私のはじめて:吉本実憂「今の自分が役に没頭できるのは、その経験があったから」 「罪の余白」で“いじめるエクササイズ”

“はじめての悪女”の思い出を語った吉本実憂さん
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“はじめての悪女”の思い出を語った吉本実憂さん

 今をときめくスターやアーティストにも、初出演、初イベント、初ライブなど必ず存在する“はじめて”のとき。そんな未経験ならではのドキドキの瞬間から、印象深い出来事、ほろ苦さまでを、本人に振り返ってもらうのが「私のはじめて」です。連続ドラマ「消せない『私』―復讐(ふくしゅう)の連鎖―」(日本テレビ)での演技も話題の吉本実憂さんに“はじめての悪女”の思い出を語ってもらいます。

ウナギノボリ

 ◇初めての悪女役で経験 「作品のためにはこれくらいやらないと」

 このお仕事を始めたときは、自分の話を聞かれることも、写真を撮られることも、ドレスを着たり、ヒールを履いたりすることも、せりふを言うってこともすべてが初めてだったのですが。17歳くらいのころ「罪の余白」という映画で、内野聖陽さんと対立する、スクールカーストの頂点のような役をやらせていただいて。初めての悪女役で、1カ月、リハーサルの期間があって、そのときに“いじめるエクササイズ”をやったんです。

 それまでもお芝居のレッスンや、映画の出演はあったのですが、役の作り方、その引き出しが全くないときで。冷静に、どうやったら相手が傷つくか、分かっていながらその言葉を発する役柄だったのですが、それを素でできるようになるためのエクササイズ。最初は内野さんに対して申し訳ない気持ちがあったのですが、監督の熱量に影響されて。これは作品のためだ、作品のためにはこれくらいやらないと役は入ってこないってことを初めて学ばせていただきました。

 そこからせりふ覚えよりも、脚本への理解度を深めることや、役作りそのものにすごく時間をかけるようになって。今の自分が役に没頭できるのは、その経験があったからだと思います。

 ◇プロフィル

 よしもと・みゆ 1996年12月28日生まれ、福岡県出身。2012年、「第13回全日本国民的美少女コンテスト」でグランプリを受賞。NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」(2014年)、NHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」(2016年)などにも出演。2020年公開の映画「瞽女~GOZE~」 で「第30回日本映画批評家大賞」新人女優賞(小森和子賞)、「透子のセカイ」で「第9回ニース国際映画祭」最優秀外国映画主演女優賞などに輝いた。今後の出演作に、映画「室町無頼」(2025年1月17日公開予定)が控える。

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