名探偵コナン
#1146「汽笛の聞こえる古書店4」
12月21日(土)放送分
スタジオジブリの宮崎駿監督の最新作となる劇場版アニメ「君たちはどう生きるか」が7月14日に公開される。世界的な巨匠の新作とあって注目されているが、ストーリーやイラストなどほとんどの情報を事前に公開しないことでも話題を集めている。昨年の「THE FIRST SLAM DUNK」でも取られたプロモーション戦略について、アニメコラムニストの小新井涼さんが分析する。
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あの宮崎駿監督の最新作「君たちはどう生きるか」が、ついに今月14日に公開されるのをご存じでしょうか。
おそらくこういわれて「そんな直前なの!?」「全然知らなかった」と戸惑う人も多いと思います。なぜなら、普通なら公開に向けて行われているような宣伝や各種情報解禁が、未だかつてないくらい徹底的に行われていないからです。
本来ならジブリの、さらに宮崎駿監督作品となれば、国民的どころか世界的な注目が集まるはずの本作ですが、ここまで宣伝がない中で公開を迎えた際に、鑑賞者からはどのような反応が起こり得るのでしょうか。
たとえば、宣伝方法が比較できる作品としては、同じく情報公開を極力制限し、ジブリの鈴木敏夫氏自身も言及していた「THE FIRST SLAM DUNK」が記憶に新しいと思います。
しかし本作との決定的な違いとして、「THE FIRST SLAM DUNK」には、原作やテレビアニメ版が存在していたことがありました。そのため、確かに本作同様映画の内容は明かされていなかったものの、「THE FIRST SLAM DUNK」では「テレビアニメで描かれなかった原作エピソードでは?」「やっぱり山王戦か?」といった予想が公開前から飛び交い、ネット上で一定の盛り上がりをみせていたのです。
一方本作は、小説「君たちはどう生きるか」と同じタイトルでありながらも、内容はオリジナルになるといいます。つまり、物語も登場キャラもキャストも明かされていない現状では、どんな作品になるのか予想しようにも、その口火となるヒントが全くない状態なのです。
そのため、なんだかんだ情報解禁や予告映像公開の度に反響が生まれていた「THE FIRST SLAM DUNK」と比べても、公開前の今はネット上で人々の話題を目にする機会もあまり多くはありません。
しかし、そうして「THE FIRST SLAM DUNK」以上に徹底して情報を公開しないことがプラスにも転じ得る、本作にしかない要素もあります。それこそが、本作が“あの”宮崎駿監督の最新作であるという点です。
これだけ情報にあふれる現代社会において、すっかり世界的にも有名になった宮崎駿監督の最新映画を何の前情報もなしに映画館で体験できる機会は、今回を逃せば後にも先にもありません。正直それだけでも、ネタバレを踏まないために公開日初日の最速上映に行きたくなるほどの訴求力がありますし、実際にネット上では「絶対見にいく」「楽しみ」といった声も見受けられます。
そうして最速で鑑賞した人たちの反応いかんによっては、まさにこの宣伝方法の理想系である公開後の爆発的な口コミによる盛り上がりも生じ得ることでしょう。また、それを狙っての宣伝方法だとしたらさぞ内容にも自信があるのだろうと、公開に向けて鑑賞者の期待もより一層高まっていきそうです。
このように本作の宣伝方法は、近年かつてないほど興収100億円突破作品が続出し、アニメ映画の勢いがある中で、上手くいけば上記のように、鑑賞者の口コミに後押しされた大きな盛り上がりを生む可能性も持っています。しかしその一方で、これほどまで情報が制限され、あらゆるメディアでその話題を目にする機会が少ない中では、いくら宮崎駿監督作品とはいえ、一歩間違えれば上映されていることにさえ気づかない人が出てきてしまう事態も十分にあり得るでしょう。
こうしたある意味公開後の口コミによる盛り上がりに“全振り”された、他の作品ではなかなかまねできない、ジブリの宮崎駿監督作品だからこそできる今回の宣伝方法は果たしてどう作用するのか、映画の内容に加え、その結果にも世界中から注目が集まりそうです。
こあらい・りょう=KDエンタテインメント所属、北海道大学大学院国際広報メディア・観光学院博士課程在籍。毎週約100本以上(再放送、配信含む)の全アニメを視聴し、全番組の感想をブログに掲載する活動を約10年前から継続しつつ、学術的な観点からもアニメについて考察・研究し、大学や専門学校の教壇にも立つ。アニメコラムの連載をする傍ら、番組コメンテーターやアニメ情報の監修で番組制作にも参加している。
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