ドラゴンボールDAIMA
第6話 イナヅマ
11月18日(月)放送分
人気演劇「TRUMPシリーズ」の完全新作テレビアニメ「デリコズ・ナーサリー」が8月にTOKYO MXほかで放送をスタートした。「TRUMPシリーズ」は、劇作家の末満健一さんによるオリジナル演劇で、2009年に第1作「TRUMP」が上演され、吸血種と人間種が共生しながらも反目する社会で、伝説の吸血種“TRUMP”の不死伝説に翻弄(ほんろう)されていく人々の血と命を巡る1万年以上にも及ぶ物語が描かれてきた。「TRUMPシリーズ」では、吸血種の“繭期”(人間で言う思春期)が重要なキーワードの一つとなっている。「デリコズ・ナーサリー」でエンリケ・ロルカを演じる下野紘さん、ディーノ・クラシコを演じる佐藤拓也さんに「私の繭期」について語ってもらった。
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佐藤さん 小西さんの「今も繭期」というお答えには、僕も同意してしまいます。それは、小西さんがそうだろうなという意味ではなくて、僕自身も「大人」と言われる年齢になってみて、自分が想像していた大人と比べてあまりにも成長していないという実感があって(笑い)。僕の場合は、10代の頃のほうが「早く大人になりたい」という気持ちが強かったかもしれません。生命体として大人になってしまった今の方が、退行とまでは言いませんが、自分に対しての“伸びしろ”というか、「もっと何かあるんじゃないの?」という思春期のような気持ちが強くなっているところはあるかもしれないですね。
下野さん 僕は思春期の頃より歯止めが利かないという意味で言うと、20代後半が繭期かもしれないです。収録が終わった後に飲みに行く機会が多かったのもあって、すごくお酒を飲んでいた時期があったんです。当時は「飲み方が汚い」と言われるほどで。
佐藤さん 飲み方に「きれい」「汚い」があるんですね(笑い)。
下野さん 28、29歳くらいじゃないかな。その頃が一番、精神的にちょっと荒れていたかもしれない。特に仕事関連で「自分の思った通りにできないな」と感じていたし、オーディションでも「あの役に受かりたかった」とか「あの人が受かって」という嫉妬心があって。そういうのが一番バリバリあったのが、20代後半だったと思います。
下野さん 30代前半から徐々に、という感じでした。
佐藤さん 僕も、仕事を始めた頃は鬱屈としていたかもしれませんね。下野さんがおっしゃったみたいに、オーディションで落ちた・受かったという、自分と他者との比較みたいな気持ちは、20代の頃は強かった気がします。「自分はなぜもっとできないのだろう」と思っていて。ただ、下野さんと同じで、30歳過ぎて徐々に、自分と他者を比較することにエネルギーを傾けるのが面倒になってきちゃって。例えば、僕はAさんになれないし、Aさんは僕になれないしなと。オーディションに落ちた・受かったは、一生続くことだし、それなら目の前のこと、自分にできることを一生懸命頑張ればいいのかなと、ある種、ラクになれたというか。
下野さん 30代、40代になると、やりたいこともどんどん増えていくよね。自分にやれることも増えるし、周りからの「こういうことをやってほしい」というのも増えてくる。そんな中で、他人と比較する必要性なんかないと気付く。結局、自分との戦いでしかないから。
佐藤さん まさにそうです。
下野さん それなのに、どうしても羨ましがっていたんだろう?と。幼かったと言えば、幼かったのかな。ちなみに、佐藤くんは今いくつだっけ?
佐藤さん 40歳になりました。
下野さん 40代、すっごく楽しいよ。30代の時に、自分の中で「これは大切にしておかなきゃ」と思っていたものが、「ゴミだよ、こんなの」という感覚になる(笑い)。それに「これ、俺には無理だよな」と思っていたことも、「あ、この扉は開けられますね」となる。20代、30代は、ベルトコンベヤーに乗って流されないように一生懸命走らなきゃという気持ちだったんだけど、40代になってからは「流されてみるか」「まあ、いっか」と。
佐藤さん 僕も今、そういう感覚で、実はそちらが楽しかったと実感しています。こだわりの範囲が狭まっていくんですよ。自分が自分じゃなくなるわけではないし、ここを譲ってもいいか、みたいな。
下野さん 自分の中のキャパシティーがどんどん大きくなっていくんですよね。簡単に断捨離もできるようになる。
佐藤さん どこか「俺はまだ本気出してないだろう」というのがありますよね。
下野さん それは遅いよ!
佐藤さん いや、まだ“ワンチャン”何かあるはずだって(笑い)。
「デリコズ・ナーサリー」は、高貴な貴族の吸血種たちが我が子の育児に奮闘する裏で、TRUMPにまつわる怪しい陰謀が渦巻く……というストーリー。名門中の名門とされる特級貴族家系のデリコ家の当主であるダリ・デリコを取り巻く因縁の物語が描かれる。
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