特撮ドラマ「仮面ライダー」シリーズの新作「仮面ライダーガヴ」(テレビ朝日系、日曜午前9時)が9月1日にスタートする。半世紀以上にわたる仮面ライダーシリーズの歴史の中で、初めて“お菓子”の力で変身する仮面ライダー。ここでは既発の情報を基に今作について解説する。
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「仮面ライダーガヴ」は、「仮面ライダーゼロワン」(2019~20年)から続く令和ライダーシリーズ第6作。「お菓子」がモチーフで、異世界からやってきたお菓子大好きの青年ショウマ(知念英和さん)が仮面ライダーガヴに変身し、お菓子の力で幸せな人間をさらおうとする怪人グラニュートと戦う。
物語のキーとなるのは、ショウマがお菓子を食べると生まれる小さいモンスター・ゴチゾウだ。小さく可愛い見た目をしているが、さまざまな場面でショウマたちをサポートする存在で、ゴチゾウの力を借りて、仮面ライダーガヴはさまざまなフォームにチェンジ。グミをイメージしたメインフォーム「ポッピングミフォーム」のほか、ポテトチップの「ザクザクチップスフォーム」、マシュマロの「ふわマロフォーム」、キャンディーの「グルキャンフォーム」、チョコの「チョコダンフォーム」の存在が明かされている。
特徴は、どのフォームも色鮮やかなこと。「ポッピングミフォーム」は弾力を感じさせるパープルのクリアボディーをしている。パイロット監督である杉原輝昭監督は、YouTubeで配信されたスタートアップ番組の中で「お菓子がモチーフなので、作中の画(え)作りに関して、色味を多くして、できるだけポップにしている」と話していた。
だが、明るくてポップな世界観だけではない様子。今作の脚本は「仮面ライダーウィザード」(2012~13年)や「機界戦隊ゼンカイジャー」(2021~22年)などで知られる香村純子さんが手掛けるが、杉原監督は「“ちゃんと仮面ライダー”している。エグいところはエグく描くし、そうじゃないところは香村さんの持ち味である“ふわっと柔らかい、かわいい感じ”で描くしっていう、そのバランスが絶妙に脚本の中でもできているので、そこをどう膨らまして、強弱つけられるか、いろいろ考えています」と述べていた。番組の予告では、すでに「闇菓子」という不穏なワードも登場していたが、仮面ライダーらしい“ダークさ”は期待できるようだ。
そんな今作の“ダークさ”を担うのが、敵組織「ストマック家」だ。お菓子会社・ストマック社を運営する一家で、怪人グラニュートを使役して人々を襲わせる。
長男で社長のランゴ・ストマック(塚本高史さん)をはじめ、長女、次男、双子の三男と次女の存在が明かされており、先日のトークショーでは、塚本さんが「(5人)それぞれ腹黒い」と紹介。次男ニエルブ・ストマック役の滝澤諒さんは「きょうだい仲良しだけじゃなく、それぞれの思惑がある」と話していたが、ストマック家の中でもさまざまなドラマが生まれそうだ。
そして、塚本さんいわく、ランゴは「ちゃんと悪くて、強い」。予告ではランゴが「人間はうちの家族じゃない。闇菓子の材料に過ぎない」と恐ろしい発言もしていたが、強敵としてショウマたちの前に立ちはだかるのだろう。
敵組織が家族というのは、「仮面ライダーW」(2009~10年)の園咲家を想起させるが、ストマック家も、園咲家のような“名悪役”になれるポテンシャルを秘めているのではないだろうか。
放送前に行われた取材会では、ショウマ役の知念さん、“2号ライダー”仮面ライダーヴァレン/辛木田絆斗役の日野友輔さん、ヒロインの甘根幸果役の宮部のぞみさんが今作について「格好良い」仕上がりになっていると口々に言っていたのが印象的だった。
知念さんは「お菓子のキャラクターの可愛いらしいポップな部分と、格好良くてスタイリッシュなアクションの二つの側面がある作品だと思っています」とアピールしていたが、お菓子がモチーフという子供向けな設定でありながら、しっかりと大人も楽しめる作品になっているようだ。
可愛らしいお菓子の要素を組み込みつつ、“ダークさ”や“格好良さ”という仮面ライダーの系譜も受け継いでいるとみられる「仮面ライダーガヴ」。まずは第1話の放送を楽しみたいと思う。
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