ダンダダン
第12話「呪いの家へレッツゴー」
12月19日(木)放送分
キヅナツキさんの人気BLマンガが原作のアニメ「ギヴン」の劇場版2部作の後編でシリーズ完結編となる「映画 ギヴン 海へ」(橋本能理子監督)が9月20日に公開された。「ギヴン」シリーズは、ロックバンド「ギヴン」のメンバーを中心とする青春模様を描いており、劇中で披露される楽曲の数々も魅力の一つとなっている。これまで同シリーズで多くの楽曲を手掛けてきたアーティストの温詞(あつし)さんのソロプロジェクト「センチミリメンタル」が、楽曲制作秘話を語った。
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フジテレビの深夜アニメ枠「ノイタミナ」で2019年7~9月に放送されたテレビシリーズの名場面となった第9話のギヴンのライブシーンで披露されたのが「冬のはなし」。「映画 ギヴン 海へ」では、上ノ山立夏がコーラスとして参加する「冬のはなし -with 立夏ver.-」が披露され、話題になっている。同楽曲は、これまで佐藤真冬が抱えてきた想いが紡ぎ出されており、制作陣も「冬のはなし」のライブシーンがテレビアニメの一番のピークと語っている。温詞さんも「放送開始の1年前から制作を開始し、原作のキヅナツキ先生や山口ひかる監督とも、何度も擦り合わせを重ねて完成させました」と語る。
ステージに立った真冬が歌う前に「他の人がするみたいに泣いたり笑ったり上手にできない。多分きっと人より伝えるのがへたくそなんだ」「でも、だけどほんとは。いつもほんとは――」と語るモノローグについても、温詞さんは「モノローグ部分が楽曲が流れている上に重なって入ってくると思ったので、あえて詞の中にはそこ(モノローグ)で出てくる表現やそれに近い言い回しの言葉は入れないようにしていました」とこだわりを明かす。
実際に歌唱を担った真冬役の矢野奨吾さんについては「たくさん擦り合わせをし、レコーディング本番日以外に練習日を設けたりもしました。2人で一緒に『冬のはなし』というものを、そして何より“真冬がこれまで感じてきた想い”を探し続けてきましたし、お互いの痛みや人生を本気でぶつけ合ってできた渾身の音楽だと思っています」と振り返った。
2020年8月に公開され、中山春樹、梶秋彦、村田雨月の“大人組”の恋模様を描いた「映画 ギヴン」で披露された「夜が明ける」。真冬の音楽面での成長に加え、春樹、秋彦、雨月の人生を突き動かす一曲となった。温詞さんは「広い視点で幅広い人たちに言葉を投げかけるイメージのもと、『冬のはなし』よりも俯瞰性や客観性を大事にしました」と語る。
制作にあたっては「原作を読んでいて、“夜明け”の捉え方がとても印象的だったんです。基本的に期待や希望といった意味合いで使われることが多い中で、『二度と戻れない気がして 夜明けが来るのが怖かった』と、ネガティブなものとして見る角度に初めて出会って、ハッと気づかされました」と明かす。「“上手く眠れなくて朝が来てしまった時、世界はもう翌日を歩んでいるのに自分だけ取り残されたような感覚があった”と思い、そこから一気に書き上げました」と語っている。
真冬の幼なじみである鹿島柊と八木玄純によるバンド「syh」の楽曲「ストレイト」。今年1月に公開された劇場版2部作の前編「映画 ギヴン 柊mix」で披露された。ボーカルの柊の明るいキャラクター性が存分に活かされたアップテンポな曲調が特徴で、温詞さんは「ギヴンの音楽が緻密で技巧的、そして感傷的な部分を多く含んでいるので、syhはオーディションで打ち勝ったバンドであるということを念頭に置いていました。“圧倒的なライブ感”、“感情が外向きに爆発するパワー”、そして“わかりやすいかっこよさ”を大切にしました」と、二つのバンドの特徴を捉えた対照的なスタンスでの制作だったという。
作詞については、「柊が『(歌詞は)ぶっちゃけ響き』と言っていましたが、彼の中にある負けん気や鋭さ、そして優しさを出せるように意識しました。“ライブというものの魅力”だったり、“現代社会への憂い”など、しっかり読み込んで見れば意外と気づきあるメッセージも込められているように作っています」と語っている。
syhのメジャーデビュー曲として披露された「パレイド」。サビ部分を中心にsyhの世界観に誘われるような歌詞が印象的で、温詞さんは「今後は、syhがさらに一歩先のメジャーの舞台で戦っていくことになるので、彼らのありのままの魅力は保ちつつ、よりキャッチーなアプローチが必要でした。もし僕が彼らのプロデューサーだったらどのように楽曲を取りまとめて、デビューさせるだろうという意識で制作しました」と振り返る。
歌詞の語感の良さや、サウンドのインパクトを特徴に挙げ、「相手に投げかける音楽というよりは、こちら側まで飛び込んできて、その場にいる全員の手を引いて新たな世界へと連れていくようなリーダーシップ感を大切にしています」と語る。歌唱を担当した柊役の今井文也さんとの制作については、「今井くんはとにかく陽のオーラが強い人間で、そこが柊そのものでした。なので、細かい擦り合わせというよりかは、ざっくりと曲に合うディレクションをメインにレコーディングをし、一緒に柊の歌唱像を探しました。思ったより早くその回答に辿り着けた感じがあったので、全体的に非常にスムーズでしたし、そういったところもまさに柊っぽいなと思います」と、今井さんと柊のイメージの近さが曲作りに大きな影響を与えたと語っていた。
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