名探偵コナン
#1146「汽笛の聞こえる古書店4」
12月21日(土)放送分
「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載中の芥見下々(あくたみ・げげ)さんのマンガが原作のテレビアニメ「呪術廻戦」の第42話(第2期・第18話)「理非」が、MBS・TBS系で11月23日に放送された。同エピソードでは、絶望的な状況へと追い込まれる虎杖悠仁、限界を迎えながらも必死に立ち向かう七海建人の姿が描かれた。虎杖役の榎木淳弥さん、七海役の津田健次郎さんが収録の裏側を語った。
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榎木さん スタッフさんにマイクの位置を調整してもらい、感情が入り込みやすいように環境を整えてもらいました。四つんばいになりながらアフレコしたシーンもありました。今まで他人のために戦ってきたと思っていたけれど、結局自分のためだったと気付く瞬間があったり。その中で、「生きてて良い」と言ってくれた人たちを皆殺しにしてしまい……。虎杖の追い詰められた絶望をヒシヒシと感じながら演じたことを覚えています。僕は虎杖を、「他者を助けて自分の価値を得ようとしている人」だと捉えていて、そのために呪術師として活動してきたのに、結局、周りに迷惑をかけてしまっているという“矛盾感”を出せたら良いと思いました。
津田さん 「渋谷事変」で七海は追い込まれてばかりですよね。激しい戦いを繰り広げてはいるのですが、七海の心の中はとても静かなものだと僕は感じていました。心の中では、どこか自分の結末に腹をくくっているような。しかし、その激しく揺れない感情の中で、虎杖に後を任せてしまうという葛藤はあったと思います。
榎木さん やはり、七海の最期でしょうか。虎杖にとって、もう一人の先生のような存在だったので、そんな人物が目の前で敗れる姿を見ての怒りは相当なものだったと思います。また、僕にとってはディレクションとの兼ね合いも難しい回でした。七海と真人が対峙(たいじ)しているところを発見した時に、「ナナミン」と言うせりふを「静かに言ってほしい」と言われて。監督と何度か打ち合わせを重ね、調整していきました。
津田さん 先ほど言った通り、七海の静かな心情を意識することを心がけました。その中での、「あとは頼みます」と虎杖に託す際の一瞬の揺れ。安心して任せるのではなく、虎杖にとって“呪い”の言葉になるとわかっていても言わなければならない葛藤をあの一言に込めました。
津田さん 「虎杖君はもう、呪術師なんですから」。虎杖を一人前の呪術師として認めた一言ではあるものの、七海自身は呪術師を良いものだとは思っていないので、複雑ですよね。呪術師として生きるのならば、これから先必ず人を殺すし、近しい人、もしくは自分が死ぬことだってある。そういうのを含めての言葉だったので、印象に残っています。
榎木さん 僕もそのシーンは気に入っています。虎杖は第1期で「死にたくない」みたいなことを言っていますけど、第2期では「別に俺は死んでもいい」と言っているんですよね。七海のその言葉によって呪術師の役割を理解し、自分が助かることではなく、死ぬことで何かを得ようとするという考えに変わったのだと思いました。
榎木さん 津田さんには公私ともにお世話になりっぱなしです。本当、尊敬の念しかないです! 映像の現場でも活躍されている方なので、アフレコ現場でも表現の苦しみみたいなものを表に出してくれるんですよね。自分の解釈と制作側の意見が割れることもあるのですが、その都度話し合い調整しつつ「なんとか良い作品を作りたい」という思いが伝わってきます。良いものを作るためには苦しまなければいけないということを、見て学ばせてもらっています。
津田さん そう言ってもらえて、本当にありがたいです。そういう榎木君も、お芝居が好き……というか「自分には芝居しかない」という気概が伝わってきます。とても真摯(しんし)に作品、芝居に向き合っているので、話しているとそのエネルギーが伝わってきて、自分も頑張らなければと思わされます。
榎木さん ありがとうございます!
榎木さん 宿儺によって多くの人を殺めてしまい、絶望に打ちひしがれる虎杖。これからどう行動していくのかが見どころとなってくるので、彼がどんな方向に進んでいくのか、ぜひ、オンエアを見て確かめてください。
津田さん 「渋谷事変」はいろいろな場所でそれぞれのドラマが繰り広げられていて、本当に濃密な物語になっています。これからはさらに見る人の感情を揺さぶる物語へとドライブしていきますので、最後まで注目してください。
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