岡田将生:「ラストマイル」で満島ひかりと14年ぶりタッグ 演劇的なシーンの連続も「本当に助けられました」

映画「ラストマイル」に出演する岡田将生さん
1 / 4
映画「ラストマイル」に出演する岡田将生さん

 公開中の映画「ラストマイル」(塚原あゆ子監督)に出演している岡田将生さん。演じているのは、主演の満島ひかりさん演じる舟渡エレナと同じ、世界規模のショッピングサイトの関東センターに勤める梨本孔だ。今作は、塚原監督がメガホンをとり、野木亜紀子さんが脚本を担当、ドラマ「アンナチュラル」(2018年)と「MIU404」(2020年)の世界線と交差する“シェアード・ユニバース”のノンストップサスペンス。この世界線の作品に参加できて「感動しました」という岡田さんが、満島さんとの撮影の裏側などを語った。(前後編の前編)

あなたにオススメ

 ◇「アンナチュラル」「MIU404」を見ていたので「感動しました」

 物語は、流通業界最大のイベントの一つである11月の“ブラックフライデー”の前夜、世界規模のショッピングサイトの関東センターから配送された段ボール箱が爆発する事件が発生する。やがてそれは日本中を恐怖に陥れる連続爆破事件へと発展。センター長に着任したばかりの舟渡エレナは、チームマネジャーの梨本孔とともに未曽有の事態の収拾にあたる。「アンナチュラル」から石原さとみさん、井浦新さん、市川実日子さん、「MIU404」から綾野剛さん、星野源さん、麻生久美子さんらも出演している。

 岡田さんは、今作の出演が決まる前から、同じ座組の「アンナチュラル」や「MIU404」を見ていたという。台本を読んで今作が“シェアード・ユニバース”の作品だと知り、「びっくりしました。そこで初めて交差してるんだっていうことを知ったので。多分皆さんが映画を見るときと同じような感覚で知りましたね。僕自身は二つのドラマを見させてもらっていたので、感動しました」と語る。

 「同じ世界線の映画に出られるのはすごくうれしいことだなと思いました」と喜んだ一方、「なかなかのプレッシャー」とも感じた。

 「野木亜紀子さんの本なので、読みごたえがすごくあって、とてもよくできた本だなと思いました。読んだあと疲れ切って、とても複雑な話だったので、理解するまでにものすごく時間がかかりました。撮影してる最中もまだ分からないことが多々あって、それを監督やプロデューサーさんや皆さんと話し合いを重ね合いながら、やっていきました」

 脚本について、「満島さんも同様に、やっぱり分からないことが多いとおっしゃっていて。だから2人で分からないことを共有して、タッグを組んで難解な(脚)本に立ち向かうという形でした」と語る。

 ◇「脚本から“試されてるな”と感じた」

 岡田さんと満島さんは14年ぶりの共演。「悪人」(2010年)では岡田さんが満島さんを車の外に蹴り飛ばすシーンが鮮烈だった。今回、岡田さんは入社2年目のチームマネジャーの孔を演じ、満島さん演じる新任のセンター長のエレナと2人、倉庫内で繰り広げるシーンがほとんどだった。

 「僕たちはずっとこの倉庫の中にいて、外で何が起きているかは、実際に自分の目では見ていない。情報だけ入ってくることに関して、どう処理をして、どのぐらいのショックを受けているのか、どのぐらいの被害が起きているのかを 冷静に50%ぐらいのショックかなとか、満島さんと共有しながら作っていけたんじゃないかなと思っています」

 感情を共有して作ったとはいえ、やはり限られた空間でのお芝居は難しいものがあったのではないか。

 「ずっと同じ場所で同じ人と相対していかなきゃいけないというのは、とても難しい。どこか演劇的でもあり、演じる人によってすごく表現が変わるだろうし、野木さんから何か試されてるなと感じました。でも、満島さんとだからこそできたし、満島さんが本当に面白くしてくれたと僕は肌で感じられて、本当に助けられました」

 また、じっくりと演じられる環境が現場には整っていた。「ずっと満島さんと2人、迷路に入ってる感じでした。地に足が着いていない感じで、ふわふわしたまま撮影している瞬間もあったので、不安がありました。けれど、塚原監督がしっかりと支えてくださった。今回、成立したのは、塚原監督がどっしり構えてくださったお陰で、僕たちも安心してお芝居ができる環境だったからだと感じています」と実感を込めて語った。

 後編は孔を演じるに当たって気をつけたことや今後について語る。

写真を見る全 4 枚

映画 最新記事