名探偵コナン
#1146「汽笛の聞こえる古書店4」
12月21日(土)放送分
「BANANA FISH」などの内海紘子監督とアニメ制作会社MAPPAがタッグを組んだオリジナルテレビアニメ「ぶっちぎり?!」が、1月13日からテレビ東京ほかで放送される。「ヤンキー×千夜一夜物語」をテーマとしたアニメで、声優の大河元気さんが主人公・灯荒仁(ともしび・あらじん)、星野佑典さんが、荒仁のかつての親友・浅観音真宝(あさみね・またから)をそれぞれ演じる。荒仁は、真宝との再会をきっかけに強者たちの戦いに巻き込まれ、そんな中で巨大な“マジン”の影が現れる……という奇想天外なストーリーだが、大河さんは「そのワケの分からなさが作品の魅力」と語る。大河さん、星野さんに収録の裏側や、作品のキーワードの一つとなっている“本気(マジ)”エピソードを聞いた。
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大河さん ヤンキーものでマジンが出てきて、タイトルが「ぶっちぎり?!」となると、ワケが分からないと思うんです。皆様も「こんなストーリーなんじゃないか?」と想像すると思います。大体合っていると思います。ただ、PVなど新たな情報が出ると、より分からなくなるんじゃないかなと。放送がスタートしたら、「何の作品を見ているんだっけ?」というワケの分からなさがきっとあると思うんです。そこがこの作品の一番の魅力だと思っています。何か分からないけど、面白くて、1話があっという間に駆け抜けていく。ジェットコースターのように、乗っているのはそんなに長い時間ではないのに、なぜか印象には残る。そんな作品だと思っています。
星野さん 最初に、千夜一夜物語にヤンキーが関わってくるとなると、どうなるんだろう?と思いました。その二つの要素をどう調和させていくのだろうと。実際シナリオを読んでみると、個性豊かなキャラがすごく多くて、そのキャラたちが世界の中で生きて、動き回っていくので、キャラクターごとに楽しめる。全体的に、シナリオもそうですけど、僕はキャラクターにすごく魅力を感じていて、そこを見てほしいなと思いました。
大河さん 荒仁くんは、「自分がこうあってほしい」「こうしたい」という方向にはすごく妄想力が働くし、行動力もすごくあるんです。それが原因でいろいろな問題を引き起こしてしまうのですが、そういう部分を見ていると、僕自身、「分かるな」と共感できてしまう。
大河さん 僕自身は、変に考えるよりも「まず前に出てみよう」というところがあるんですけど、荒仁くんは、ヤンキーものの作品で、いろいろなチームが「てっぺんを目指すぞ!」と抗争している中、それに前のめりな主人公ではないんですよね。彼がその中でどう動いていくのかというのは、僕自身も見ていて新鮮です。その点だけ見ると自分と似ていないなとも思いますが、どこかでやっぱり共感できる部分もあって、演じていて、とても楽しいです。
星野さん 本当に優しくて、純粋で真っすぐな男の子という印象です。彼は自分のためにというより、人のために行動しているところがあって、そこはむしろ自分と似ているというよりは、尊敬できる一面だなと思います。自分と似ているところがあるとしたら、相手に対して自分の理想像を作り上げてしまうというか。真宝の中で、「あらちゃん(荒仁)はこういう人だ」と、作り上げた理想にその人を当てはめようとしてしまうところがあって。真宝も荒仁に対して、そのような思いを押し付けているとまでは言わないですけれども、向けている節があります。
大河さん とにかく小さくまとまらないということが、この作品においてはすごく大事だなと思っています。特に荒仁は、ほかの登場人物たちとは違うところを目指している男の子なので、彼が小さくまとまっちゃうと、作品自体も小さく見えてしまうので、常に気を付けるようにしています。もう一つ、真宝と荒仁の関係性もすごく大事。いまだにどう演じたらいいのだろう?と悩み続けています。自分を慕う真宝を荒仁が煙たがるシーンもあるのですが、ただ嫌っているように見えてしまう気もするので、お互いに気を使って、そう見えないようにと。そこに関しては、監督や脚本家、音響監督から演出をいただいて、より良いものを作ろうと話し合いながら収録をしているので、すごくすてきな空間だなと思いますね。
星野さん 真宝に関しては、彼の原動力の大部分があらちゃんへの大きな思いなので、そこは絶対に失わないように、大切して演じています。例えば、荒仁のクラスメートのまほろと真宝が二人きりで話すシーンがあるのですが、はたから見ると、美男美女がいい感じになっているような雰囲気に見える。ただ、そこは、真宝的にはあらちゃんのためにまほろと話す必要があるという場面なので、まほろの向こうにあらちゃんを見ている彼がいて……。
