全領域異常解決室
第7話 すべてお話します 物語はここから始まった
11月20日(水)放送分
ドラマからドキュメンタリー、バラエティー、アニメまで、さまざまなジャンルのテレビ番組を放送前に確認した記者がレビューをつづる「テレビ試写室」。今回は、6月30日午後9時に放送される、高橋一生さん主演の「テレビ朝日ドラマプレミアム『ブラック・ジャック』」だ。
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いわずと知れた手塚治虫の名作医療マンガの実写化で、法外な治療費と引き換えに、どんな手術も成功させる無免許の天才外科医ブラック・ジャックの活躍を描く。今回約24年ぶりのテレビドラマ化となり、過去には加山雄三さんや本木雅弘さんらが務めてきたブラック・ジャックを、高橋さんが演じる。
物語は、手塚プロダクション監修のもと制作され、同プロが「B・Jの本質を一番表している」と語る第1話「医者はどこだ!」を軸に、さまざまな原作エピソードを凝縮したストーリーとなる。
主演の高橋さんは、一見アウトローなブラックジャックの「不気味さ」「クールさ」、それでいて子供など弱者に対して見せる「愛情」をうまく表現していると思えた。高橋さんは今作のインタビューで「高橋一生という同じ人間が演じる以上、視聴者の方は露伴(NHKでの主演ドラマシリーズ『岸辺露伴は動かない』の主人公)を思い出してしまうかもしれない」と不安を口にしていたが、受ける印象は異なり、少なくとも筆者はそのようには感じなかった。
奇病「獅子面病」に苦しむ患者・六実えみ子役で登場する松本まりかさんの演技は素晴らしかった。美しい顔が変わってしまったために、夫からも冷たくされる、えみ子の絶望感を見事に表現。彼女の長ぜりふのシーンには思わず目を奪われた。
常にひょうひょうとしており、本心をあまり見せないブラック・ジャック。だが、安楽死を請け負うライバル医師・キリコ(石橋静河さん)には感情をあらわにする。「命」に対しての考え方の違う2人。ラスト、キリコに対して放つ言葉に、彼の医師としての信念が垣間見えた。
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