24年夏ドラマ:ついにクライマックス 意外な注目5作品をピックアップ(ネタバレあり)

「マル秘の密子さん」=日本テレビ提供
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「マル秘の密子さん」=日本テレビ提供

 ひと夏を暑く彩った力作ぞろいの夏ドラマが次々と佳境を迎えている。話題作以外にも例年にも増して“掘り出し物”が多かった印象があった今期のドラマ。民放地上波5系列別に隠れた注目作をチャンネル順にピックアップしたい。

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 今回は隠れた注目作を紹介するということから、高視聴率で最後まで盛り上がった日曜劇場(TBS系、日曜午後9時)の「ブラックペアン シーズン2」と、TVerでの再生数が5000万回を突破している“月9”(フジテレビ系、月曜午後9時)の「海のはじまり」の2作品についてはあえて除外した。

 ◇以下、最新話までのネタバレがあります

 福原遥さんが主演を務める「マル秘の密子さん」(日本テレビ系、午後10時)は、トータルコーディネーター”本宮密子(福原遥さん)が、松雪泰子さん演じる不運続きのシングルマザー・今井夏を、華麗なる一族が率いる大企業「九条開発」の社長の座に付けるべく奮闘するというストーリー。一見サクセスストーリーかと思いきや、密子の姉の死をめぐるサスペンス展開が物語を大きく揺り動かしており、9月21日放送の第9話では密子と夏の関係が大きく変化している。

 松下奈緒さんが主演を務める「スカイキャッスル」(テレビ朝日系、木曜午後9時)は、人気韓国ドラマのリメークで、高級住宅街で繰り広げられる受験戦争に端を発する熾烈な競争と複雑な人間関係を描いたサスペンスだ。原作があるだけについつい比較してしまうが、松下さんのほかにも豪華キャストを起用したことで、登場人物の立ち位置がわかりやすく見やすくなっている印象。そんな中、新井美羽さん、田牧そらさん、坂元愛登さんら受験生の子供たちを演じる若手俳優の奮闘は新鮮だ。

 若者向けの斬新な作品を送り出しているTBS系の深夜ドラマ枠「ドラマストリーム」(火曜深夜11時56分)。9月3日まで放送されていた「さっちゃん、僕は。」は、朝賀庵さんの同名マンガ(集英社ジャンプコミックス)が原作で、“さっちゃん”こと小山内早智(中山ひなのさん)と遠距離恋愛中の片桐京介(木村慧人さん)はひょんなことから、隣に住む人妻の国木田紫乃(石川恋さん)と関係を持ってしまうのだが……というストーリー。無垢な地元の彼女と妖艶な人妻(とクセ強の夫)の間で揺れ動くドロドロの展開が序盤から話題を呼んだが、最後までヒリヒリする展開で、原作と異なるラストは「ホラー過ぎる」と視聴者を戦慄させた。

 松本まりかさんが“サレ妻”を演じて話題の「夫の家庭を壊すまで」(テレビ東京系、月曜午後11時6分)もまた不倫をテーマに話題を呼んでいる。赤石真菜さんの同名ウェブマンガが原作で、不倫に復讐を掛け合わせた鉄板の組み合わせだ。15年にわたって不倫を続け、もう一つの家庭を築いていた夫への復讐劇だが、不倫相手の息子を誘惑するという展開と裏で糸を引いていた意外な人物の存在などさまざまな要素で見ごたえたっぷり。9月9日の第9話からは7年後が舞台で、復讐のその後が描かれている。

 宮藤官九郎さんが初めて手掛けた医療ドラマで、小池栄子さんと仲野太賀さんがダブル主演を務めた「新宿野戦病院」(フジテレビ系、水曜午後10時)。先日最終回を迎えたが、歌舞伎町の「聖まごころ病院」を舞台に、小池さん演じる米国籍の元軍医と仲野さん演じる軽薄な守銭奴の美容皮膚科医らの奮闘が描かれた。前クールの「不適切にもほどがある!」(TBS)と比べてギャグ要素は抑えめだったが、歌舞伎町が抱えるさまざまな問題も扱うなど社会派ドラマとしての側面もありながら、説教臭さがないのはさすがだった。

 これらは、読者の反応も参考にしつつ、あくまでも独断と偏見でピックアップしたオススメ作なので、お気に入りの作品が入っていなかったり、どうしても口に合わないものもあるだろう。ただ、幸い今は各種サブスクサービスで簡単に見ることができるので、気軽にお試しで見ていただければ。

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