東京P.D. 警視庁広報2係
第10話 刑事部VS公安部!再捜査なるのか迫る時効
3月31日(火)放送分
故・田村正和さん演じる刑事・古畑任三郎が、完全犯罪をもくろむ犯人たちの難解なトリックを、卓越した推理力で解いていくフジテレビの人気ドラマシリーズ「古畑任三郎」。30周年を記念して、5月にスタートしたフジテレビでの再放送(平日午後1時50分)もついにフィナーレを迎える。再放送にもかかわらず「オチ覚えていたけど面白かった」などと話題を呼んだ本作。長く愛される理由として、豪華キャストや三谷幸喜さんの秀逸な脚本に加え、「倒叙ミステリー」という物語のつくりについて考えてみたい、
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「古畑任三郎」は、田村さん演じる主人公の刑事・古畑任三郎が、完全犯罪をもくろむ犯人たちの難解なトリックを、卓越した推理力で解いていく人気ドラマシリーズで、1994年に「警部補・古畑任三郎」としてスタート。連続ドラマとして3シーズン続いたほか、数々のスペシャルやスピンオフも制作された。山口智子さんがゲスト出演した第2シーズンのスペシャル「しばしのお別れ」の平均視聴率(世帯)は、シリーズ最高の34.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録するなど、空前の大ヒットを巻き起こした。
人気の理由として挙げられるのは、中森明菜さん、イチローさん、「SMAP」といった時代を彩った豪華ゲスト。そして、既に「やっぱり猫が好き」「振り返れば奴がいる」などで高い評価を受けていた三谷さんの手による軽妙な会話劇だろう。
そして、それらの要素と並んで作品が色あせない理由だと考えられているのが、「倒叙ミステリー」という手法だ。事件が起こり、探偵役が捜査して終盤で犯人を突き止めるという一般的なミステリー、サスペンスとは異なり、先に犯人と、その犯行の一部始終を視聴者に見せた後で、探偵役が犯人とのやりとりによって謎を解き明かしたり、犯人のミスを誘って事件を解決に導いていくスタイルだ。海外ドラマ「刑事コロンボ」や現在放送中の「イップス」(フジテレビ系、金曜午後9時)なども同じ倒叙式の構成となっている。映画「容疑者Xの献身」なども倒叙的な要素を含んでいる。
ミステリーの大きな要素である「誰が?」「なぜ?」「どうやって」の中で、「誰が?」といういわゆる“大オチ”をあえて最初に明かしてしまう手法だが、その分、後々の記憶には、例えば「犯人は“キムタク”」という“結果”よりも、「“キムタク”が古畑に殴られたシーン」といった“過程”の方が残りやすい。終盤で犯人が判明するタイプの連続ドラマは、後で振り返っても犯人を思い出した時点で見ないまま満足してしまうことも多いが、倒叙式の場合はおぼろげな記憶に残った名シーンを再確認したいという動機も生まれやすい。
倒叙式の作品は、読者が“大オチ”を知っている“神の視点”にあるため、感情移入がしづらいとして抵抗のあるミステリーファンが一定数いるのも確かだ。しかし、「古畑任三郎」は前述の豪華ゲストや練り込まれた展開も相まって色あせないヒット作として不動の地位を築くことになったといえるだろう。TVerやFODではまだ見られる作品も多い。改めて不朽の名作の数々を楽しみたい。
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