ダンダダン
第12話「呪いの家へレッツゴー」
12月19日(木)放送分
電子コミックサービス「LINEマンガ」のレーベル「ジーンLINE」で連載された島順太さんのマンガが原作のテレビアニメ「村井の恋」が、10月6日からTOKYO MXほかで放送される。乙女ゲームの推しキャラクターに本気で恋をする教師・田中彩乃と、その教師に恋をして猪突(ちょとつ)猛進に感情をぶつける男子高校生・村井の恋愛模様を描いたラブコメディーで、高梨謙吾さんが村井、日笠陽子さんが田中をそれぞれ演じる。
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高梨さんはドラマCDに続き、村井を演じることになった。ドラマCDを収録したのは、原作が完結する前だったこともあり、また違う気持ちでアニメの収録に臨んだ。
「ドラマCDの時には知り得なかった原作の情報もたくさんあり、それを上乗せされた状態で演じることができたので、自分の中での解像度がより上がった状態で収録に臨めました。アニメを制作している段階で完結していたので、目指すべきゴールも見えていましたし、自分の中でイメージしやすい状態で演じることができて、すごくやりやすかったです。原作を読んでいる方はご存知の通りだと思いますが、キャラクターの全ての行動、描かれていることに理由や意味があり、ただギャグに振り切っただけではないのがこの作品の魅力です。一つ一つの裏側にある意味をどれくらい言葉に乗せるか、またはミスリードするのかが、難しく、そのさじ加減は現場ですり合わせつつ、試行錯誤したのですが、丁寧に作り上げることができたのがうれしかったです。基本的にクールで淡々としているキャラクターですが、思いの強さが段々と視聴者の方に伝わっていくと思います。その一つ一つが最後につながり、皆さんにどう思ってもらえるのか? 楽しみながら演じさせていただきました」
高梨さんが演じる村井は、成績優秀、真面目でピュアな高校生。田中に猛烈なアプローチを続ける。「村井の恋」は、村井をはじめキャラクターがよくしゃべる。せりふ量も多い。会話劇が魅力の一つになっている。
「一般的な会話劇を中心とした作品の中でも情報量がめちゃくちゃ多いです。アニメの台本は、カットごとに分かれているのですが、せりふが書かれてないカットがないんです。誰かがしゃべっている裏で、ほかの誰かがしゃべっている。すごいせりふ量で、これまで出演してきた中でもダントツの多さですね。文字を追わず、掛け合う相手に集中しようと、せりふを自分になじませた状態で現場に行きたいと思っていたので、準備に時間をかなり使いましたね。それが大変でした。皆さん大変だったと思うんですけど……(笑い)」
高梨さん、日笠さんに加え、春夏秋冬役の島崎信長さん、桐山役の天崎滉平さん、平井役の石谷春貴さんら豪華声優陣が出演する。
「主役をやらせていただいていて、座長ではあるのですが、僕はグイグイ引っ張って、盛り上げるタイプの人間ではありません。ただ、現場ではみんなコミュニケーションが活発だったと思います。アドリブが多く、『ここにこの絵があるのでよろしく』となることもありました。後ろに控えている方々はニヤニヤして、やっている人は汗ダラダラになったり(笑い)。ものすごく熱量があって楽しい現場でした」
アドリブが多く、テンポも速いとなると、ハードな収録になりそうだ。共演者から刺激を受けながら、村井役を全うした。
「ギャグなので、テンポを大事にしようとすると、この尺にこのせりふ量を入れるのは、ニュアンスの込めどころが難しく、悩みましたね。尺が短ければ短いほど、皆さんにちゃんと伝わるように演じようとしました。言葉の裏側までちゃんと相手に伝えられるようにしたかったので、掛け合いで収録できたのは、ものすごく大きかったです。そのテンポがあるからこその面白みが生まれたり、ニュアンスが殺されるからこそ、逆に伝わるものもあったりしますし、流れに乗ろうと思っていました。多分皆さんもそうされていたんじゃないかな? 現場に行かないと出ないものばかりでしたし、同じことを今もう一度やろうとしても多分無理です。それくらい熱量が生まれていました」
高梨さんは「僕個人としては、村井に対しての近いところは正直なくて。なんなら真逆なんです」とも話す。
「僕は割とドライな人間で、執着心も薄いし、一途でもないかもしれません。どちらかと言うと、熱しやすく冷めやすいタイプかな? 真逆だからこそ、理解したいと思うキャラクターなんです。グッと抑える気持ちで演じていましたが、現場で無茶ぶりもあったんです。“村井の概念”みたいなものに声を当ててみることになり、“概念”だから振り切っていいのかな?と、やってみたところ『違います。そこは村井でお願いします』というオーダーもあったりしました。テストや収録の最中に笑いが起きることもありましたが、僕は引きずってしまうタイプなので、あまり引っ張られないようにやろうとしました。ずっとそこに神経を注いでいて、何とかやり切れたんじゃないかなと思います」
村井を演じる中で意識したことはブレないことだ。村井が田中に対して一途なように、高梨さんも一途に村井役に向き合った。
「久々のアニメの主役ですが、ガチガチになったり、気負ったりすることは、正直あまりなく、自分の芝居に対するアプローチを最初から最後まで一本しっかり通そうと、強く思いながら、演技を構築していました。原作が完結していて、ラストをしっかり分かった上で、村井がどういうふうに変遷していくのか。自分の中で一つ答えを持つというよりは、自分がどう感じるのかを大事にしながら、その瞬間瞬間で、お芝居することに集中して演じていたと思います」
ちなみに、高梨さん自身はどんな高校生活を送っていたのだろうか……。
「割とそつなく、楽しく高校生活を送っていました。部活にも勤しんでいましたし、体育祭や学園祭も高い熱量でやるような学校だったので、積極的にやっていました。青春ですね。この作品の中でもいろいろ巻き起こりますが、近いような高校生活を過ごしていたと今になって思います」
原作ファンはどのようにアニメ化されるかが気になるところ。高梨さんらキャストとスタッフが愛を注ぎ込んだ。
「マンガの表現とアニメの表現は大きく違って、気をつけなきゃいけないこと、大切にするべきことがいっぱいありますが、この作品に関わっている方々は本当に原作を大好きなんだと思わされるような作り方をされていて、原作ファンの方も安心して最後まで見ていただけると思います。原作を読んだ時に感じたであろう想(おも)いが、アニメを見ても全く同じように感じられるはずですし、何度見てもおいしい作品です。ここを音声化、映像化するのか!という衝撃が大きいはずです」
もちろん原作を読んでなくても楽しめる。
「原作を知らずにPVを見ると、もしかしたらよく分からないかもしれません。恋愛ものなんだな、コメディーなんだろうな……という情報は入ってくるかもしれません。でもいい意味で100%裏切られます(笑い)。誰に感情移入して、ドラマを追っていくかで見え方も変わってくると思います。一つ一つの伏線がどのように回収されるのか? もしくは、されないのか? メモしながら見てほしいくらい情報量が多いです。最後まで見ると、見てよかった、もう一回見よう、原作も読みたいと思うはずです。今こうやって言葉にしてしまうと、構えてしまうかもしれませんが(笑い)」
「いい意味で100%裏切られます」とはどういうことなのだろうか? 「村井の恋」は、さまざまな楽しみ方ができるアニメになっているようだ。
※注:島崎信長さん、天崎滉平さんの「崎」は立つ崎(たつさき).
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