屋根裏のラジャー:スタジオポノック最新作 人間ではない少年を表現するために 皮膚の質感にこだわり

劇場版アニメ「屋根裏のラジャー」の製作報告会見の様子
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劇場版アニメ「屋根裏のラジャー」の製作報告会見の様子

 劇場版アニメ「メアリと魔女の花」(米林宏昌監督)などで知られるスタジオポノックの長編アニメ「屋根裏のラジャー」(百瀬義行監督、12月15日公開)の製作報告会見が8月21日、帝国ホテル(東京都千代田区)で開催された。同作を手がける西村義明プロデューサー、百瀬監督が登場し、制作の裏側を語った。

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 同作は、英作家のA・F・ハロルドさんの児童文学「The Imaginary」が原作で、少女の想像から生まれたイマジナリと呼ばれる“誰にも見えない少年”ラジャーと仲間たちが、愛する人と家族を救うために冒険を繰り広げる。「もののけ姫」「千と千尋の神隠し」などのスタジオジブリ作品に携わり、劇場版アニメ「二ノ国」を手がけた百瀬さんが監督を務める。

 西村プロデューサーは、同作は「人間の想像から生まれた友達、人間ではない少年が主人公」と説明し、イマジナリという存在をアニメで表現することが挑戦だったという。「この物語を実写で作ろうとした時にバカバカしいものになってしまうかもしれない。また、CGで作ると、想像の少年を描ききれないかもしれない。僕たちの表現手段である手描きアニメーションでも難しいと思った」と話し、「イマジナリが生きたという実感が欲しかった。そんな時にそれを表現できる技術を見つけた」と語った。

 その技術について百瀬監督は「具体的には皮膚の質感」といい、「肌の下には血管があり、肉があり、骨がある。太陽にかざせば赤くなる。それをアニメーションで表現できないかと。そうした表現に興味がありましたし、追求できたらと。今回それが実現できた」と手応えを語った。

 会見では、メインキャストも発表され、俳優の寺田心さんが主人公の少年・ラジャーの声優を務めることが分かった。鈴木梨央さん、安藤サクラさん、仲里依紗さん、山田孝之さん、高畑淳子さん、イッセー尾形さんが声優として出演することも発表された。鈴木さんがラジャーを生み出した少女アマンダ、安藤さんがアマンダの母・リジー、仲さんがイマジナリの町でラジャーが出会う少女・エミリ、山田さんが怪しげな猫・ジンザン、高畑さんがアマンダの祖母・ダウンビートおばあちゃん、イッセー尾形さんが謎の男、ミスター・バンティングをそれぞれ演じる。

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