薬屋のひとりごと:初の海外イベント キャラデザ、色彩設計の裏側 「壬氏は“とにかく美人”」

「薬屋のひとりごと」のイベント「The Apothecary Diaries SPECIAL EVENT Powered by TOHO animation」の様子(c)日向夏・イマジカインフォス/「薬屋のひとりごと」製作委員会
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「薬屋のひとりごと」のイベント「The Apothecary Diaries SPECIAL EVENT Powered by TOHO animation」の様子(c)日向夏・イマジカインフォス/「薬屋のひとりごと」製作委員会

 小説投稿サイト「小説家になろう」から生まれた日向夏さんのライトノベルが原作のテレビアニメ「薬屋のひとりごと」のイベント「The Apothecary Diaries SPECIAL EVENT Powered by TOHO animation」が7月5日、米ロサンゼルスで開催されたイベント「Anime Expo」内で行われた。同作のイベントが海外で開催されるのは初めてで、長沼範裕監督、キャラクターデザインの中谷友紀子さん、色彩設計の相田美里さんが登壇し、制作の裏側を語った。

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 会場には約3400人が集まり、猫猫、壬氏のコスプレのファンの姿も見られた。長沼監督は「『薬屋のひとりごと』では初の海外イベントなので、こうやって海外のファンの皆さんにお会いできてうれしいです。北米でこんなに愛してもらえていて、皆さんが楽しんでいる様子を直接見ることができて幸せです」と感謝の言葉を伝えた。

 キャラクターデザインの中谷さんは、猫猫と壬氏のデザインへのこだわりを「猫猫は、性格的に可愛げのないキャラクターなんです。でも、皆さんに愛してもらえるように愛嬌(あいきょう)のある顔を目指して作っていきました。壬氏は、“とにかく美人”。美人を描くのは一番難しいので、デザインが固まるまで苦労しました」と明かした。

 色彩設計の相田さんは、同作の色使いについて「色彩設計は、キャラクターや小道具に色を決めていく仕事です。基本となる色を決めた後、シチュエーションや時間の中で変わっていく色も決めていきます。後宮の華やかさを出しながら、見ている皆さんが物語やキャラクターに集中できるようにまとまりを出すことを意識していました。この作品ならではのポイントとしては、“キャラクターの感情”に合わせた表現をすることです。少し不自然に見えるくらいに強い色を乗せたり、瞳の色をあえて鮮やかにしたり、逆に彩度を落として沈んだ感情を見せたりなど、細かく色の変化をつけています」とこだわりを語った。

 長沼監督は、猫猫について「猫猫の強さは生まれ持った強さではなく、自分がこれまでの人生の中で培ってきた知識で、困難に立ち向かっていくところが魅力的だと思っています。周囲に流されることのない、猫猫の正義感もほかの作品と違うところだと思います。また、猫猫は毒が好きなキャラクターなので、耳をぴょこん!と出したり、目をきらきらさせたりとアニメならではの表現もたくさん入っています。耳はある意味、毒レーダーみたいなものかもしれないですね」と話した。

 イベントでは、中谷さんがライブドローイングで猫猫を描いた。

 「薬屋のひとりごと」は、ライトノベルがヒーロー文庫(イマジカインフォス)から刊行されており、コミカライズも人気を集めている。原作のシリーズ累計発行部数は3300万部以上。

 舞台は、とある大陸の華やかな後宮で、毒見役の少女・猫猫が、美形の宦官・壬氏と共に陰謀やウワサのひしめく後宮で起きる事件に巻き込まれていくことになる。テレビアニメ第1期が日本テレビ系で2023年10月~2024年3月に放送された。第2期が制作され、2025年に放送されることも発表されている。

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