大河さん 怖いよ、怖すぎるよ(笑い)。
星野さん (笑い)。演出としては、いい感じの二人に見えるシーンではあったのですが、真宝はその向こうのあらちゃんを見ながら話しかけなきゃいけないみたいなところが、すごく難しかった記憶があります。
大河さん 先程も言った通り、荒仁と真宝が二人でしゃべるシーンはすごく繊細で難しい。ただ突っぱねているようには見えてほしくはないのですが、今の話を聞いても分かるように真宝が重いんですよ(笑い)。演じていても、「もういいよ」と、すぐ突っぱねたくなるんです。恐ろしいなと思っています。いつも「あらちゃん、あらちゃん」と慕ってくるので、「うるさいな!」と言うと、「それは怒りすぎ」というディレクションが入って、もう!となります(笑い)。ちなみに、今まさに星野くんが隣でしゃべっていて、「あ、真宝の声だ」と思ったんですよね。真宝は、それぐらい実直に思ってくれていて、だからこそ荒仁としては「嫌だな」という気持ちをどこかに持つことができる。そういう意味ではすごく助けられています。
星野さん 僕自身、この作品で大河さんと初めてお会いして、第1話で一緒にお芝居をして。真宝の中の思いはありつつも、大河さんが演じる荒仁を見て、感じていく中で、だんだんと大河さんがあらちゃんに見えてくるような……
大河さん もう怖いよ!(笑い)。
星野さん ……そんな感覚がどんどん芽生えてきまして。収録の時、あらちゃんが真宝に対して素っ気ない態度を取るシーンがあったのですが、大河さんはそんなつもりはないと思うんですけど、僕自身も大河さんに素っ気なくされているような錯覚に陥ってしまって、寂しくなっちゃった時があって。それぐらい大河さんと荒仁は、僕の中ではシンクロして見えている部分があるのかなと思っています。
大河さん うれしいですね。
大河さん 僕は30年間、続けている趣味がプラモデル作りなんです。僕の作るものだと、一つ完成させるのに大体150パーツ前後あるのですが、その一つ一つ全部にヤスリをかけるんです。何度も、何十回、何百回、何千回と。どれか一つでも手を抜くと、完成させた後に気付いちゃうんです。だから、常に本気でやらなきゃいけなくて、それを何カ月も何カ月も続ける。例えば、仕事で疲れていても、絶対に手は抜けないなと思ってやっています。これは仕事に対する考え方にもつながっていて、せりふ一つ一つに対して手を抜いちゃいけない、ここで手を抜くと後でオンエアを見た時に絶対後悔するぞと思えるようになりました。だから、この趣味が僕の本気の始まりなんです。
星野さん 僕も趣味の話になってしまいますけれども、最近、某格闘ゲームをやっているんです。その格闘ゲームでは、ランクマッチというポイントをためてランクが上がっていくシステムがあるんですけど、その一番上のマスターというランクまでたどり着きまして。そこまで行くと、有名ゲーマーやプロゲーマーがいるような環境になる。そんな環境で勝つためには、トレーニングモードでひたすら自分が使うキャラクターを鍛えて、それが終わったら今度は相手のキャラを調べて対策をしないといけない。そうした突き詰めていく作業をずっとやっていて、それが最近の一番マジになって打ち込んだことですね。
大河さん 「ぶっちぎり?!」の収録を本気でやっています。
星野さん そうです!
大河さん 真夏にスタジオの空調を限界まで温度を下げて収録していたのですが、それでも「暑い!」というくらいには、熱中していましたね。
大河さん 「ぶっちぎり?!」は、アフレコ台本が分厚いんですよ。そして、すごくカットが細かい。だからこそ、完成品はもっとすごいことになっている。僕らがアフレコの時に見た映像は完成前のものなのですが、それでもかなりインパクトのあるカットが多かったので、完成したものはどうなっているんだろう?と。そこはぜひ楽しみにしておいてほしいです。僕もすごく楽しみです。
星野さん アクションシーンに関しては、真宝が戦うシーンがあるのですが、アフレコの画(え)の時点で、本当に細かい描写をされていて、本当に感動しました。あと、僕自身、気になっているのは、キャラクターたちの衣装です。登場する3チームそれぞれが個性的な服装をしているんです。衣装の色合いやデザインを含めて、すごく楽しんでいただけると思います。
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2024年12月22日 17:00時点
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