解説:「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」 逸材ぞろいだった有村架純の8年前“月9” 後の朝ドラヒロイン続々

有村架純さん
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有村架純さん


 7月から放送される「海のはじまり」(フジテレビ系、月曜午後9時)で、8年ぶりに“月9”ドラマに出演することで話題の有村架純さん。有村さんが8年前に出演した「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう(いつ恋)」は、後に朝ドラヒロインの座を勝ち取り、現在も大活躍している人気俳優たちが気鋭の若手としてみずみずしい演技を披露した作品としても知られている。ここでは「いつ恋」に出演した、後の朝ドラヒロインを振り返りながら、現在の活躍を紹介する。

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 「海のはじまり」は、「Snow Man」の目黒蓮さんが主演を務め、脚本を生方美久さん、演出を風間太樹さんらが担当し、プロデューサーを村瀬健さんが務めるオリジナル作。目黒さん演じる主人公・月岡夏が大学生だった時に付き合っていた交際相手で、別れて以来、7年も会っていなかった水季の死をきっかけに、自分と血がつながっている娘、海(泉谷星奈ちゃん)の存在を知ったことで人生が変化していく物語。有村さんは、月岡夏と交際中の恋人、百瀬弥生を演じる。

 そんな有村さんが、8年前に出演した「いつ恋」は、有村さん、高良健吾さんがダブル主演を務め、有村さんにとっては、地上波連ドラ初主演作ともなった記念すべき作品だ。有村さん演じる杉原音、高良さん演じる曽田練ら6人の若者が、東京という街にのみ込まれそうになりながらも必死に生きようとする姿や恋をリアルに描いており、SNSなどを中心に盛り上がりを見せた。プロデューサーを村瀬さんが務め、脚本も生方さんが尊敬してやまない坂元裕二さんと、「海のはじまり」との縁も感じさせる。

 数々の試練に見舞われながらも優しい心を持ち続ける主人公の音を演じた有村さん。NHK連続テレビ小説(朝ドラ)「あまちゃん」で、小泉今日子さんが演じたヒロインの母親・天野春子の若かりし頃を演じ、ジブリ作品「思い出のマーニー」のマーニー役、主演映画「映画 ビリギャル」の金髪ギャル役・工藤さやか役で話題を呼んだタイミングだった。そして「いつ恋」出演から1年後、朝ドラ「ひよっこ」(2017年度前期)で朝ドラヒロインの座を射止めた。

 「いつ恋」キャストの中で、最初に朝ドラヒロインを務めたのは、練の恋人ながら、後半には音と練の間で奮闘する日向木穂子を演じた高畑充希さんだ。ミュージカル「ピーター・パン」に「奇跡の人」と舞台で活躍しつつ、ドラマではバイプレーヤー的な役どころが多かったが、「いつ恋」放送直後の朝ドラ「とと姉ちゃん」(2016年度前期)ではヒロインを務め、「過保護のカホコ」(日本テレビ)「にじいろカルテ」(テレビ朝日)と押しも押されもせぬ主演女優の仲間入りを果たしている。

 6人のメインキャスト以外にも、後の朝ドラヒロインが存在する。「半分、青い。」(2018年度前期)で朝ドラヒロインを務めた永野芽郁さんも「いつ恋」に出演。当時高校生だった永野さんだが、音が働く介護施設の同僚、船川玲美を好演。職場のブラックな環境を「わたしたちって消耗品なんですか?」と訴えるさまは、視聴者の胸を打った。「半分、青い。」の後も、さまざまな作品に主演。今年1月期の「君が心をくれたから」で“月9”主演を果たしている。

 そして、高畑さんが主演を務めた「とと姉ちゃん」に続いて放送された「べっぴんさん」(2016年度後期)でヒロインを務めた芳根京子さんも「いつ恋」に出演している。芳根さんが演じた明日香は物語の終盤に登場。奈良から東京に出てきたばかりで、かつての音をほうふつとさせる役どころで、音は明日香を助けようとして最大のトラブルに巻き込まれるというキーパーソンだ。第9話、最終話とわずか2話のみの登場だったが、さすがの存在感を示した。

 実に4人もの朝ドラヒロインが出演していた「いつ恋」。男性キャストも坂口健太郎さん、高橋一生さん、葉山奨之さんなど逸材が出演していた。有村さんの8年ぶり“月9”となる「海のはじまり」にもまた後世の逸材が出演するのだろうか。期待を持って見つめていきたい。

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