解説:「もののけ姫」 タイトルに“姫”とあるが主人公は青年アシタカ 石田ゆり子がサンの声を担当 興収200億円超の大ヒット作

劇場版アニメ「もののけ姫」の一場面 (C)1997 Studio Ghibli・ND
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劇場版アニメ「もののけ姫」の一場面 (C)1997 Studio Ghibli・ND

 1997年に公開されたスタジオジブリの劇場版アニメ「もののけ姫」(宮崎駿監督)が7月21日、「金曜ロードショー」(日本テレビ系、金曜午後9時)枠で放送される。本編ノーカット版の放送を前に、作品の概要を解説する。

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 ◇構想16年、製作期間3年をかけた大作

 「もののけ姫」は、宮崎駿監督が原作・脚本も手がけた作品で、自然と人間の共生がテーマ。

 室町時代の日本を舞台に、村を襲ったタタリ神を退治した際に、死の呪いをかけられた青年アシタカが、犬神に育てられた少女サンと出会い、やがて荒ぶる神々と人間との壮絶な戦いに巻き込まれていく。

 タイトルに“姫”とあるが、主人公はアシタカで、サンはヒロインという役どころだ。

 松田洋治さんがアシタカ、石田ゆり子さんがサン(とカヤの二役)の声を担当したほか、田中裕子さん、小林薫さん、森光子さん、美輪明宏さん、森繁久彌さんらが声優として出演した。同名の主題歌は、作詞を宮崎監督が、作曲・編曲は音楽担当の久石譲さんが手がけ、米良美一さんが歌っている。

 構想16年、製作期間3年をかけた大作。1997年に公開されると、当時の日本映画の歴代興行収入記録を塗り替えた。現在はリバイバル上映分も加えて201億8000万円を記録。これは、スタジオジブリの作品としては、2001年に公開された「千と千尋の神隠し」の316億8000万円に次ぐ2番目の記録で、国内歴代興収ランキングでは7位にランクインしている。

 ◇死の呪いをかけられたアシタカは西へと向かう

 北の果てに住むエミシ一族の青年アシタカ(松田さん)は、“タタリ神”に姿を変えたイノシシから村を守るためにタタリ神に矢を放ち、死の呪いをかけられてしまう。

 村の巫女(みこ)のヒイさま(森さん)は、西に呪いを絶つ方法があると預言する。旅に出たアシタカは、道中で出会った謎の男、ジコ坊(小林さん)から精錬所“タタラ場”とすべての生命を司る“シシ神の森”について話を聞く。タタリ神となったイノシシの体から出てきた鉄の玉がタタラ場で作られたものと考えたアシタカは、タタラ場を目指して西へと向かう。

 そんな中、犬神に襲われ川岸に倒れていた甲六(西村雅彦さん)を救出したアシタカは、犬神のモロの君(美輪さん)に育てられた少女サン(石田さん)と出会う。人間を嫌うサンから森を去るよう言われ、甲六が働くタタラ場へと向かうことに……。

 タタラ場を率いるエボシ御前(田中さん)はアシタカを歓迎する。エボシは、女性や病人など世間からさげすまされている人間が生きていくための独自のコミュニティーを築いていた。その目的を果たすために森を切り倒したことから、サンと犬神の怒りを買っていた。

 ある夜、エボシへの復讐(ふくしゅう)に燃えたサンがタタラ場を襲撃。2人の戦いを止めようとしたアシタカは、暴発した石火矢の銃弾を受けるが、傷ついたサンをなんとかシシ神の森へ送り届けようとする。だがその後、力尽きて意識を失い……。

 ◇全高2.8メートルの「モロの君」と出会うことも

 現在、「モロの君」のオブジェが、日本テレビタワー(東京都港区)2階ロビーに展示されている。

 モロの君は、シシ神の森を守護している犬神。人間の言葉を理解し、人間がいけにえとして自分にささげたサンを、2頭の山犬と共に娘として育てた。美輪さんが声を担当し、「黙れ小僧! お前にあの娘の不幸が癒やせるのか!!」といった名ぜりふも話題になった。

 オブジェは全高約2.83メートル、横幅約2.3メートルで、展覧会「金曜ロードショーとジブリ展」で展示されているものと同じサイズ。撮影可能で、単体での撮影はもちろんオブジェの正面に立って、公式ポスターのサンと同じポーズで撮影することもできる。9月1日まで平日(8月5、6日は休日も)午前9時~午後8時に公開。

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