鳥海浩輔:北野誠也役で「宇宙戦艦ヤマト」初参戦 重厚な現場 “ど真ん中の小野大輔”との共演に喜び

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 人気アニメ「宇宙戦艦ヤマト」リメークシリーズの最新作「ヤマトよ永遠に REBEL3199」の第一章「黒の侵略」が7月19日から上映される。1980年公開の劇場版第3作「ヤマトよ永遠に」に新解釈を加え、全26話、全七章に再構成した。「ヤマト3199」には、宇宙防衛大学の鬼教官として土門竜介たちを指導した北野誠也などの新キャラクターも登場する。北野誠也は「ヤマトよ永遠に」には登場しない「ヤマト3199」のオリジナルキャラクターで、人気声優の鳥海浩輔さんが演じる。「宇宙戦艦ヤマト」に初出演する鳥海さんに、「ヤマト3199」について聞いた。

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 ◇鬼教官だけど厳しいだけじゃない

 「宇宙戦艦ヤマト」は1974年にテレビアニメ第1作が放送された。約半世紀にもおよぶ歴史のある名作だ。

 「ほぼ僕と同い年で、誰もが知っている日本を代表するタイトルの一つだと思います。ヤマトの造形であったり、SFの部分なども魅力ですが、それだけではなく人間ドラマがしっかり描かれている、そのストーリーの重厚さも魅力の一つだと感じています。古代がただのスーパーヒーローじゃないところもいいんですよね」

 「ヤマトよ永遠に REBEL3199」は、作家の福井晴敏さんが総監督を務め、シリーズ構成、脚本も担当する。福井さんは、リメークシリーズの「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」「宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち」でシリーズ構成、脚本を担当しており、最新作では総監督も務めることになった。ヤマトナオミチさんが監督を務める。

 鳥海さんが演じる北野誠也は、冷静に攻守の機微を見極める優秀な軍人。指導者としての資質も非常に高い。ガミラス戦争時、“ヤマト計画”の候補者だったが事故に遭い負傷、ヤマトへの乗艦はかなわなかった。戦後、傷を癒やし、宇宙防衛大学の教官として軍務に復帰。“鬼の北野”と呼ばれる厳しい指導を通じて若い世代の育成に力を注いだ。土門たち第38期生は、北野誠也の“最後の教え子”で、ヤマトで戦術長を務めた北野哲也は実弟だ。オリジナルキャラクターということもあり、謎も多い。

 「ネタバレになってしまうので、言えないことも多いのですが、僕らにもあえて教えられていないこともあって、毎回新鮮な気持ちで台本に向き合っています。北野誠也は真面目な人です。意味深に傷があり、体の一部が機械になっている。過去への葛藤、思い、乗り越えてきたものがあるのですが、現状ではそこを全く見せていません。今後、物語の中心人物になっていったらうれしいですし、今はまだ言えないことが多いのですが、そこも楽しみにしていただけばと。」

 “鬼教官”ではあるが、第一章を見ると、それは過去のことで、少し落ち着いているようにも感じる。

 「かつて鬼教官であったということですが、ただ厳しいだけじゃなくて、愛情もって教え子たちに接しています。ただ、分かりやすく甘くはならないと思いますし、表情がそこまで変わるタイプでもないので、ちょっとしたニュアンスを乗せるか、乗せないかのさじ加減を演じる際に考えています。最近収録をした話数では、彼の気持ちが少しにじむシーンもありましたが、あくまで職務に忠実に動いている。大人なんですよね。今後は、少しずつ自分の気持ちも出てくるのだろうか?と楽しみにしています」

 ◇重厚な人間ドラマ

 2012年にスタートしたリメイク・シリーズの第1弾「宇宙戦艦ヤマト2199」から約12年にわたって主人公・古代進を演じているのが小野大輔さんだ。鳥海さんと小野さんはこれまでも数々の作品で共演経験がある。

 「小野さんとはほかの現場では会っていますが、『ヤマト』の現場では分散で収録していることもありこの前、初めて一緒に録ることができましてその時に、『久しぶりにあなたの一番いい声を聞いている気がする』と言いました。最近、共演する時はマッチョなキャラが多くて(笑い)。もちろん、いろいろなキャラクターを演じていることは知っているのですが。ただ、生で“ど真ん中の小野大輔”を久しぶりに聞いた。それがうれしかったです。彼が若い時から共演させていただいていて、世代、キャリアはそんなに変わりません。ほぼ同世代みたいなものですからね。勝手に僕の世代に組み込んでしまいましたが(笑い)」

 「宇宙戦艦ヤマト」には、若手からベテランまで幅広い世代の役者が出演している。

 「僕が現場に行くと、年齢が上の方だったり、一番上になることも増えていますが、『ヤマト』は大先輩方、重鎮の方もいらっしゃって、とても重厚です。だからこそ、人間のドラマをしっかり描けるのだと思います。いろいろな意味での重みがある作品だと思います。若手もいて、バランスがいい。この先も、面白いドラマになっていくんじゃないかと楽しみにしています」

 「ヤマト3199」の上映に向けて「50年前からずっと作品に触れられている方、新しいファンの方も期待していただいていいタイトルだと思います。一生懸命に作っている最中ですけど、ぜひ期待してご覧になっていただいて、堪能していただければうれしいです。僕たちは結末を知らされていません。どうなるんだろう?と楽しみにしています」と語る鳥海さん。謎多き北野誠也が一体どんな活躍を見せてくれるのか? 第二章以降の活躍にも期待が高まる。

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