格好よくしないこと」を意識したという。

 「体が小さくて頼りないところもありますが、頑張って周りに目を光らせていて、自分がちゃんと守るんだ!という気持ちがあります。そんな発展途上の男の子であるところを表現したかったんです。そういったところで、女性の声優がステイルを演じる意味が出たらいいな、と思っていました。演じるうえで、男の子役だからと考えると逆に男の子らしくなくなってしまうと思い、格好よくしなければいけない、と思わないようにしていました。意識しないことで、芝居に集中できると思ったんです。ステイルは頭がいいので、説明ぜりふが多く、言葉も難しいため頑張らないと!と演じていました」

 内田さんは「そんなに男の子役のオーディションを受けてきたわけではないんです」と話すが、内田さんが演じる男の子は魅力的だ。男の子を演じる醍醐味(だいごみ)をどのように感じているのだろうか?

 「男の子を演じられるのはアニメならではですよね。声優は、男の子や動物などいろいろな役を演じることができます。男の子を演じる度に声優を満喫している!と感じるんですよね。この作品ですとプライドにドキドキしたり、こんな人生を歩めるんだ!という気持ちになりますし、すごく勉強になります。普段女性役であれば『ねえねえ』と言われるところを『おい』と声をかけられますし、面白いんですよね。女性を演じている時とは違う面白さがあります」

 内田さんは男の子を演じることが「楽しい!」といい、今後もさらに挑戦していきたいという。

 「楽しいし、好きですね。もっとやってみたいです。今回、『クールな感じがする』『頭がよさそう』と言っていただいたことがあって、びっくりしました。頭がよさそうなイメージが自分にはなくて(笑い)。ゲームでは演じたことがありますが、ほとんど経験がないので、いつか熱血系の男の子もやってみたいですね。」

 「ラス為」で、内田さんの男の子役の演技をぜひ堪能してほしい。

写真を見る全 3 枚

アニメ 最新記事