ブギウギ:ワンシーンながらも鮮烈な印象残した“李香蘭”昆夏美 「夜来香」歌唱シーンに草なぎ剛も感動 実名で登場したワケは?

NHK連続テレビ小説「ブギウギ」で李香蘭を演じる昆夏美さん (C)NHK
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NHK連続テレビ小説「ブギウギ」で李香蘭を演じる昆夏美さん (C)NHK

 俳優の趣里さんがヒロインを務める2023年度後期のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ブギウギ」(月~土曜午前8時ほか)。第65回(1月4日放送)では、ミュージカル俳優の昆夏美さん演じる歌手の李香蘭(りこうらん)が登場し、「夜来香(イエライシャン)」を歌唱した。同シーンの裏話や、李香蘭を演じた昆さんの魅力について、制作統括の福岡利武さんに聞いた。

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 ◇少ない練習時間でも圧巻の歌声 「さすがミュージカルスター」

 第65回は、羽鳥(草なぎ剛さん)が音楽監督を務めた上海での音楽会は無事成功。中でも、ブギのリズムを取り入れた「夜来香ラプソディー」は大好評だった。「こんなに素晴らしい仲間と、もう一緒に音楽ができないなんて、本当に残念だよ」と別れを惜しむ羽鳥は、李香蘭に「最後にもう一度『夜来香』を歌ってもらえませんか?」と頼む。李香蘭は「もちろんです」とほほ笑むと、見事な歌声で「夜来香」を歌い上げた。

 この場面を振り返り、福岡さんは「昆さんのことはミュージカルなどで拝見しておりまして、歌が本当にすてきですし、『ブギウギ』のヒロインオーディションも受けていただいて、とても魅力的な方だと思っていました。非常にお忙しい方ですが、どこかで出演してもらえたらいいなと考えていたんです。1話だけの登場ではありますが、非常に印象に残る歌を披露していただきました」と語った。

 圧巻の歌声を披露した昆さんだが、「歌の練習はびっくりするぐらい少なかった」といい、「さすがミュージカルスター。歌の習得も非常に早かったです」とたたえた。

 「上海という設定で外国人のエキストラの方を入れて撮影しましたが、しっかり歌を作り込んできていただいたので、歌のシーンが終わっても拍手が鳴り止まないくらいでした。短い出演ではありますが、昆さんにもすごくやりがいを感じていただいて『楽しかったです』とおっしゃっていただいた笑顔が印象的でした。草なぎさんも惜しみない拍手を送っていらっしゃいましたし、上海にいるような気分になって良かったと話されていました」

 ◇李香蘭はなぜ実名?

 「ブギウギ」は、「東京ブギウギ」や「買物ブギー」などの名曲を歌った戦後の大スター・笠置シヅ子さん(1914~85年)が主人公・福来スズ子のモデルだが、スズ子をはじめ、作曲家・服部良一さんがモデルの羽鳥善一など、劇中ではモデルとなった人物の実名は使用していない。そんな中、上海のエピソードに登場する李香蘭、浩歌(ハオゴー)さん演じる黎錦光(れい・きんこう)は、実名で登場する。

 その理由について、福岡さんは「短いエピソードではありますが、実際のエピソードを元にしています。このシーンを大事にしたかったという思いが強かったこと、『夜来香』がよく知られている曲ということもあって、ご本人をリスペクトさせていただきつつ、お名前を使用させていただいた」と明かした。

 また、上海でのエピソードをドラマの中で描くかについては、当初は迷っていたのだという。

 「上海での羽鳥善一のエピソードをやるかどうか、すごく難しいところで決めかねていました。ですが、『東京ブギウギ』という曲を生み出していく羽鳥をしっかりと描くにあたって、この上海でのエピソードは大事だなと思い、昆さんにワンシーンだけ登場していただくという、ぜいたくな使い方をさせていただきました。また、戦後の復興に懸ける思いを描く上でも必要ということで、『やろう!』ということになりました」と振り返る。

 羽鳥が生み出し、スズ子の代表曲となっていく「東京ブギウギ」。その名曲が誕生するきっかけの一つでもある上海でのエピソードを通して、羽鳥はますます感性に磨きをかけていく。そんな羽鳥と共に歌手として駆け上がっていくスズ子の姿から、今後も目が離せない。

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