解説:「女子ーズ」公開から10年 ブレークしすぎて「続編不可能」な5人の“戦隊ヒロイン”を振り返る

「女子ーズ」のビジュアル
1 / 1
「女子ーズ」のビジュアル

 後の朝ドラヒロインをはじめとした5人の俳優が戦隊ヒロインを演じた意欲作「女子ーズ」(福田雄一監督)の公開からちょうど10年がたった。ここでは「女子ーズ」に出演した時の役どころを振り返りながら、現在の活躍を紹介する。

ウナギノボリ

 「女子ーズ」は「勇者ヨシヒコ」シリーズなどで話題を集めていた福田監督がメガホンを取った特撮コメディーとして2014年6月7日に公開。世界征服を企み、地球に襲いくる邪悪な怪人を倒すため、5人の女性が「レッド」「ブルー」「イエロー」「グリーン」「ネイビー」からなる「女子ーズ」となり、疑問を感じながらも、マイペースで世界の平和を守るというストーリーだ。「女子ーズ」を指揮する司令官・チャールズを佐藤二朗さんが演じているほか、安田顕さん、ムロツヨシさんら福田作品おなじみの面々も出演している。

 真面目な性格のリーダー「レッド」こと、建設会社に勤める赤木直子を演じたのは桐谷美玲さん。「女帝 薫子」(テレビ朝日)での主演抜てきをはじめ、“月9”「夏の恋は虹色に輝く」(フジテレビ系)、NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」をはじめとした数々の話題作に出演し、「NEWS ZERO」(日本テレビ)の曜日キャスターやモデルとしても人気を博していた。「女子ーズ」の後も“月9”「好きな人がいること」、ヒットした映画「ヒロイン失格」などで主演を務めた。現在は「好きな人がいること」で共演した三浦翔平さんと結婚し、「news every.」(日本テレビ)のキャスターも務めている。

 ストレートな物言いが特徴の「ブルー」こと毒舌ギャルの青田美佳を演じたのは藤井美菜さん。カーリングをテーマにした映画デビュー作「シムソンズ」や、主演を務めたホラー映画「恐怖」が話題を呼んだほか、海外での活動も精力的に展開。「私たち結婚しました」の世界版、韓国と中国の合作映画「もっと猟奇的な彼女」、韓国ドラマ「ドクター探偵」などに出演。長年にわたってヤクルトのCMにも出演していたほか、「相棒22」(テレビ朝日)「正直不動産2」(NHK)にも出演していた。

 超貧乏でバイトを掛け持ちし、グループの中ではツッコミ役を務めた「イエロー」ことフリーターの黄川田ゆりを演じたのは高畑充希さんだった。ミュージカル「ピーター・パン」に「奇跡の人」と舞台で活躍。“月9”ドラマ「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう(いつ恋)」(フジテレビ)直後の朝ドラ「とと姉ちゃん」(2016年度前期)ではヒロインを務め、「過保護のカホコ」(日本テレビ)「にじいろカルテ」(テレビ朝日)と出演作の途切れない人気ぶりだ。

 7月から放送される“月9”ドラマ「海のはじまり」(フジテレビ)でヒロインを演じるなど、これまた作品が途切れない有村架純さんも「女子ーズ」の一員だった。有村さんが演じた「グリーン」こと緑山かのこは、演技がクサすぎていい役をもらえない劇団員。感動屋で優しいしゃべり方だったが、後半で別の本性が垣間見えるというキャラだった。高畑さんも出演した「いつ恋」で高良健吾さんとダブル主演を務め、その1年後、朝ドラ「ひよっこ」(2017年度前期)で朝ドラヒロインの座を射止めた。

 なぜか「ブルー」と同系色の「ネイビー」として採用された紺野すみれを演じたのは山本美月さんだ。実家が財閥のお嬢様キャラだが、好きになる男の趣味が悪いという役どころを好演。その後も「モンテ・クリスト伯 -華麗なる復讐-」(フジテレビ)や映画「貞子vs伽椰子」「ピーチガール」「ザ・ファブル」など数々の作品に出演。「HOPE~期待ゼロの新入社員~」(フジテレビ)、「パーフェクトワールド」(カンテレ)で共演した瀬戸康史さんと2020年に結婚している。

 当時のインタビューで、続編の話になると、5人は「毎週やりたい!」と口をそろえ、「朝だと下ネタが言えないから、深夜だね」や「戦いのシーンはまとめ撮りでね」などと具体的にプランを立てて、盛り上がっていたものだった。そこから10年がたった現在、「続編不可能」と言われるほど、ブレークした5人のフレッシュな姿と演技を見返してみては。

映画 最新記事