NHKの連続テレビ小説(朝ドラ)の常連俳優で、自ら脚本・演出を務める劇団「PM/飛ぶ教室」を主宰していた蟷螂襲(とうろう・しゅう)さんが10月24日、脳梗塞(のうこうそく)のため死去した。65歳。所属事務所が公式サイトで発表した。故人の意向で葬儀はすでに家族葬で執り行ったという。
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劇団「PM/飛ぶ教室」のサイトでは「当劇団の座長であり、脚本家・演出家、そして役者でありました蟷螂襲が2023年10月24日に永眠いたしました。劇団旗揚げから約30年、みなさまからいただきましたご厚情に心より感謝し、ここにご報告させていただきます。劇団員一同これからも、蟷螂襲が紡いだ言葉たちを大切にしてまいります」と伝えた。
蟷螂さんは1958年10月21日生まれ、兵庫県尼崎市出身。1979年、関西のアングラ劇団「劇団犯罪友の会」で役者を始め、作家・演出家・俳優のわかぎゑふさんに誘われて、作家の中島らもさんが主宰していた「笑殺軍団リリパットアーミー」に入団。1992年ごろには、関西ローカルのテレビドラマ「新・部長刑事 アーバンポリス24」(ABCテレビ)に、刑事の三原文治役でレギュラー出演した。1994年から劇団「PM/飛ぶ教室」を主宰。
朝ドラには、「だんだん」(2008年)の入院患者・牛島役で初出演。その後、「てっぱん」(2010年)ではお好み焼き屋の常連の中松、「カーネーション」(2011年)では病院の事務局長・香川、「純と愛」(2012年)では不動産業オーナーの西小路、「ごちそうさん」(2013年)では乾物屋店主の定吉、「マッサン」(2014年)では樺太帰りの従業員(役名なし)、「べっぴんさん」(2016年)では陶器職人の武藤、「まんぷく」(2018年)では刑務所の囚人(役名なし)、「おちょやん」(2020年)では乞食(こじき)のリーダー・小次郎役で出演。
今年3月まで放送されていた「舞いあがれ!」では、主人公・岩倉舞(福原遥さん)が生まれ育った東大阪の町工場の社長・曽根を演じ、「むちゃ言うな、アホ!」という“ええ声”のせりふが話題になった。