ブギウギ:キングカズ長男・三浦りょう太の起用理由 「真っすぐな好青年」で“世代交代の象徴”にぴったり

NHK連続テレビ小説「ブギウギ」で柴本タケシを演じる三浦りょう太さん(C)NHK
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NHK連続テレビ小説「ブギウギ」で柴本タケシを演じる三浦りょう太さん(C)NHK

 趣里さんがヒロインを務めるNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ブギウギ」(総合、月~土曜午前8時ほか)で、スズ子(趣里さん)の新人マネジャー、柴本タケシを演じている三浦りょう太さん。朝ドラ初出演となる三浦さんが演じるタケシは、第104回(2月28日放送)で初登場すると、現場で居眠りをするなど“ポンコツ”ぶりを露呈するも、明るく元気で憎めないキャラクターだ。三浦さんの起用理由や現場での様子、タケシの存在意義などについて、制作統括の福岡利武さんに聞いた。

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 ◇六郎のオーディションに参加「雑談ですごく盛り上がった」

 三浦さんは、1997年9月5日生まれ、東京都出身。“キングカズ”の称号で知られるサッカーの三浦知良選手の長男で、2019年にドラマデビューを果たした。朝ドラに出演するのは今回が初めて。趣里さんと同じ芸能事務所「トップコート」に所属している。

 三浦さんは、黒崎煌代さんが演じたスズ子の弟、六郎のオーディションに参加したという。六郎は三浦さんの実年齢より大分若い年齢設定だったため、三浦さんより年下の黒崎さんが選ばれたが、福岡さんは、とにかく三浦さんのオーディションでの明るさが印象に残ったと振り返る。

 「とても明るくて好青年で。なんの話をしたかは思い出せないんですけれど、雑談ですごく盛り上がりました。親しみやすくて、真っすぐで、かっこつけないところが魅力だなと感じ、どこかで起用したいなという感覚が頭の片隅にあったんでしょうね」

 そして、ドラマの終盤で世代交代の話を描く際に、新マネジャーのタケシが登場することになり、「これ、三浦さんにいいんじゃないかなと思い浮かびました」と振り返る。

 「新マネジャーには真っすぐさみたいなところが大事だなという話になりまして、そこに(脚本の)足立紳さんがすごくお調子者な感じで書いてこられたので、そういう部分も含めて、三浦さんに演じていただけると、昭和っぽさもうまく出そうだなと」と感じてオファーした。

 するとタケシのキャラクターにぴたりとはまり、「ちょっと空回りして調子に乗る性格なんですけれど、新たなメンバーとしてとても魅力的で、今後の成長が楽しみになるキャラクターを演じていただいて、すごく良かったなと思っています」と手応えを感じている。

 ◇「三浦温泉」と書かれた作務衣風の私服で心をつかむ

 撮影での三浦さんは「本当に明るくて、一生懸命に誠実に演じていただいた」と福岡さんは回顧する。

 「途中からの参加ですし、いままで『ブギウギ』を見てきたのでドキドキするとおっしゃっていて、最初の方は緊張していたと思います」というが、「くしくもタケシも新参者で最初は緊張しているという状態なので、ドラマ的には面白く描けたのかなと思います」と自信をのぞかせる。

 現場での三浦さんは、「真っすぐな好青年で、すごく良い人。現場で愛されていました。本当に明るくて、大きな声で『おはようございます』とスタジオに入ってこられる。礼儀正しくて、しっかりとした人で、気持ちいいなと思って見ておりました」と絶賛する。

 また、「それでいて非常に面白くて。当初『三浦温泉』と書かれた作務衣(さむえ)みたいな私服を着てきまして。『そういうところで働いてるの?』と聞いたら、温泉があまりにも好きなので温泉で働いているふうの服を作ってみました、と。とても面白いなと思いました」を笑顔で振り返る。

 ◇若い人たちに働きかけるスズ子の姿を見せたかった

 ヒロインを演じる趣里さんとのコンビネーションは「事務所が一緒なのもあり、(趣里さんにとって)可愛い後輩という感じで、普段も楽しくお話しして、仲良くしていました」と明かす。

 その関係性は、スズ子とタケシの間柄にも通じるものがあるという。「タケシは第22週(2月26日~3月1日)ではスズ子から怒られてばかりですけれど、その底にはちゃんと愛があるといいますか、若い人を見捨てない、可愛がる面はうまく表現できたのではないかなと思います」と語る。

 スズ子のモデルとなった笠置シヅ子さんに若いマネジャーがついたという史実は確認できなかったが、「30代になった笠置さんは、このくらいの時期に若い役者さんや歌手の方の相談に乗ったり、熱心に教えたりされていました。若い人たちに働きかけるスズ子をこのあたりで見せられるといいなということで、家族がテーマでもありますし、マネジャーというスズ子に近い存在で象徴的に見せられるのではないかなと考えました」と2人の関係性を描いた意図を説明する。

 第106回(3月1日放送)でスズ子の「買物ブギ」のステージを見たタケシは、感銘を受け、スズ子についていくことを決心する。

 「三浦さんはステージの袖から実際に見て、その迫力といいますか、すごみを感じて『趣里さん、すごい』と熱く語っていました。三浦さんは素直なので心から感じたリアクションが出たんでしょうね。趣里さん的にはお客さんをいかに盛り上げるかということに集中して、一生懸命に歌ったと思いますけれど、そこをタケシ(役の三浦さんが)がしっかり(背中を)見ることが大事だとちゃんと伝わっていたと思います」

 こうして正式にスズ子のマネジャーとして歩み出したタケシ。放送も残り1カ月となったが、娘の愛子(小野美音ちゃん)や家政婦の大野(木野花さん)、元マネジャーの山下(近藤芳正さん)も含めて“家族”となったスズ子とタケシのこれからを最後まで見届けたい。

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