松下奈緒さん主演の連続ドラマ「スカイキャッスル」（テレビ朝日系、木曜午後9時）が次週、9月26日の放送で最終回を迎える。19日放送の第8話では、メインキャラクターの山田未久（田牧そらさん）が開始2分たらずで死亡するという衝撃展開だったが、自身の血縁の秘密を知り悲しき復讐者と化した未久役の田牧さんの好演ぶりは、これまで際立つものがあった。また、未久のライバルである浅見瑠璃役の新井美羽さんの演技も光っており、役柄もあいまって2人の若手俳優の“演技バトル”としても人気を博した。ここでは改めて、田牧さんと新井さんのこれまでの経歴を解説したい。

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　◇スーパー戦隊にも！　昨年は問題児集団の“裏の軍師”

　田牧さんは2006年8月2日生まれの18歳。「スカイキャッスル」にも出演中の木村文乃さんをはじめ数々の人気俳優がおり、小栗旬さんが社長を務めることでも知られる「トライストーン・エンタテイメント」に所属している。

　幼少期から子役として芸能活動をしており、「山崎製パン」や「スタジオアリス」など数々のCMに出演。「相棒 season17」第8話（2018年）をはじめ多数のドラマにも出演してきており、スーパー戦隊シリーズ「騎士竜戦隊リュウソウジャー」（2019～20年）にもレギュラー出演していた。

　昨年は期待の若手俳優たちがそろった学園ドラマ「最高の教師　1年後、私は生徒に■された」（2023年）で、問題児集団の“裏の軍師”を演じて話題に。注目を集め、「2024年にブレークしそうな若手女優ランキング」（CMサイト調べ）で1位にも選ばれた。バラエティー番組でも活躍しており「有吉のお金発見 突撃！カネオくん」（NHK総合）では5年にわたってアシスタントを務めている。

　「スカイキャッスル」で演じた未久は、未婚の母の一人娘である苦学生。母の看病と、高額な治療費を賄うためのアルバイトに追われる日々の中、医師を目指して独学で勉強し、進学校の中でも成績トップ争いの常連だった。だが母の死と、ライバルの瑠璃の父親・浅見英世（田辺誠一さん）が自分の父親でもあることを知り人生が一変。復讐に燃え、浅見家に居候として入りこむが、悲劇的な末路を迎えた。

　浅見家への復讐に燃えつつも、何も知らない英世に娘だと知ってほしい、亡き母への愛情が本物だったと認めてほしいという願望の間で苦しんだ未久。過酷なバックボーンゆえかどこか大人びつつ、一方で瑠璃に対して見せる“いじわる”な若者らしい表情も見せたが、田牧さんの繊細な演技が見事で、強烈なインパクトを残したといえるだろう。

　◇大河「直虎」では柴咲コウの子供時代　すでに3作の朝ドラ出演

　瑠璃役の新井さんは2006年9月17日生まれ、田牧さんと同い年の18歳だ。木村佳乃さんや杏さん、中村倫也さん、松坂桃李さん、菅田将暉さんら、そうそうたる顔ぶれがそろう「トップコート」所属。

　新井さんもまた、子役として幼少の頃より活動しており、NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」（2017年）では主人公・井伊直虎（柴咲コウさん）の子供時代を演じて話題となった。また、NHK連続テレビ小説（朝ドラ）には「花子とアン」（2014年）、「わろてんか」（2017～18年）「ちむどんどん」（2022年）と若くしてすでに3作出演しており、「わろてんか」ではヒロイン・藤岡てん（葵わかなさん）の幼少期を演じていた。

　今年は大泉洋さん主演の映画「ディア・ファミリー」で、福本莉子さん、川栄李奈さんと姉妹役を演じ、来年公開の映画「雪の花　ーともに在りてー」にも出演が決まっているなど、銀幕でも活躍中だ。

　「スカイキャッスル」で演じる瑠璃は、主人公の浅見紗英（松下さん）の長女。極度の負けず嫌いで、ライバルの未久に勝利するため、そして難関大合格のためにも母と二人三脚で勉学に励んでいたが、受験コーディネーターの九条（小雪さん）に心酔していき、いつしか九条を母よりも信頼するようになっていった。

　思いを寄せる南沢青葉（坂元愛登さん）が未久に好意を見せることで、より一層未久を嫌悪していた瑠璃。自己中心的な性格もあり、ヒールとまではいかないが、物語の“嫌なヤツ”ポジションを担っているが、それも新井さんの演技力があってこそだろう。

　最新の第8話では、未久の落下死亡事件で警察から疑惑の目を向けられていた瑠璃だったが、警察の捜査が一転して別の容疑者が……という展開だった。最終回で瑠璃がどのような行動を見せるのか、果たして“改心”するのか、新井さんの芝居と共に楽しみだ。

　共に子役の頃から活躍しているという共通点のある田牧さん、新井さん。「スカイキャッスル」を見ていると、さらに成長した2人の再共演も見てみたい。